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4 カボチャ、カボチャ、カボチャ!

カカポの森の小さな家。


その前には木の看板が立っています。


「カカポのパン屋さん」


そして看板の前には、


丸い店員が並んでいました。


ポポ。

ドン。

マル。

シダ。

タンポポ。

ふわり。

クルミ。

ノロ。

こまめ。


そして新入りたち。


全部で――


二十七羽。


「ぐぽ」


「ぐぽぐぽ」


朝のパン屋さんは静かです。


なぜなら、


カカポたちはまだ少し眠いからです。


リーナはキッチンでパン生地をこねていました。


こね

こね

こね


すると窓の外から、


「ぐぽォォォォ」


低い声。


振り向くと、


村のおばあさんが立っていました。


大きな袋を持っています。


「リーナちゃん、これどうぞ」


袋の中から出てきたのは――


巨大なカボチャ。


「おばさん、ありがとう!」


ごろん。


床に置くと、カカポたちが集まりました。


もふ

もふ

もふ


「ぐぽ?」


「ぐぽォ?」


カボチャは丸くて大きくて、少しカカポに似ています。


ポポがつつきました。


とん。


ドンは匂いを嗅ぎます。


すんすん。


「ぐぽ」


気に入ったようです。


リーナは考えました。


「今日はこれだね」


エプロンをきゅっと結びます。


「カボチャパン祭り!」


その言葉を聞いた瞬間。


カカポたちが立ち上がりました。


「ぐぽ!」


「ぐぽ!」


「ぐぽォ!」



カボチャパン作り


リーナはカボチャを切りました。


コトン。


中はきれいな濃い黄色。


蒸し器に入れます。


しばらくすると、


ふんわりと甘い匂い。


カカポたちは蒸し器の前に集合しました。


じーーーー。


「まだだよ」


でも見ています。


ずっと。


蒸しあがったカボチャをつぶします。


ほくほく。


そこに、


小麦粉

牛乳

バター

少しのはちみつ


まぜまぜ。


生地はやわらかい黄色になりました。


「今日は特別な形にしよう」


リーナは丸くしました。


そして、


少し頭を丸くして、


小さな羽を作って、


ゴマで目をつけます。


完成。


カカポ型カボチャパン。


かわいい。


とてもかわいい。


カカポたちは近づきました。


ポポが見つめます。


「ぐぽ?」


ドンも見ます。


「ぐぽォ?」


マルは横から見ます。


「ぐぽぐぽ」


それは――


とてもカカポに似ていました。


丸い。


ふわふわ。


ちょっと太め。


しかも。


いい匂い。


カカポたちは困りました。


「ぐぽ……?」


これは、


仲間?


それとも、


パン?



カカポ会議


カカポたちはパンの前に集まりました。


丸い輪です。


「ぐぽ」


ポポが言いました。


「ぐぽぐぽ」


マルが答えます。


「ぐぽォ」


ドンはパンを見ています。


どうやら会議です。


リーナは遠くから見守っています。


ポポはパンの周りを歩きました。


とてとて。


とてとて。


そして、


くん。


匂いを嗅ぎます。


「ぐぽ」


パンの匂いです。


マルも匂いを嗅ぎました。


「ぐぽ」


パンです。


でも、


見た目はカカポ。


タンポポがパンの横に座りました。


並べてみます。


同じ丸さ。


同じ大きさ。


同じ感じ。


カカポたちはますます困りました。


「ぐぽォォ……」



そのとき。


ドンが動きました。


ドンは食べ物の判断が早いのです。


ゆっくりパンに近づきます。


みんなが見ています。


ポポも。


マルも。


シダも。


ドンはパンを見つめました。


そして。


ぱく。


最初の一口。


カカポたちは静かに見つめます。


とても静か。


ドンはゆっくり噛みます。


もぐ。


もぐ。


もぐ。


そして。


「ぐぽォォォォォ!!!」


翼ばたばた。


大成功です。


カカポたちは一斉にパンを見ました。


ポポ。


ぱく。


「ぐぽォ!」


マル。


ぱく。


「ぐぽ!」


タンポポ。


ぱく。


ころん。


床に転がりました。


幸せです。



それからは大騒ぎでした。


リーナは次から次へとパンを焼きます。


カカポパン。


カボチャパン。


小さいカボチャパン。


大きいカボチャパン。


店の前には香りが広がります。


森の鳥たちも集まりました。


でも一番食べるのは――


カカポ。


パンはどんどんなくなります。


カカポたちは満足すると、


ころん。


ころころ。


床で転がります。


ポポは三つ食べました。


ドンは四つ。


マルは途中で眠りました。


夕方になるころ。


床には丸いカカポがたくさん。


ほとんど動きません。


リーナは笑いました。


「食べすぎだね」


ポポが小さく言いました。


「ぐぽ」


満足そうです。


窓の外は夕焼け。


パンのいい匂い。


丸いカカポたち。


そして看板にはこう書いてあります。


「本日:カボチャパン祭り」


明日もきっと、


カカポたちはパンを食べます。


なぜなら。


カカポは――


パンがとても好きだからです。

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