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贄の令嬢はループする  作者: みん
❋新しい未来へ❋
75/83

久し振りの…

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トワイアル王国に新たな国王が即位してから、更に1ヶ月。その新たな国王と王配が、竜王に挨拶にやって来る事になった──らしい。


「そこで、竜王陛下の番であるエヴェリーナ様も同席していただく事になります」

「番として………」


今日は週末で学園は休みだった為、いつもより少し遅い時間の朝食をとっているとニノンさんがやって来て、そう告げられた。

うん。私はフィル─竜王の番だから、色々覚悟はしていた。していたけど、私はまだ成人すらしていない学生だ。そんな私が、その場に同席しても良いんだろうか?その前に、そう言う場でのマナーやルールなんてものを習ったりはしていない。過去四度、公爵夫人としての教育はミッチリ受けたけど相手は王族だ。


「不安しかないんですけど!?」

「ふふっ。あまり深く考えなくて大丈夫です。今回はお互い挨拶をするだけだと思っていただいて大丈夫ですから。ある意味、非公式な対面ですから」

「非公式??」


どうやら、表立った挨拶は既に済んでいるそうで、今回の来国は、お世話になったカデライル公爵へのお礼と、竜王の番である私と対面する為に来ると言う事なんだそうだ。


「エヴェリーナ様は未だ秘匿扱いの番ですが、トワイアルは我が竜王国の守護国ですから、知らせておく必要があるんです。先代には必要ありませんでしたから、今になりましたけど」


先代─とは、ジュリエンヌ様の両親だよね?その3人は…どうなったんだろう?その3人とハロルド様が地下牢に入れられたとは聞いたけど、それ以降、私の耳には何も入って来ていない。


「気になりますか?」

「え?」

「あの4人がどうなったか─は、竜王陛下が、落ち着いたら直接エヴェリーナ様に説明されると思うので、竜王陛下から聞いて下さい」

「はい、分かりました」


落ち着いたら──


結局、私とイロハで執務室に差し入れを持って行ってから、フィルとは会えていない。番になってからの方が、物理的な距離ができたような気がする。ただ─


「それにしても……エヴェリーナ様の部屋に、花が増えましたね」

「ですね……ふふっ」


会えない日─ほぼ毎日、朝目を覚ますと、枕元に花が1輪置かれているのだ。殆どが紫系や藍色の花で、時々黒色の花もある。フィルと私の色の花だ。会えなくても、その気持ちだけで嬉しくなって心が温かくなる。


ーどこかの気持ち悪い誰かとは…大違いだよねー


いや、そもそも比べたりしたら駄目だよね。



「と言う事で、非公式ではありますが、それなりの準備は必要になりますので……先ずはドレスを作りましょう!イロハ様!アルマ!マリー!サクッとやっちゃいましょう!」

「「「はい!」」」

「えー!?」


ニノンさんの声掛けに、バンッと扉を開けて入って来たイロハとアルマさんとマリーさん達。

戸惑っている私を気にする事なく、服を脱がされ採寸から始まり───その日の午前中はドレス作りで終わり、午後は(1から作るのは時間が無い為)宝石(アクセサリー)の選択、ついでに─と言う事で、今後必要になるだろうアクセサリーを何点か作る事になり、そのデザインの考案やらで夕方頃まで5人で過ごした。





******



「疲れた…………」


私は侯爵令嬢ではあるが、過去四度とも成人する前に死んでいる為、社交用にドレスを作ったり、アクセサリーを選んだりした事が無かった。子供の誕生日に着るドレスも、ここまで手の込んだモノではないし、着る本人ではなく、母親の意見の割合が多いドレスだった。勿論、私好みのドレスに仕上がっていたけど。


だからか、こんな私の為に─と思ってしまうが、今の私は、私だけの問題ではなく、アルクシェリア女神の遣い龍である竜王の番としての立場がある為、公の場での格好は、竜王であるフィルへの評価にもなってしまう。だから、見窄らしい格好をする訳にはいかない。


ーフィルが侮られる事だけは避けないとー


それと、イロハも大聖女として同席するそうで、一緒にドレスを作った。薄い緑色で。


「………」


ニノンさんとアルマさんとマリーさんが、緑色を推しに推していた──のは、きっと……


「アラスターさん…だよね?」

「…アラスターが………どうかした?」

「ひゃあっ!!??」


いつもより低い声がして、そのまま後ろから抱きしめられた。


「フィル!?」

「アラスターがどうした?何かされたのか?よし、今すぐアラスターを呼───」

「フィル!」

「っ!?」


フィルの腕の中でクルンッと回って、正面からフィルに抱きついた。久し振りに会えて嬉しいやら、久し振りの温もりに安心するやらで………テンションが上がってしまった!!


「ごっ──ごめんなさい!」と謝りながら離れようとすると、逆に、更にギュウッとフィルに抱きしめられた。

「フィ───」

「俺に抱きつくイヴが可愛い!可愛いイヴが足りない!!」

「ふぐぅ──っ!!」

変な声(ソレ)も可愛い!」


ーいやいや…その感覚はおかしいから!ー


「フィル!ちょっ…だか…ら、圧死するからね!?」

「っ!!すまない!!」


と、慌てて力を緩めるフィル。このやり取りも久し振りだ。


「ふふっ。フィル……おかえりなさい」

「イヴ……ただいま」


お互い笑い合った後、久し振りのキスをした。



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