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第13回

小一時間を課で一人、ぽつねんとしているのは情けないし、ただ皆が出勤してくるのを待ち続けるのも芸がない話だ…と、思えた。それで私は、「じゃあ、ちょっとだけ…」と了解して警備室へ入れて貰った。警備室に入るには、内ロックを外さない限り外部からは入れないのだが、云うまでもなく、不法侵入者をシャット・アウトするための手段である。私が警備室の中へ入り、置かれた椅子に座ると、念のためなのだろうが、禿山はげやまさんはふたたび施錠してロックした。

「まあ、こんなことをする必要もないんですがね…。最近は何が起こるか分からんご時世ですから…」

 そう云いながら禿山さんは小棚から茶碗と駄菓子を出し、私の前のテーブル上に置いた。

「出涸らしですが…」

 動作を続ける禿山さんは、急須に保温ポットの湯を入れ、それを茶碗へ注いだ。私はそれを有難くひと口、戴いた。

「何か面白い話はありませんか? どうも警備員って奴は単調で疲れるんです。若い頃はそうでもなかったんですけど、この歳になりますとねえ…」と、愚痴っぽく云って、禿山さんは爆笑した。

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