表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/34

プロローグ2

元の世界に戻ってきてから数週間。

ようやく私は不自然だと思われることが無くなってきた。

単純に周囲が慣れたのか私が取り戻したのかは分からないけど、何にしてもやっと気を抜ける容易になってきた気がする。


勉強も忘れている部分が多くて大変だったけど、そこは異世界に行って身につけたガリ勉パワーで何とか解決。回復魔法って疲労もとれるから便利なんだよねぇ。


「本当は魔法を使って一儲けくらいしたいところだけど、どうやったらいいかなんてわからないよね」


私は自室で育てている比較的無害な植物に水を上げながらため息をつく。

異世界から持ち込んだ植物の種なんかは増やしていつでも使えるようにいろんなところに仕込んではいるんだけど(もちろん捨てられないようにもしてる)、それ以外に異世界の要素をあまり使えていない。

回復魔法とかどう考えてもお金の臭いしかしないような力だっているのに、私はそれを公言できないまま。

お金になることは間違いないんだけど、その後の事を寒上げるとねぇ。国に目を付けられるとか研究材料になるとか嫌だし、下手なことができないのがツラい。


自分に憑かう意外だとお父さんとお母さんのカタモミと一緒にものすごく軽い回復魔法を使ったくらいかな?

忘れていたけど、回復魔法も使い方次第で結構光も一緒に出ちゃったりするから、それを隠すのが大変だった。

昔作った光学迷彩の魔法でどうにか相殺したけど、この問題もあるから表立って回復魔法を使うのは厳しいね。


「国が敵に回ったら家族とか友達とかまで守り切る自信はないし、そもそも銃とかで狙撃されたら勝ち目ないよね?いくら光学迷彩で姿を消しても、サーモグラフィーとかで居場所は特定されるだろうし。いくら魔法が使えても現代技術に勝てる気がしないよね」


聖女としてかなり魔力もたくさん持っているし、魔法だって使える種類は多い。植物を使った変化球だってあるんだから私もそれなりに強い部類には入ると思うんだけど、それでも銃とかでハチの巣にされる未来が見えるんだよね。

幾ら回復魔法があっても頭を撃ち抜かれたら終わりだし、勝ち目が全く見えない。


「この種を新種の植物として発表したら話題になるかな?…………いや、それよりも私の魔法で野菜を急速に育てて販売するとかの方があまり名前を売らずに利益を出せる?」


何も稼ぐ方法が思いつかないわけではないけど、イマイチどれもパッとしない。

異世界に行ったんだしどうせなら魔法も使って一儲けしたいんだけど、意外と難しい物だね。


「また異世界に召喚されてお金の稼げそうなものを持って帰れないかな~」


なんて、こんなことまで口にしてしまう始末。

別に本心ではないけどね。もう異世界に行くなんてこりごりだよ。ずっとこっちの世界に居た~い。


とは思うけど、そこまで心配する必要もそもそもないと思う。

異世界に召喚されるなんてそう簡単に起きるはずがないんだから。

特にそんなものを気にしなくてももう異世界に行くことなんてないから問題ない。


「…………ん?」


問題ないと思った瞬間、私の視界は真っ白になった。

何!?襲撃!?私の力に誰か気づいて、国か何かが誘拐のために襲撃を仕掛けてきたの!?急いで身を守る準備をしなければぁ!!!




「…………おお。ようこそおいでくださいました聖女様!」

「儀式は成功と言うわけですな」

「なんと神々しい」


ん?

今なんだか聞き覚えのある単語が聞こえてきたんだけど?気のせいだよね?


嫌な予感がしつつ私が周囲を視界に収めて確認していけば、そこにあるのはなんだか見覚えがあるような気もする忠誠っぽさのある部屋。

巨大なホールに人が集まり、私はその奥の方に立っている。

ホールに集まった人の視線はすべて私に注がれていて、


「ここは?」


「初めまして聖女様。ここは我が王国の王宮にございます」


「王宮?」


「はい。そして私こそがこの王国の王子。キャプティトリーにございます」


「きゃ、きゃぷちとりー?」


「キャプティトリーでございます」


私に話しかけてくるのは自称王子。

自称とは言っても周囲の反応からおそらく間違いないと思われ、


「もしかして、別の世界?」


「おお!聖女様、ご慧眼にございます。その通り。あなたは世界を渡られてきたのです!!」


「…………なる、ほど」


なんてことだぁぁぁ!!!!

私、また異世界に来ちゃったよ!?完全に私の望みがフラグになっちゃったじゃん!なんでこんなことにぃぃぃ!!!


い、いや。

落ち着け。

いっそこの状況をチャンスにするんだ!お金になりそうな商売のタネを見つけて、あわよくば私好みのイケメンもゲットする!この世界ではそうするの!

前の世界では自分の立ち位置に困ったけどさすがに近亜紀もまた同じような状況になるってことはないだろうし、今度こそ私が思うがままにやってやるんだから!!


「では聖女様。来ていただいたばかりの混乱されているだろうと気に申し訳ないのですが、お願いがございます」


「はい?聖女様っていうのは私の事なんですよね?何の御用でしょうか?」


「まずは、あの大罪人を裁いていただきたく」


「大罪人?」


世界を救ってとかそういう話かと思ったら、最初に司法の役割を担うことになったよ。聖女って裁判官の事なのかな?異世界は私と常識が違うね。さすが異世界。


大罪人なんて言うからどんな人間が、来るのかとドキドキしながら王子キャプティトリーのさす先を見てみれば、そこにいるのは1人の少女。

紫色の綺麗なドレスに身を包んでいるんだけど、肩のあたりが少し汚れている。


「あのものは、エンドアータ。私の元婚約者であり元公爵令嬢なのですが、何とも愚かなことにその地位を利用して多くの者を苦しめたのです」


「なるほど?」


私はもう一度その元公爵令嬢さんを見て、王子の言葉を思い出す。

それから、王子の事をよく観察。全体的に整った容姿をしているけど、その髪などいくつかの部分に粗さを感じる。本人の性格は少し荒っぽいのかもしれない。

そしてその視線は、同級生などよりよほどひどい集中のさせ方。どことは言わないけどほとんどそこしか見てないから普通に気持ち悪さを感じる。


そして、今度は周囲を見回してみると、


「聖女様。殿下の言葉は間違いありません」

「あの大罪人に罰をお与えください」

「どうか天罰を」


一斉に貴族か何かなのだろう人達が王子の言葉に同調する。

…………けど、何人かは微妙に顔をしかめ口を開こうとしてそれを閉じる。まるでそれは、周囲の圧力に押しつぶされるかのように。


ここまでで何となく理解したね。

最後にもう1回元公爵令嬢さんを見て確信する。その顔は覚悟が決まったような雰囲気で、体は震えている。

ここ、また物語にありがちな世界じゃん。


ありもしない罪をかぶせて婚約を破棄して断罪するとか、どいう考えてもざまぁする話のテンプレートじゃん!前の世界よりもっと進んだ世界ってことだよね!


いや、前回の世界は王子がまだまともな部類だったけど、今回は完全な屑だとうかがえる。

これはこのまま王子に従ったら将来的に私が処分されるんじゃない!?どこまでされるかは分からないけど、また私は危うい立場になってしまったぁぁ!!!

前回みたいに仲直りができるわけがないし、いったいどうすればいいのぉぉぉ!!!????

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ