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第102回

 仕事中にかかったとしても何とかしよう…と私は思った。だから当然、バイブ設定のままにした。課へ戻ると、そろそろ昼休みが終わるという頃合いで、課員達が席へ着き始めていた。沼澤氏からの電話がいつあるか分からないから、私としては気が気ではなかった。それでも電話はなく、午後の仕事が始まった。多毛たげ本舗に端を発した我が社、とり分け、私の第二課の繁忙も、ようやく小康状態へ移行していたから、課員のひっきりなしに電話する姿も見られなくなっていた。とはいえ、年末年始の駆け込み需要を見越した慌しさは例年どおり続いていた。

 沼澤氏からの折り返し電話が入ったのは、二時過ぎだった。私としては、メンタル面での準備は万端、ととのっていた。まあ、正直に云えば、それだけ仕事に熱が入っていなかったということになる。バイブし始めたポケットの携帯に気づいた私は、保留ボタンを押して席を立った。こうして、こうなれば、こうしよう…などと、心を整えているから、動作はスムースだった。

 今度はトイレには入らなかった。二度目だから、なんか臭い話をしているようで嫌だったこともある。上手い具合に使われていない大会議室があり、そこで話そうと思った。携帯を持たない沼澤氏だから、必然的にメールはやらず、話さねば情報が得られないパターンだから、やむを得なかった。

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