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星の見つけ方  作者: SHIRATORI TOSHIHIDE


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17/35

ーーEP17ーー

否定のはずの言葉が、

どこか確かめるようにも聞こえる。


ロビーには時計がない。


けれど、

何かが確実に、進み始めている。


女将の言葉が落ちきる前に、星兄がゆっくりと口を開いた。


「でも……」


視線をやわらかく巡らせる。


「そんなに貴重な物だと知らなくても、盗む可能性はありますよね。保管庫に置いてある時点で、いかにも高そうですし」


場に、わずかなうなずきが生まれる。


確かに、と言いたげな視線。


女将は小さく息を吸った。


「……おっしゃる通りです」


しかし、すぐに首を振る。


「ただ、保管庫には他にも貴金属や現金がございます。それらには一切、手がついておりません」


言葉が静かに沈む。


「事情を知らなければ、刀よりも現金の方を持ち出すのではないでしょうか……」


ロビーの空気が、ひとつ形を変える。


星兄は腕を組み、少し考え、


「それなら……確かにそうですよね」


素直に頷いた。


誰も反論しない。


つまり。


刀だけが、狙われた。


その事実が、

静かに、重く、そこに横たわる。


重たい空気の中、

女性三人組のひとりが、おずおずと手を挙げた。


「あの……すいません」


全員の視線が向く。


「いつから無かったとかって、分かるんですか?」


素朴な問いだった。

けれど、その一言で場に“時間”という軸が生まれる。


女将はゆっくりとうなずく。


「正確とは言えませんが……保管庫で刀を確認したのは、21時5分でした」


息を整え、続ける。


「ちょうどこのロビーのフロントにある時計が目に入ったので、覚えております」


ロビーの奥、フロントの方向へ何人かが視線を向ける。


ケンジが反応した。


「ん? その時間って……マジックショーが終わったくらいじゃないですか? みんな広間にいましたよね?」


三沢が腕を組んだまま頷く。


「そうですよね。ステージの前に集まって、必死にトリック探してましたし」


女性三人組も顔を見合わせる。


「私たち、ずっと前の方にいましたよね」


「うん、写真も撮ってたし」


スタッフのひとりが静かに口を開く。


「私たちも、お料理セットやお皿の片付けで……少なくとも広間を出ることはありませんでした」


その言葉に、さらに重みが増す。


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