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第120回

だが、瞑想めいそうの途中に声をかけるというのもはばかられ、私は静かにドアを閉じた。

「これは…、塩山さんでしたか。来られることは玉のお告げで分かっておりました。しかし、予想より三十分ほど早かったですなあ」

 沼澤氏は座禅の姿勢を崩さず、そのまま両の眼を静かに見開いて云った。

「なんだ…お気づきでしたか。いや、実は私も玉のお告げがあったのです。会館へ行きなさい、って云われまして…」

「ほう…、すでに塩山さんにも霊力が宿ったようですなあ。この前、お会いした時は、すごく気になさっておられましたが…」

「いえ、今も気にはなっているんです。っていうか、この先、自分がどうなるかという漠然とした不安は相変わらず有ります。それに、異変が今後、起こるとして、それがどういう内容か、ということも…」

「そう気になされず、自然に身を任せればよろしいでしょう。明日あしたは明日の風が吹くと…」

「はい、そうすることにします。それにしてもお告げが初めて会った時は驚きましたよ」

「ははは…そうでしたか。この前、お電話で自覚できるのかって心配されておられましたが、そのような次元の低い話でないことは、お告げを体験され、分かって戴けたと思います」

「はあ、それはもう…」

 思わず私は、そう答えていた。

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