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第1章 1-11 収集クエスト!

脱獄に必要なモノリスト


鉄格子を溶かせるモノ


衛兵を無力化できるモノ


その他諸々……


「ぬああああああああ! 見てもないのに準備なんてできるか!」


行き当たりばったりでいくしかない!が、 そう思いつつも、可能な限りの準備は整えておきたい。

僕は一日を費やし、スライムが棲みつく洞窟を探し当てた。


彼らの固有魔法は「融解」。敵意を持った相手を溶かす能力を持つという。


監獄の鉄格子の破片を拾い、それをスライムに差しこむ。すると、まるで熱湯に放り込まれた氷のように鉄がジワジワと溶け始めた。


「兵士の無力化は……その場のノリで何とかするしかないかな」


壁の突破以外、何の準備も整っていないが、わからないものに想定できるはずもない。


「何してんだ?」

「おわっ!」


背後からヴィネの声が響く。


「ハハァン、スライムねえ」

「な、なんだよ」

「分かる、分かるぜェ~……。スライムで強制的に服を溶かして、むほほ」

「そんな使い方しないわ!……いや、そんなことができるのか? 一応、続きをお願いします」

「恥ずかしがっちゃってマァ」


ヴィネがスライムを弄り始める。何をするつもりだ?


「魔族のガキはなあ、幼少期をスライム遊びに始まり、スライム遊びに終わると言っても過言ではネェ」

「ザリガニみたいなもんか?」

「ザリ……? よく分からんが、多分そうだ。ホレ、ちょっとよこせ」


ビリッと、僕の服の端を破る。


「チチン~プイプイノプイってな!」

「おお!」


スライムの中で布がみるみる溶けていく。


「スライムが固有魔法を使うのは敵意を持った相手だけじゃないのか?」

「へへ、それ以外でも使うんだよ。「生殖活動」の時にな」

「んなっ!?」


「つっても、コイツラにはオスもメスもねえ、そもそも単体なのか複数体なのかも分からねえ」


結論が見えない。


「どういうことだ?」

「こいつは増えたい時は何でも食べる。んで、どんどんデカくなる。そんで別れたらくっついたりする。コイツらは本能的に大きくなりたいんだ。そーゆー生き物さ」

「なにっ!? ……でも、それじゃ服を溶かしたい相手にぶつけたら、大惨事にならないか……?」


ぶつけたら骨になっちゃうんじゃ?とふと思う。


「言われてみりゃ確かに。人間にはどう作用するか分からねえな……。魔族なら、生まれた瞬間からスライムより弱い奴なんていねえからな」


ヴィネが僕の掌にスライムを乗せる。


「ここがツボだ」


ぱっと見、全く違いが判らないが、とにかくここがスライムの「性感帯」らしい。


「ここ押して意中の相手にぶつけりゃヨォ……オメエ……でへへへ。俺もガキの頃な? 隣町のウェルガーって娘によ……」


ちょっと放送できない話だった。


スライムを瓶詰にし、部屋へと持ち帰る。


試しにと生殖モードに入ったスライムは瓶に入れてみたが、瓶ごと溶かしてしまったため、草むらに逃がしておいた。意外とレアな生物だったらしく、惜しいことをしたな。

彼? にムラムラさせるだけさせてしまった。スマン。


鉄格子対策はこれで良しとして……。スライムを一匹取り出し、鉄格子を「敵」だと認識させる。


ツンツンと鉄格子で突いてみると、スライムはじわじわと溶かし始めた。調子は良さそうだ。


準備を整えた僕は、市場へと向かう。


そこで、ふと疑問が浮かぶ。


「商人たちはどうやってここに出入りしているんだ……?」


「トーマス?」


ジュディが武器を品定めしているところに出くわした。


「やぁ。何か買うのかい?」

「いや、そういう訳じゃないんだけど……」


僕は彼女を商人から少し距離のある場所へと誘導する。


「彼らって、どうやってここに来てるんだ? 住んでいるようには思えないけど」

「ああ、そのことか。週に一度、地上に戻っているはずだよ。商人専用のゲートがあるんだ」

ゲート?」


初めて聞く単語だった。


「転移術式だね。あ、今『脱獄に使えないか?』って考えたでしょ。無駄無駄。彼ら本人じゃないと使えない魔法になってるんだ」

「そっかぁ……」


ジュディの言葉通り、商人たちは市場の中央に集まり、一斉に姿を消した。


数分後、新たな商人たちが魔方陣から現れる。


「囚人の中にはキミみたいに『誰でも魔方陣に乗れば移動できる』と思って、市を襲撃する人がいるんだよ。ふふ。結局移動はできないし、市がなくなればみんな困るからボコボコにされちゃうんだけどね」


ジュディはクスクスと笑う。


「転移って、どこに繋がってるんだ?」

「さぁ……でも多分、監獄の地上じゃないかなぁ。買い取った商品の検査とかあるだろうし」


話を終えたジュディは、再び武器の品定めに戻る。


「そうだ! 君の武器も見繕ってあげようか」

「そりゃ有難いけど、武器は部屋にあるんだ」

「じゃあ、取りに行って、ここの武器と比べてみよう」


独房に入り、武器を取る。


「キャア!」


え?


後ろを振り向くと、ジュディが頭からドロドロの液体を浴びていた。


「なに!?」


……嫌な予感がする。


天井を見上げると、そこにはべっとりと広がるスライムの姿。


「スライムだね……」

「スライムぅ!?」


ジュディが剣を抜き、スライムの核を切り裂く。


粘液がサラサラとした水へと変化し、僕の房は水浸しになった。


そこには、あられもない姿のジュディが。


「あ、あはは……その、思ったよりあるんだな、むn……」

「忘れなさい!」



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