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第1回

 いつの間にか沙汰止みとなった時研(時間研究所)の会合だったが、所員証だけは、いつ村越さんからお呼びがかかるかも知れないから、机の引き出しの中へ入れて保管しておいた。村越さんや悟君とも、あれ以来、会ってはいない。私は会社勤めで齷齪あくせくしているが、その後、奇妙な出来事は起こらず、安堵あんどしている一方で、ある意味、気抜けしたような空虚な日々を過ごしていた。事態が一変したのは、そうした日々の続くある一場面からである。

 この日も私は仕事を終え、ようやく解放されたようなゆったりとした気分でデスクの椅子に腰を下ろしていた。同じ課の多くは一人、また一人と自分の仕事に切りをつけると去り、気づけば課内に人っ子一人いず、私一人がぽつねんと居る、といった有様だった。

「なんだ! 塩山さん。まだおられたんですか…」

 課内に突然、入ってきて、声をかけたのはガードマンの禿山はげやまさんである。なんだとは、なんだ! と、多少、イラッとしたが、よく考えればそんな時間なんだ…と、腕時計をおもむろに眺めて怒りを鎮めた。

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