鉄砲ユリ
鉄砲ユリが暑い、暑い、と言って咲いていた
夏空へパッァーンと突き抜け開いた花びら
近づくと美しい曲線だった
緑から白い花火のシャワーが鮮烈だった
晩夏、夕立と雷鳴、、に撃たれた鉄砲ユリは
静かに細く萎れゆく、、霧深き茶畑の里は
鉄砲ユリの香りに包まれていった
柔らかき白霧に姿を変えて
鉄砲ユリが暑い、暑いと言って咲いていた夏だった
あの笑顔がただ好きだった
いつも二輪並んで咲いていた鉄砲百合
見つめ合った日はあったかなかったかはわからないけど
友よ、見つめ合いたいわけじゃないのだと知っていたよ
あなたが見つめる先をわたしもみている
あの空へ、自由への憧れ
見つめ合うことが愛することではないと
誰かが言っていた
ただ空へ羽ばたくように 咲いて笑っていて
友よ 見つめ合いたいわけじゃないのだとわかったよ
生きてゆくこと、それだけが 愛することだと




