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星の見つけ方  作者: SHIRATORI TOSHIHIDE


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23/35

ーーEP23ーー

三沢の問いに、女将はゆっくりと記憶を探る。


「本日は……お恥ずかしながら、ご覧の通り余裕のある状態でして」


ロビーを見渡す。


「スタッフの人数は少なめですが、通常通り営業しておりました」


三沢は小さく頷く。


「細やかな配慮で、とても良くしていただいています」


女将は微笑む。


「ありがとうございます。ただ……帯を取りに保管庫へ入ったのは、ショーの始まる挨拶の時間でしたので。少々、慌てていたかもしれません」


星兄が視線を細める。


女将は続ける。


「違い、と言われましても……」


ふと、何かを思い出したように顔を上げる。


「あ、小さなタンスに帯をしまっているのですが。帯を取り出す時に、昔なくした髪留めを見つけました」


女性三人組が小さく反応する。


「引き出しはほとんど空ですので……閉めた時に位置がずれたのでしょうか。大切にしていた物でしたから、見つかって嬉しかったです」


星兄がすかさず問う。


「帯を取りに行った時、ということは……刀が無くなる前ですね?」


女将は「あら」と小さく声を漏らす。


「ごめんなさい、そうですね。帯を取りに行った時ですから、その時は刀はありました」


言い直す。


「無くなった時との違い……正直、違いがあったとは思えません」


三沢は静かに言う。


「でも、大切な物が見つかったのは、それはそれで良かったですね」


ほどいていた腕を組み直し、天井を見上げる。


その目は、何かを組み立てている。


慌てていた時間。

ほとんど空の引き出し。

大切にしていた髪留め。


小さな出来事が、静かに積み上がる。


しばしの沈黙。


その中で、そろそろ何か言いたくて仕方ない顔をしている人物が一人。


マジシャン相沢である。


「……あの」


全員の視線が集まる。


「私も、ひとつ思いついたんですが」


ケンジがにやりとする。


「今度はちゃんとしたやつですよね?」


「ええ、もちろんです」


相沢は胸を張る。


「刀はですね、実は最初から“ここ”にあったんですよ」


ロビーを指さす。


一同、きょとん。


「広間に全員がいる。その最中に刀を移動させるのは不可能。ならば逆転の発想です」


芝居がかる。


「刀は、最初から保管庫には無かった」


ケンジが手を挙げる。


「さっき女将さんが“あった”って言ってましたけど?」


「そこです」


相沢、ぐっと身を乗り出す。


「刀は透明だったんです」


静止。


三沢のまばたきが一回。


「……透明?」


「はい。特殊な塗料で透明にしておき、必要な時だけ色が戻る仕組みです」


ケンジが即座に突っ込む。


「どこの未来兵器ですか!」


「いや、あるかもしれないじゃないですか!」


その横で。


相沢の隣に座る男性客が、そっと手を膝から浮かせた。

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