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1:人気のありそうなカップリング

他のイケメンに期待しているところではあるけど、それはそれとしてそういうイベントだからなのか王子のプロゲルが学園の案内をしてくれることになった。

大まかには元の世界の学校と同じ様なシステムみたいで、部活や委員会なんていうものまであるみたい。

もちろんそうしたものの内容は私の知らない物やなじみのないようなものが多かったりするわけだけど。


ちなみに王子は生徒会に入っていて、馬術部にも所属しているらしい。

他に聞いた財務委員とか錬金術部みたいなものほど異世界らしさのない普通ともいえるような内容だけど、そこは王子様だから仕方がない事なのかな?


「おそらく聖女様は、保健委員会と慈善活動部に所属することになると思います」


「保健委員会は何となくわかりますけど、慈善活動部と言うのは?」


「その名の通り、慈善活動をする部活動です。活動頻度は高くないですけど、月に数回炊き出しをしたり孤児院のお手伝いに行ったりするものになります」


「なるほど」


こうした説明を受けたことで、私も少しずつだけど求められる聖女らしさと言うものが見えてきた。

やっぱり、聖女って人を慈しんだりするような存在なんだろうね。となると、今後はどこかのタイミングで国、もしくは世界を守って困っている人たちを助けたいとか言わないと立場上マズくなったりするのかも。

何にしても、もうちょっとその炊き出しなどの意義を尋ねて聖女らしさと言うものをもっと詳しく知って行った方がよさそう。


という事で、ちょっと揺さぶってみることにしようか。

まずはジャブ程度だけど「アンタの国は運営がへたくそで民を苦しめてるんだね」と言う風な読み取り方もできるようなことを言ってみて、


「炊き出しという事は、かなり食べるものにも困るような方が多いのでしょうか?」


「あっ、いや、その…………他の国に比べればよほど少ないような気がします」


「そうなんですか?では、人を助けるためには他国に行かなければならない?」


「い、いやいやいや!その必要はないですよ!国などが絡みますとそれによって逆に生活に困ったり争ったりする人が出てきてしまいますから、安全が確保できた時ならともかく聖女様がご自由に他国に行くことは控えていただきたいです」


「そうなんですか?」


この慌て具合から考えると、私の召喚はあくまでも国が把握していることにとどめられていて他国もすべてが同意して行われたというわけではなさそう。

ついでに他国に行かれたら困るという気持ちも読み取れるし、もしかするとこの国は関係のあまりよくない国を周囲に持っているのかもしれない。


ちなみに、表面上は私が全く何か深い事なんて考えていないように見せている。

あくまでも他国の話も善意で言っているというような雰囲気を出せていると思うんだよね。

だからこそ王子も私に対しての返答に困っていて、


「ふむ。国同士となりますと政治が絡みますので自重していただきたく。聖女様にはご自身のお立場と言うものをご理解いただけなければ困ります」


「あっ、ハチョー!」


「お久しぶりです殿下。聖女様にそのような対応をしていてはいけませんよ。次期国王となるのですから、もっとしかっりしてもらわねば」


「う、うぅ。分かってるよ」


新しい人が出てきた。

王子の対応が充分でないと判断して、私を止めるために近づいてきたみたい。

ハチョーと呼ばれるその人はいかにも堅物そうな硬い表情に頭脳派なのかなと言う印象を抱くような四角い眼鏡をかけている。


王子に視線を送ると自分の出番が来たばかりに顔を輝かせ口を開き、


「彼「私はハチョーと申します。伯爵家の長男でして、聖女様とも同級生という事になるかと。以後お見知りおきを」


「…………ちょっと?私が紹介しようと思ってたんだけど?」


「自己紹介くらいできるに決まっているでしょう。殿下、でしゃばらないでください」


「ひぃぃん」


王子の言葉に上からかぶせて自己紹介をするハチョー。

それに応じは文句を言うけど、ハチョーの冷たい対応で涙目になっている。

ただ、一瞬だけどその表情をした王子を見てハチョーの口元に笑みが浮かんだように見えたことから、そうして王子が不憫なことになっている姿を楽しんでいるのではないかとうかがえた。


たぶん、ドSキャラと言うやつなんだろうね。これまた私の守備範囲外ではあるけど、王子のこういう絡みとかから考えてカップリングとして人気がありそう。


「王子様とは仲がいいんですね。お友達なんですか?」


「ああ。はい。友達なんです」

「まことに遺憾ではありますが」


「なんで!?10年以上の付き合いだし、2人で愚痴だって言い合うじゃないか!この間だってハチョーは婚や、」

「殿下」


「…………ごめん。何でもない」


王子は止められて慌てて口をふさぐけど、なんとなく理解できた。

これは、ハチョーも婚約者と仲が悪い、という事なんだと思う。

王子に続いてハチョーもとなると、本格的にこの世界が乙女ゲームの世界で私が主人公であるという疑惑が大きくなってくる。

ハチョーもなんだか頑張ったら仲良くなれそうな気がするし。


もしかしたら、やり方次第では逆ハーレムルートなんていうのも目指せちゃう?

好みのイケメンが何人かいるのならそういうのも興味あるかも。


「さて。殿下に聖女様。そろそろ授業が始まりますので教室まで移動をお願いします」


「おや。もうそんな時間か」

「この時間に授業は始まるんですね」


大まかな主要施設の把握が終わったところで私はついに授業に出ることを迫られる。

自己紹介を無難に終わらせると、なじみのない単語が大量に出てくる話を聞くことになった。

魔法の授業らしいんだけど、ほとんど何を言っているのかが私にはわからない。


何で私、こんな授業を受けさせられてんの!?もっと初歩的なところから行こうよ!

私の事をどういう風に認識しているのかは知らないけど、最初からこのレベルの者は無理だって。

魔法陣の書き方に関する話とかされても分かるわけないって。しかも、以前授業で説明した、みたいな話をされると余計に追いつけないから!!


「…………」


「だ、大丈夫ですか聖女様」

「魂が抜けてる」


授業が終わるころには、私は灰になっていた。

今回の事で分かったけど、私は特に学習面に関しては配慮などしてもらえないみたい。これは本気で学びに行かないとマズい!


乙女ゲームだとか思って恋愛なんかにうつつを抜かしてる場合じゃないよ!ここで勉強面を頑張らないと、あほの子だと思われて適当に扱われてしまう可能性がある。

どこかで時間を見つけて基礎から頭に叩き込まなければぁぁぁ!!!

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