story1,出逢い ヴァルドside
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今日は里帰りしていた相棒のクーレを聖域から呼び戻す為に召喚陣を起動していた。
ここで少し俺達の説明を、俺達召喚士の相棒は聖獣といい、彼ら聖獣の故郷は聖域と呼んでいる。そして、俺達召喚士の仕事は相棒の聖獣と共に魔物を討伐する事。魔獣は穢れてしまった生き物の成れの果てだ。倒さなければ穢れが大地へ広がり植物が育たず人も住めなくなる。俺達の仕事は誇りを持っている重要な仕事だ。
「ヴァルド〜ただいま〜!」
「おかえりクーレ。リフレッシュは出来たか?」
「うん!やっぱり聖域は良いね!美味しい魔力で満たされている!」
「なら良かったよ」
今回も充分クーレが満喫できた事を確認しつつ、少し聖域の魔力が気になった。美味しい魔力って一体なんなんだ?俺達人間にも魔力はあるが主食は食べ物であって、聖獣であるクーレ達は魔力が主食だもんな。そりゃ美味いや不味いはあるか。
チカッ
「ん?なんだ?」
「ヴァルドどうした〜?」
「いや、召喚陣が光った気がして」
「え?僕帰って来た後使って無いよね?」
不思議に思いながら召喚陣へ近づく俺達。すると、一段と召喚陣が光り、召喚陣の中央に真っ白い毛玉が現れた。
「え?なんで白い毛玉がここに?」
「あっ!ヴァルド違う!毛玉じゃなくて赤ちゃん!衰弱してる!」
「はぁ!?とりあえず毛布か?!」
二人してドタバタと毛布を敷いた籠を用意し、そっと聖獣の赤ちゃんらしい毛玉を籠の中央に乗せた。
「なんで赤ちゃんが衰弱しているんだ?普通親がいるもんだろ?それとも聖獣だと違うのか?」
「ううん、聖獣でもさすがに母親が近くで世話するよ。もしかしたら置いてけぼりにされたのかもしれないけど...こんなに小さいからもしかして産まれたてなんじゃないかな?お腹空いてそうだし」
「ご飯か...聖獣は空気中の魔力だったよな」
「そうだけど少し違うかな。小さい時は母親から直接魔力を貰うんだ。空気中の魔力を自分で取り込めないからね。うぅん、ヴァルドが指で直接魔力をあげるのが良いかも」
籠の中で寝ている?気絶している?赤ちゃんを目の前に俺達はそんな会話をしていた。ご飯は魔力で俺が指に魔力を纏わせ、その魔力を赤ちゃんに吸ってもらうのが良さそうだ。早く目を覚まさないだろうか?
赤ちゃんが目を覚ますまで赤ちゃんの呼び名とここにいる為の許可証を制作していた。俺達がいるのは一応軍部隊の寮だからだ。赤ちゃんとは言えど聖獣、事故とは言えど召喚してしまったからには召喚士は俺、聖獣は赤ちゃんと登録し許可証を制作しなければならない。それが規則であり、守らなければ非常事態の時に正確な人数や聖獣の数が分からず更なる事故や事件に発展しかねない。
「...みゃ、みゃ〜みっ」
微かな鳴き声が聞こえた。赤ちゃんが起きたらしい。
「ヴァルド!赤ちゃん起きた!ご飯を早く!」
「分かった分かった。俺も鳴き声聞こえた」
クーレの騒がしい声に反応を返しながらそっと赤ちゃんに近づき抱き上げた。困惑はしてそうだが警戒はしていなさそうだ。静かに指に魔力を集め口元に差し出す。するとお腹が空いていたようで最初はそっと舐めているだけだったのが途中から指を噛みだした。まだ歯も生えていなかったから痛くは無かったが少しくすぐったかった。10分程そうしていると満足したのか口から指を離してこちらを見上げて一鳴きした。ありがとうとでも言っているのだろうか?
これが俺達の出逢い。
俺達は近い未来この小さな赤ちゃんに振り回される日々になるとは今は想像もしていなかった。
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