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第132回

「まあ、面白いかどうかは分かりませんが…。でも、真冬の怪談っぽい話ではあります」

「怪談なの? 聞かせて聞かせて! 私、そいうの、好きなのよお~」

 ママが俄かに勢いを増して乗ってきた。いつやらも云ったと思うが、ママが語尾を伸ばせば話は長びく。

「弱ったなあ~。云い方がまずかったか…。おい! 児島君、昼の話、もう一度、頼む」

「ええ~! もう一度ですかあ…」

 児島君は余り乗り気じゃないようだった。それでも、昼間しゃべった話をひと通りは話した。すなわち、①余り好きでもなかった同級生に急に会いたくなった。②しかし、会ったあと、鳥肌が立つほどの嫌悪感に襲われた。③今、思い返せば、顔も見たくない相手に、なぜ会いたくなったのかが分からない。と、①~③を手短に語ったあと、早希ちゃんが運んで置いたコップの水を児島君は一気に飲み干した。

「…と、まあ、そういうことらしいんですがね。早希ちゃんも出会ったよな」

「ええ、安楽あんらく神社で…」

「実は、その同級生に会った帰りでした」

「それにしても、なんか妙な話よねえ…。ソナタじゃなく、やっぱり、冬の怪談?」

 ママが韓国ハングルドラマにかけて、面白く云った。

「いや、どうもその棚の玉の霊力、なんじゃないかと…」

 私は口走った瞬間、しまった! と後悔した。早希ちゃんは、この手の話をまったく信じない上に、どちらかといえば嫌っていたからだった。反対に、ママはそうじゃないから益々、話に乗ってきた。

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