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星の見つけ方  作者: SHIRATORI TOSHIHIDE


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15/35

ーーEP15ーー

ケンジが思わず言う。


「保管庫って、鍵は?」


女将ははっきりと答える。


「鍵は私が管理しております。施錠も、今しがた確認いたしました」


三沢が静かに続ける。


「壊された形跡は?」


「ございません」


七人の視線が、自然と互いに向く。


今夜、ここにいたのは。


宿の人間を除けば――。


空気が、ゆっくりと張りつめていく。


ロビーに集められた七人は、まだどこか現実感の薄い顔をしていた。


女将の言葉は、確かに聞いた。

けれど意味が追いつかない。


「刀が……なくなった?」


誰かが小さく繰り返す。


磨き上げられた床に、緊張がうっすらと広がる。

時計のない空間は、やけに静かだ。


三沢が腕を組み、柱にもたれながら言った。


「土砂崩れで通行止めなんですよね。

なら……犯人も、この宿の中ってことですかね」


その一言で、空気が重くなる。


外には出られない。

山は閉じている。


つまり、ここは箱だ。


沈黙の中で、ケンジが落ち着きなく足を揺らし始める。

視線が泳ぎ、やがて何かを思いついた顔になる。


「女将さん!」


声が少し大きい。


「ここにスタッフも全員集めた方がいい!

ほら、全員で状況確認しないと!」


どこか名探偵気取りの響き。


女将は一瞬戸惑う。

だが、他に手立ても思いつかない。


「……わかりました」


フロントへ歩み寄り、内線を取る。


「すみません、広間の片付け中の皆さん。

一度ロビーへ来てください」


受話器を置く指先が、わずかに強張っている。


やがて廊下の奥から足音が近づく。


ビュッフェの片付けをしていたスタッフたちが、

事情を知らぬ顔で現れる。


その後ろから、

トランプの箱を片手にした旅のマジシャン、相沢も姿を見せた。


「何かありましたか?」


柔らかな声。


ロビーの中央に、人がそろう。


宿泊客七人。

スタッフ。

そしてマジシャン。


閉ざされた夜の、全員集合。

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