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ひきこもり支援課が来た

ねむたいいや眠たくなんかない。

もうどれくらいこうして布団に包まっていただろう?

朝が来て夜も来て朝は来て夜が来て。

何回どのタイミングで繰り返したかもう忘れただから。今はどちらなのか。わからない。


ピンポン。ピンポン。


チャイムが延々鳴り続ける。もうずっと鳴ってる

昨日も、一昨日も、たぶん、その前も鳴ってる。

出られない。億劫。だるい。大儀。面倒くさい。臭い。眩しい。痛い。若年性床ずれ。戦略的腐敗。煩い。患い。輪辛いも。それにだって私はこのまま朽ちて婆になり埋葬されるくらいの気概が有ったんじゃないか違うのか?


(これは神様かもしれない)

父だったか母だったかいつか変れない私のまま大人に聞かされた言葉を思い出す。

(いけない子は神さまにつれて行かれるものだ)

これはざいあくかんだろうか、だとしたらまだ在ったことに驚いた。とっくに磨耗したつもりでいたので。


「ひきこもり支援課です」

ドア越しの声が呼びかけてくる。

「ひきこもり支援課の者です」

と言われて空けるひきこもりの者は何人居たのだろう。『ひきこもり支援課の者です』と言われて空けられない人間だから私たちはひきこもり足りえたのではないか。

「空木荘102号室さん」

それは名前じゃなくて住所。

「開けますよ」

そして本当にドアは開く。


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