表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

6 リーナがここにいるのは

カカポの森の奥深く。


小さな家に棲む娘、リーナ。


いつもそばにいる、カカポ。


リーナは、別な場所で生きているとき、身籠っていました。

もうすぐ産まれるというそのとき……

止まらない血液、薄れゆくリーナの意識。


赤子の心音が、消えました。


夫が、父が、母が、医者にすがりついたのですが。


「リーナさんか、赤ん坊か、

どちらかしか助からないかもしれません」


リーナは「子どもを助けて」と言った……

けれどその声は誰にも届かなかったのです。


それでもひっしに伸ばした手が、

小さな手をつかみ、引き寄せてーーーーーー


リーナはいつしかカカポの森に居ました。


影のような姿に黒いマント、大きな銀の鎌を持った人が立っています。


「ここはどこ? わたしの子どもはどこに?」


「困った人間だ。

子どもの命を刈り取る筈だったに、

身代わりにお前さんが来てしまうとは」


「子どもは? どこ?」


「お前の子どもは、家族のもとに。

お前はここで暮らすがよい。

元の世界には帰せない」


カカポの森の小さな家に導かれ、リーナは前の生を忘れてしまいました。


トントントン


まぜまぜ


こねこね


じゅうじゅうじゅう


今日もリーナは美味しいものをいっぱい作ります。


かわいいカカポに、

たくさんたくさんご飯を食べさせる。


大事なものたちに美味しいものを

いっぱい作ってあげたい


その気持ちだけ


リーナは憶えているからです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ