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第167回

 中途半端に応じて私は電話を切った。それにしても、浴室でお告げを聞き、そのままとぎれてしまっていたものが、翌日の煮付につけ先輩、今日のママと、続いてモーションをかけられている。これらを冷静に考えれば、やはり玉の霊力が動いていると考えるのが妥当なようだ…と私は、このとき思った。だが、そうだとすれば、どうするというのだ? とたずねられれば、返答のしようもない。お告げが途絶えたとき、ただ待つしか方法のない我が身だったのである。そんな愚かなことを考えあぐねながら、私の腕はみかんへハンドルを切っていた。

 みかんのドアを開けると、驚いたことに沼澤氏がすでにカウンター椅子チェアーへ座っていた。しかも、すでに氏の好きなマティーニのカクテルグラスがテーブル上にあり、チビリチビリと氏は、やっていた。妙だな? いつものように会社を出たのだから、みかんはまだ営業していないはずだが…と思えた。その証拠に、ドアの入口には準備中の札がかかっていたのだ。私はあわてて腕を見た。すると、どういう訳か二時間が消えていた。つまり、六時頃だと思ってドアを入ったのだが、時計はすでに八時を指していたのだった。私は唖然あぜんとして立ち止まっていた。

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