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贄の令嬢はループする  作者: みん
❋竜王国編❋
21/83

初対面

いいね、ありがとうございます。

ニノンさんと街へ出かけてから1週間。


ようやく、学園長ともう1人の私と同じ人間(ひと)族の女の子と会える事になった。

それと、そこで、私達に付けられる護衛も紹介されるとの事だった。






私の部屋まで迎えに来てくれたのはニノンさん。ニノンさんとも、街へ出掛けて以降久し振りに会った。


「あれからバタバタしてしまって、連絡もなかなか取れなくて…すみませんでした。何か、困った事はなかったですか?」

「アンヌ様が色々と気にかけてくれたので、何の問題も無く過ごせました。」


ニノンさんが忙しくて来れないから─と、監督生のアンヌ様が、色々と私の事を気にかけてくれて、昼食をアンヌ様が運んで来てくれていたのだ。“お姉さん”的な存在だろうか?


「なら良かったです。では、今から学園長室に案内しますね。」

「はい。宜しくお願いします。」









******



「学園長、留学生のエヴェリーナ=ハウンゼント嬢をお連れしました。」

「入って下さい。」

「失礼します。」


「ようこそ、いらっしゃいました。」


私達を迎えてくれたのは、(見た目)私の父と同じ年位の男性だった。


「初めてお目にかかります。エヴェリーナ=ハウンゼントと申します。これから3年間、こちらでお世話になります。宜しくお願い致します。」

「丁寧なご挨拶、ありがとうございます。私が学園長のアリソン=ガーナードです。挨拶が遅れてしまって、申し訳無い。」


“アリソン=()()()()()


“ガーナード”って…確か、竜王国の国王筋の家名じゃなかった?チラッとニノンさんに視線を向ければ、軽く頷かれた。どうやら、王族筋の人だと言う事で間違いないようだ。

そして、室内に目を向ければ、部屋のソファーには女の子が私の方を見て座っていた。その容姿にドキリとする。肩までの黒色の髪に、その瞳も黒色だ。


ーこの子が私と同じ16歳?若くない?ー


同じ年だと言われなければ、中等部の生徒だと見えなくもない。


「人間の……女の子だ………」

「?」


その子は、ソファーから立ち上がり、私の方へと駆け寄って来て、私に遠慮なく抱きついて来た。


「え?え?」

「人間だー女の子だー嬉しい!」


ぎゅうぎゅうと抱きついてくる女の子。決して嫌な訳ではないけど、どうしてこうなっているのかが分からない。


()()()、少し落ち着いて。ハウンゼント嬢が驚いているから。」

「はっ!ごっ…ごめんなさい!」

「いえ…私は大丈夫です。」


ガバッと私から離れた女の子は、顔を真っ赤にしていた。


「色々と説明をするので、皆ソファーに座って下さい。」


学園長の言葉に従い、私達はソファーに座った。










“イロハ=サイキ”


まさかまさかの……異世界から来た聖女様だった。


「…………」


ーえ?口が開けっ放し?分かってます。分かってるけど閉じられませんー


古い書物で読んだ事がある。


アルクシェリア女神がこの大陸を創世してから一万年が経つ。その間、この大陸が平穏だったか?と言われればそうではなく、凡そ千年毎に不安定になる時期がある。理由は定かではないが、それは、アルクシェリア女神の力が弱まるからでは?と言われている。

千年に一度、月が隠れると言う現象が起こるのだが、アルクシェリア女神の力の元が月だから─と。


アルクシェリア女神の力が弱まると、魔獣や魔物が活発化したり、自然災害が増えると言われていて、それを補う為に、遣い龍である黒龍が、その間この大陸の平穏を保つとも言われている。

更に、時と場合によって、異世界から聖女が召喚されるとも─。


ただ、異世界からの召喚は、過去に一度された記録があるだけで、それ以降は行われていない。だから、それすらも、事実なのかどうか分からない話だったけど。



「聖女様……本物??」

「はい。本物ですね。」


と、目の前に居る聖女様はニッコリと笑っている。

異世界から来たのにも関わらず、悲嘆する事無く笑っている。


ーえ?本当に大丈夫?無理してない?ー


と思っていると、聖女様は更に笑顔で語り出した。



「まさかまさかの異世界召喚で、ここに来た時は本当にビックリしたけど…私、元の世界では大病を患って死にかけてたんですよ。“あぁ、私は、親孝行もせず、誰の何の役にも立てず、親より先に死んじゃうのか”─って……それが辛くて……」


「………」


「そうしたら、死の間際に、“ならば、私の世界を救ってくれますか?”って……声が聞こえて。“勿論!私にできる事なら!”って答えたら、竜王国(ここ)に居たんです!まさか、本当に異世界に召喚されるとは……思わなかったけど。でも、私にできる事なら、世界は違ってしまうけど、その分頑張ろう!と思って!」


と、聖女様はとても可愛らしい笑顔だ。


ーあれ?でも…一度目から四度目迄、聖女様が召喚されたなんて事…あった?ー


どうやら、五度目の今世は、今迄とは違う事がたくさん起きているようだ。








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