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第168回

「どうされました塩山さん? まあ、お座りになって下さいよ」

振り返った沼澤氏は手招きしてそう云った。その言葉にうながされ、私はいつもの定位置の椅子チェアーに座った。というのも、沼澤氏は私がいつも座る椅子を憶えていて、空けてくれていたのである。

「実は…時間が消えたんです…」

 私のマジな言葉に、ママはポカ~ンとしたうつろな表情で私を見た。

「どうしたのよ、満ちゃん。時間が消えたって…。消える訳ないでしょ。おかしな子ねえ」

 ママは怪訝けげん眼差まなざしで愚痴っぽく云った。

「熱でもあんじゃない? 早く帰って寝た方がいいわよ、満ちゃん」

 踏まれた足をまた踏まれた感じ…とは、まさにこのことである。ママに加えて早希ちゃんも追撃してきたのだ。しかし私には二人を納得させるだけの言葉は見つからなかった。それ以上に妙なのは、つい今し方、ドアの入口にかけられていた準備中の札がママの後ろの棚に見えたことである。…では、私が入る時に見た札は・・? 私は、ゾクッっと寒気がした。

「あります…。そういうことがあるんです」

 悟りきったような口調で沼澤氏が私に助け舟を出した。

「沼澤さん、どういうことなの?」

「そうですよねえ~。よく分かんないわ」

「霊力と交信できる人には、よくある話なんです。今の塩山さんの場合の逆のパターンもあるんですよ」

「えっ!? 逆って、二時間前に戻るってことですか?」

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