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4:もしかして原作が違うのでは?

予想外なことに悪役令嬢が悪役令嬢してないから、私は様子を見てみることにした。

丁度今日私に謝罪してみるなんて話をしていたから、そこで交流をしてみるのもいいかもしれない。

もしかすると悪役令嬢ポジションだと思わせておいて、カトラテちゃんが友人でありライバルであるキャラなんて可能性もあるんだから。


ということで、あえて放課後に1人で勉強をする。

人目につくようにしながら移動してなおかつ王子たち攻略対象にも一緒にいることを拒否しておいたため、誰にも邪魔をされることはないはず。

後はこっそり透明化して、来るかどうかを待ちながら見させてもらって、


「カトラテ様。こちらだったはずです」

「ここから出ていないという報告を受けております」


「ありがとう。情報感謝しますわ。それでは、行ってまいります」


「はい。ご武運を」

「きっとカトラテ様なら大丈夫です!」


建物の入り口近くでカトラテちゃんがその取り巻きと共に姿を現した。

覚悟を決めた様子で、話の内容から考えても私に会いに来たのだと分かる。

しかもカトラテちゃんは入り口で取り巻きと別れて1人で侵入。威圧的にならないように配慮したのではないかと思える。


本気で謝罪しようと考えていることが分かるね。

これなら仲良くなれるかもしれない。

王子が欲しいわけではないから仲を無駄に悪くする必要もないし、謝罪が受けられるよう少しわかりやすいところで透明化を解除して待っていようかな。


「カトラテ嬢。何のつもりかな?」


「っ!?殿下」


「聖女様を害そうというつもりなら私が許さないよ」


「そのようなことは考えておりません」


おっと?

素直に私のところまで来れると思っていたんだけど、なぜだか王子が現れて話を始めちゃった。一瞬にして空気が張り詰めたね。

しかもなんだか、王子は(はな)から私の事を害すために近づいてきたのだと疑ってかかっている。


「初めてであった時にご不快にさせてしまった可能性があるので、そろそろ謝罪させていただこうと思ってきたのですわ」


「なるほど。ならその旨は私から聖女様に伝えておくよ」


「それには及びませんわ。聖女様のお人柄も知りたいですし、そもそも人伝では誠意に欠けますわ」


「君は聖女様の前に立つ資格があると思っているのかい?そもそも最初にご不快にさせてしまった時点で、うまくやっていけない証明になっていると思うけど?」


「なっ!?そ、それは…………」


「自分だけの都合で考えないでくれるかな?迷惑だよ」


う、うわぁ。

なんだかものすごい嫌な雰囲気になってしまってる。

王子の言い分が分からないわけではないけど、ちょっと言い過ぎな気もするよね。それに、私の事を不快にさせたっていう前提がそもそも間違っているし。

確かに悪役令嬢っぽいなとは思ったけど、だからと言って不快になったわけではないし。

そこですぐに嫌いになるほど私だって心は狭くないよ?こんな現場を見せられたら、なおさらその気持ちはなくなる。


ただ、カトラテちゃんもここまで言われて黙って帰るわけにはいかない様子。

一旦落ち着くためなのか黙って下を向いたのち、


「それでおっしゃいますと、ハチョー様やプラウン様はどうなのでしょう?何でも、よくケンカをして聖女様を巻き込んでいるとお聞きしますが?あの2人こそ、聖女様の近くにいるには不適切な人間なのでは?」


「っ!2人を馬鹿にするつもりか!2人を悪く言うことは私が許さないぞ」


「そうは言っておりませんわよ。単純に疑問を投げかけているのですが?」


「ふんっ。君には関係のない事だ。そもそも、聖女様も嫌がってはおられない」


「それは本当でして?聖女様に直接お尋ねになりましたの?聖女様に我慢させておられるのではなくて?さらに言えば、あの2人が騒ぐせいで聖女様にも迷惑気な視線を送る者もいるとか。2人のせいで聖女様の評判が下がってしまう事、認識されておりまして?」


おぅ。火力が高いね。

確かに表面的には笑ってごまかしているけど、あの2人の喧嘩は私も煩わしく思っている。最初のうちはこういうカップリングが人気のあるものなんだろうな~と思って流していられたけど、毎度の如くやられるとさすがに飽きるし辛くなる。

カトラテちゃんの指摘は間違ってないよ。


「意見は受け止めよう。しかし、あまりでしゃばらないでもらえるかな?聖女様に嫌われているのに、君に聖女様の事なんて分かるわけないだろう?」


「ええ。そこまで殿下がおっしゃるのならばそうなのでしょうね。しかし、殿下が分かっている気になっているだけでないと良いのですが」


オホホッと笑いながら、しかしその目は一切緩ませることなくカトラテちゃんは帰っていく。

マズい~。カトラテちゃんブチギレてるよ。

しかも、あの様子だと確実に私の印象も悪化してる。これでカトラテちゃんに何かされたら王子のせいだからね!?


分かってるのかな王子。

いつでも王子とか攻略対象が私の周りに引っ付いているわけでもないんだし、手を出そうと思えば私って手を出せる時間はそれなりにあるんだよ?

私に何かあったらどう責任取るつもり?

なんて思って王子に視線を向けてみるんだけど、


「カトラテ嬢は噂通りろくなことをしなさそうだね。私が、聖女様を守らなければ」


ちょっと的外れなこと言ってる~!

この口ぶりだと、完全にカトラテちゃんが悪い事ばかりしているみたいじゃん。しかも、その情報は実際に目にしたわけではなく伝聞によるものの可能性が高い。


何となく理解してきたよ。

私、勘違いしてたんじゃないかな?

恐らく、この世界って、


「悪役令嬢サイドが主人公の話?」


「ん?聖女様?」


おっと。思わず驚きで呟いたら王子に聞かれてしまった。魔法に気づかれても嫌だし、このまま黙ってやり過ごそう。

それよりも、やっぱり気になるのはこの先の展開。


私としては誰かと幸せになってその婚約者などが罰を受けてハッピーエンド!となる物だと思ってたけど、このままだと逆に私が所謂「ざまぁ」をされることになりかねない。

確かにカトラテちゃんが取り巻きの子と話していたように私が話をする男の人は皆婚約者を持っているし、良くないことをしていると言われたら否定できない。もし相手側がそこまで悪いことをしていないにもかかわらず攻略対象だと思っていた男が婚約破棄でも宣言してしまえば、私の将来は破滅に一直線なんてこともあり得る。


「これは大きなプラン変更が必要だね」


この日、私は自分の動きを変える決断を下した。

今までも特にそんなことをしてはいなかったけど、必要以上に特定の男子と距離を詰めることはしないこととする。

更に、婚約者持ちの男子とは私の聖女っぽい敬語を外さない。

これで向こうも壁を感じてくれるはず。そしてもしその距離を詰めてくるようであれば全力で拒否する。王子でも私を召喚した人達でも何でも使って、私から引き離すようにする。


これで私の安全マージンがとれる。

私好みのイケメンとか言ってる場合じゃない!ザマァされるのだけはどうにかして回避しなければ!!


「聖女様。よろしければ明日の休日を共に過ごしませんか?この街の事をご案内したいのですが」


うがあああぁぁぁ!!!!

王子がいらない提案をしてきた!休みは婚約者と過ごせって言いた~い!


けど、あんまり変なことを言うと男連中に嫌われちゃうから我慢。

出来るだけ波風立てないように、


「申し訳ありません。明日は慈善活動部の方に参加したいと思っているのです。そろそろ次の魔法を習得できそうなので頑張らせていただきたく」


「もちろんです。急な申し出でしたのでお気になさらず。こちらこそ申し訳ありません」


お断りしておいて、こっそり後で召喚した人たちに街の案内まで頼んでしまおう。

案内なんて便利な単語、人が近づいて来るには丁度良いにもほどがあるんだから。

徹底的にイベントフラグはへし折らなければ!!

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