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18:日常が戻ってきた!

魔王の使った魔法の光に包まれた私。

命までは奪わないと言っていたけど正直信用できないし、たとえ正しかったとしてもひどい目にあうだろうと考えていて、


「…………ん?ここは?」


特に痛みも苦しみもなく、私が気づいたときには知らない場所にいた。

いや、最初は知らない場所だと思ったけどすぐにそれは違うと分かって、


「あれ?ここ、私の部屋?」


私の部屋。

しかも、召喚されてからずっと生活をしている部屋でも学園の量の部屋でもない。

ここは間違いなく、私の実家の私の部屋。


久しく見てなかった自分の部屋で一瞬思考が止まる。

けど、すぐに私は状況御理解して。


「戻ってきた、ってこと?」


私はどうやら、元の世界の自分の部屋に帰ってきていたらしい。

3年もたって正直今更だと思ってしまうけど、それでも嬉しくないわけではない。友達もいて魔法も使えて楽しいことも間違いなかったけど、それでも技術の水準も高く慣れ親しんだこちらの世界生活を欲していたのも事実。


見回してみると私の部屋はおぼろげな記憶と照らし合わせても見ても全く同じ。

まるで私が異世界に行っていたのは夢だったのではないかとすら思えてしまうほど。

ただそんなはずはないからと時計を確認してみれば、


「日にちは覚えてないけど…………あれ?年が同じじゃない?私って向こうで3年くらい過ごしたよね?」


私が召喚された時と現在デジタル時計に表示されてる西暦が同じ。まるで、私が異世界に召喚されたことなんてなかったとすら思えてしまうほど。

3年もすればデジタル時計だって電池が切れているはずだし、そもそも時計が視れていることも不思議。本当に異世界は夢だった?


ただ、そうは思っても異世界に行っていたことを示す証拠は存在する。

その1つが、私の格好。

向こうで来ていた聖女の姿そのままで、こんな服をこっちの世界で買ったことはなかったはずだから明らかにおかしいことは分かる。

そしてそれに加えて、その服の中に仕込んであった種などもそのまま残ってる。

軽く魔法を使ってみればあっという間に成長して私の腕にツタが絡みつく。こんな植物の事をこっちの世界では見たことがないし、異世界の植物だと考えて良いよね?


「…………って、そもそも魔法が使えてるじゃん。その時点で私の経験したことはそのままってことで良いよね?」


1晩分かりやすい証拠を見つけてしまった。

ここまで証拠がそろえば、私の異世界に行っていた記憶は間違いないと思う。


「なんか疲れた」


とりあえず着替えるか何かしようかと考えて、私はため息をつきつつクローゼットに向かって移動。ただその途中でふと鏡に映った自分の顔を見て違和感を感じて、


「あれ?顔が変わってる?…………いや、若返った?もしかして私の体が召喚された時と同じものになってたりする?」


顔が少し幼くなっている。そして調べてみれば身長も少し縮んでいる気がする。

これは、過去に体が巻き戻されていると考えて良いかもしれない。

やっぱり、私が召喚された時の時間に戻っていると考えるのは間違いではないかな?


そうなるとどうして服だけ変化したのかが気になってくるけど、


「独~!もうご飯できてるよ~」


「あっ!は~い!今行く!!」


それを深く考える前に、着替えとかをしておかないと!

たぶん、今かけられた言葉から考えても私が行方不明になっているという事にはなっていない。本当に召喚された時に戻ってきているんだと思う。

そういう事なら学校だって普通にあるはずだし、急いで準備をしなければ!


長いこと着てなかったから制服をどれにするんだったかも忘れてるよぉ~

スマホの写真とか確認して最近の物をチェックしとかないと!!


「…………ふぅ。おはよ~」


支度し終えた私は、懐かしい気持ちになりながらリビングに向かう。

そこには3年ぶりに見るお母さんや妹がいて、


「おはよう。遅かったね(ひと)。もしかして体調悪い?」

「おはようお姉ちゃん。昨日道端に落ちてた財布を食べたのがいけなかったんじゃない?」


「なんで道端に落ちてる財布食べるの?私そんなことしないから。ちゃんと一部を拝借させてもらってから交番に届けるから」


「お姉ちゃん。それは普通に犯罪だよ」


懐かしいけど、向こうは全くそんなことを感じていなさそうな雰囲気。

この気持ちが共有出来ないのは少し寂しいけど、それでもまた会えただけでも十分嬉しい。


こんなこと今まで考えてもこなかったし異世界に居た時にも思わなかったけど、やっぱり心の許せる家族と一緒に居られることって幸せなのかもしれない。

そう思うと少し私の頬が緩む。


「ん~?お姉ちゃん?」

「本気で大丈夫?見たことない笑い方してるけど?」


「え!?そんなに変な顔してた!?」


笑顔になったらとんでもない反応をされてしまった。

所謂ドン引きみたいな状態になってしまっている。

一体どうしたっていうのかな。心からの笑みだし、聖女状態に染みついた完璧なスマイルを出せたと思うんだけど?とっても素敵な笑顔以外の感想が出るはずがないっていうのに。


「なんか怖いよ」

「感情が感じられない」


「嘘でしょ!?とっても素敵な笑顔だったじゃん!」


私が文句を行っても2人は微妙そうな顔をするだけ。

なんでこんなにも聖女スマイルが不評なのかと不満に思っていると、新しく音が聞こえ始める。

振り返るとそこには寝起きで頭もぼさぼさなお父さんがいて、


「おはよ~!お父さん、2人がひどいんだよ。私のとびっきりの笑顔に微妙な反応するの!」


「えぇ?独の笑顔なら良い物に決まってるのになぁ」


「だよね。お父さんもそう思うでしょ?」


ふふふっ!

お父さんは私の見方!基本娘2人には甘いから妹が本気で味方に欲するとどちらにつくか分からないけど、これくらいのどうでもいいようなことだったらお父さんが私の敵に回るはずがない。


ただ、そう思っているのは私だけの様子。

どうやらお母さんと妹はお父さんにも私の聖女スマイルは不評だろうと考えているようで、


「じゃあ見てみてよ。本当になんか変だから」

「ちょっとあれはねぇ………」


「えぇ?2人がそんなことを言うほど?…………なら、見せてもらっても良いか?」


「うん。いいよ」


私はお父さんにうなずき、とびっきりの聖女スマイルを見せてあげる。

この完璧で清楚な笑顔にお父さんも陥落間違いなし!

いくぞ!ニコニコ~



「うぅん…………ちょっと背筋がぞわっとしたかも」


「なんで!?」

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