表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/8

4:光魔法と言えばこれ!(大嘘)

「全然痛くない!聖女様ありがとぉ!」


「どういたしまして。ケガをしないように気をつけて帰ってくださいね」


「はぁい!!」


こちらに大きく手を振りながら、満面の笑みを浮かべて少年が去っていく。

私が気をつけてと言っていたにもかかわらずそうして無理な体勢で走ろうとするせいでこけそうになり、思わず苦笑が漏れる。

ただ、その笑顔と感謝の言葉が心に残り、少し暖かい気持ちにもなった。


「聖女様も、かなり慣れてきたみたいですね」


「そうですね。頑張って勉強した甲斐がありました。習得は大変でしたけど、あの笑顔が視れたので報われた気がします」


「それは何よりです。聖女様にはご不便をおかけして申し訳なく」


「いえいえ。私も聖女として困っている皆さんの役に立たなければいけませんから」


魔法を習得してからまた少し時間が経ち。

更に勉強も進んで技術も磨いた私は回復魔法と言うまさに聖女らしい魔法を使えるようになった。

現在はそれを慈善活動部の活動の一環として一部の辛いけがをした人などのために使っていて、かなり経験が詰めてきている。

最初に比べると回復させる能力もかなり上がっていて、軽い口内炎くらいなら一瞬で治せるようになった(経験談)。


孫あ私に今話しかけているのがこちらもまた攻略対象だと思われる人。私を召喚した人達、何かしらの宗教の人達のようなんだけど、そこのトップの息子さんらしい。

私の召喚に成功したこともあってか現在はその宗教団体も王家と並ぶくらいには影響力があるらしく、言ってしまえば王子と同じくらいの権力を握っている。

そんな人が相手だからこそ私は如何にも聖女らしく「困っている皆さんの役に~」なんて言ってるけど、本当は微塵もそんなことは思っていない。

ただ単純に、魔法の練習台が来たくらいの認識だよ。

いくらケガをしていると言っても私が担当するものはまだ小さなものだし、子供ならともかく知らないおじさんおばさんを絶対治してあげたいという気持ちにもならないからそれを顔に出さずに治しているだけでも褒められるべきだと思う。


「そろそろ上位の回復魔法にも手を出し始めても良いころ合いかもしれませんね」


「本当ですか?上位となると、広範囲の回復を?」


「そうですね。広範囲にするか、持続にするか、そもそもの回復力がt会あ者にするか。どれを覚えるにしても使えるようになればもう一人前と言ってもいいですし、この時間で習得されるというのはやはり聖女様だからこそできることですね」


もう少し発展形の魔法を学び始めてもいいと言われたから表面上は喜んでおいたけど、実をいうとすでに手は出している。それどころか、習得まで完了済み。

でも、言わないのには当然理由がある。

私としては、魔法の腕がいいと思われるのはあまりうれしくないんだよね。だって、他の事に手を出しているとバレる可能性があるから。


やっぱり、私もいろんな魔法に手を出したいわけ。

以前歴代聖女の記録を読んで大まかな一般的な(?)聖女の進歩と言うものは確認できたからある程度油断できることもあって、今は猛烈に聖女らしくないことにも意識が向いている。

特に魔法なんてワクワクする良い物なんだから、油断と言われると反論はできないんだけど聖女らしくないものまで手を出してしまっている。

と入ってみても属性と言うものが人によって決まっているらしいから私には光系の魔法とか回復の魔法とかしか使えないんだけど、


「光って言えば、これだよね」


魔法の遊び方はたくさん。

後光が刺すように光を調整してみたり、回復魔法でホクロやシミが消えるようにしたり、脱毛できるようにしてみたり。後は、王子に負けて悔しいからお肌がプルプルになるようにしてみたり。

ただ私が目指したのは、光と言えばこれみたいなもので、


「光学迷彩!!」


光学迷彩。

光の屈折やらを上手く使うことで透明になれるアレ。


…………いや。分かるよ。

光を使った定番みたいに言ったけど、全然そんなことはないよね?

でも、思いついちゃったんだから仕方ないじゃん!やりたかったんだもん!特に、私の場合学校でも注目されていて配慮されまくりだからこの世界の通常の暮らしぶりとか分からないし、そういう知見を広めておきたいの!


もちろん、光学迷彩で消せるのは姿だけだから全く気付かれなくなるというわけではない。

臭いも残るし音も出す、サーモグラフィーにも映ってしまう。それこそこの世界には魔力なんて言うものを感知する方法があるらしいから、魔法に長けた人なら気づくのも簡単なはず。

ただ、学園の中なら警備も安全だしバレても最悪問題ないという事で、


「さぁて。見られてないね?じゃあそのまま透明化~」


以前自室で試したところ気をつけてないと事故ることに気づいたから、慎重に自分の体を消してその後に服を消すという事をやる。

この順番ないと、服だけ透明になって人に見られると本格的にマズいことになってしまうの。


透明化まで誰にも見られるようなことはなかったから、そのまましばらく待機。

すると生徒がぞろぞろとやってきだす。

申し訳ないとは思いつつもそんな生徒たちの普段の声を聞かせてもらって、


「全く!あの人は一体何なんですか!」

「殿下たちも殿下たちです!もっとしっかり自覚を持つべきですよね!」

「配慮と言うものを考えないのでしょうか?カトラテ様もあれはどうかと思われますよね!」


「まあまあ。落ち着いてくださいまし。あの方々にも事情と言うものがあるのでしょう」


おっと?

なんだか聞いたことのある声と名前が聞こえてきたよ?


カトラテ、と言うと王子の婚約者さんの名前がそんなものじゃなったかな?

よく見てみると、確かに始めて学園に来た時に見かけたいかにもなお嬢様の姿も見える。私の記憶の通りで間違いなさそう。

恐らくこの子は悪役令嬢ポジションに近い子だと思うから、悪いけど何か私にやるつもりかもしれないと考えて近づかせてもらって、


「考えがあるにしてもですよ!」

「節度があるじゃないですか。いくら聖女様と言ったって、婚約者を持つ男性が相手をするなんて」

「カトラテ様だけではないじゃないですか。聖女様とよくお話しする方々は皆婚約者持ち。皆様不満を訴えていらっしゃいますよ」


「そうでしょうけど、今は何かをするというわけにもいきませんわ。聖女様に不満を持たれるという事が1番の問題になるのですから」


「それはそうかもしれませんけど」

「カトラテ様があまりにも不憫です」


ん~?

思ったほどカトラテちゃんの不満が強くはない?

いや、不満がないというわけではないんだろうけど、それを口にしないね。私のイメージする悪役令嬢って、もっと声高らかに不満を言って悪口を口にしてと言うものだったんだけど。

まだそうなるようなきっかけがないってことなのかな?

本格的に対立するのはもっと後になりそう?


「せめて殿下に抗議するなどされてみてはいかがですか?」

「それこそ、聖女様と殿下が一緒にいるところに同席させていただくとか」


「しかし、初対面で少し失礼な印象を持たれてしまったようにも思いますし、聖女様をご不快にさせるわけにもいきませんの」


「それは…………」

「確かに初対面の印象は良くなかったかもしれませんが、謝罪すればきっとお許しいただけるはずです」

「今なら初対面の際の印象も薄れてきているはずですし、そう悪い事にはならないはずです!」


「そうねぇ。では、放課後少しお話しできないか機会をうかがってみますわ」


うぅん。

なんだか、不穏な雰囲気に全くならない。

それどころか、私に謝罪しそうな様子なんだけど!?

ど、どうしたの悪役令嬢。そんなんじゃ悪役になれないよ!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ