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あんあんあーあ

ちょっと暴力的性的場面

ピンポンピンポンピンポン。

ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン。

ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン。


ドアを開けなければどうなるのだろう。と思い試した結果がこれだった。

(鍵は持っているはずなのに……)

あくまで私が開けるのを待つつもりのようだ。

(都合がいい。このままほうっておこう)

食料は僅かだがまだある。

それに、少しの間なら何も食べなくたって平気だ。

蛇口をひねれば水だって出る。


ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン


気がついたら眠っていた。

起き上がるとカーテンが風でびゅうびゅうと揺れている。

ベランダの窓が、開いているのか? わたしはここ数年開けた事など一度も無い。

「あっ」

後ろから羽交い絞めにされ、あっという間に両手を縛られた。

驚いて前のめりに倒れる。髪の毛を掴まれて今度は口を塞がれた。

必死に足をバタつかせたが馬乗りになられてすぐ封じられた。

「動くなしゃべんな」

こどもの声だ。男の声か?

まだ幼く聞こえた。

耳の後ろに冷たいものを当てられる。刃物だ、と思った。

シチュエーション的にその手のものしかありえない。

「ここ、あんた一人で住んでる?」

うなずいた。住んでる。

「じゃあ、かくまって。開いてる部屋、ある?住ませろ」

開いている部屋はある。かくまう?すむ?別に構わない。

(ただ、わたしは家から出ない、ひきこもりで、キミの世話は――)

「人に、いうなよ。誰にも言うな。言うな。わかるか?」

言わない。言えない。だって、知り合いいない。

本当は三秒くらいたむらの顔が浮かぶ。

「よし、じゃあ、」

声がうわずる。確実に少年だと思った。

「誰にも言えなくしてやる」

着古した寝間着が毟り上げられる。冷たくて、汗ばんだ指だ。刃物がシュンという爽やかな音と共にフローリングをすべり下り、遠ざかっていく。私を律しているのは酷く熱くなった骨のお化けだ。カチャカチャとベルトの外れる音が聞こえるなんてベタな。意外と力が強い。だけど、驚異的なほどではないはずだ。


逃げられる。

でも、逃げられてどうしよう?


「あ、あ、あ、あ、あ、あぁあっ」

あーあ。

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