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第12回

 他にこなす用もなく、ファミレスから直接、出勤した。社内駐車場で腕を見ると、いつもよりは一時間ばかり早く、社員はまだ誰も来ていないようだった。

「なんだ…塩山さんでしたか。夜は遅いし、朝は早いご出勤、ご精が出ますな」

 警備室のガラス窓からは、社内への出入者が一目瞭然で、通用門をくぐる者は社内、社外の者を問わず赤ランプが点灯する仕組みになっている。もちろん、警備室からのみ見えるのであって、出入りする者からは見えない。当然、不審人物や暴漢用に緊急時の非常警報ボタン、監視カメラ、社内連絡用マイク等が完備し、システムは万全だ。私は、そのまま通過して課へ向かおうとしたが、立ち止まって、「いや、そんないい社員じゃないんですよ…」と、頭を掻きながら笑って暈した。禿山さんは見回り時の制帽を被っていないから、名前の通りの禿頭である。それも仏様のような光背の輝きを持つ見事なまでの丸禿頭なのである。しかも艶光りしていて、思わず合掌してしまいそうになるから困る。

「まだ皆が出てくるまで小一時間あります。どうです? よければ中で十分ほど話していかれませんか?」

 禿山さんは両頬を紅潮させ、赤ら顔で笑った。

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