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贄の令嬢はループする  作者: みん
❋竜王国編❋
19/83

竜族の子供

いいね、ありがとうございます。

寮長も国から派遣された、元学園の園長だったスルフィール=カデライル様で、侯爵夫人でもあるらしい。


高等部3年生の監督生は、アンヌ=ハーヴァルト様。


この2人とニノンさんもそうだけど、女性にしては身長が高いなぁ…と思っていたら、どうやらこの3人は竜族の女性としては平均的な体型らしく、私─人間が小さいらしい。なので、カデライル様にもハーヴァルト様にも「可愛い」と言われ、頭を撫でられた。



それから、今年留学生として入園するのは、私だけだそうだ。もともと、竜王国の学園への留学レベルが高い為、留学申請書は多くあるが、そのレベルに達する者が少ないそうで、竜王国の学園に留学生として入る事ができただけでも“箔が付く”んだそうだ。

ちなみに、留学生は、1年生に私が1人、2年生に2人、3年生に1人居るとの事だった。


基本、学園と寮でのルールは同じで、爵位で縛られる事はない。これは、あくまでも“表向きは”だろう。やはり、最低限の上下関係は保たなければならないだろうと思う。

門限は夜の9時。外泊する場合は、2日前迄に外泊申請書を提出して許可が下りれば可能。門限さえ守れば、放課後や週末に街へ出掛けたりするのは自由。


但し、学生には1人1人に学園の生徒である学生証の変わりに、魔石が填められた指輪かブレスレットを身に着ける事になっている。その魔石には、その生徒の情報が組み込まれていて、それさえあれば、それでお金の支払いなども可能になる。そして、学園に入る時や出る時にも、その魔石が反応して、生徒がいつ学園を出入りしたかが記録されるそうだ。


「セキュリティが凄いですね。」


勿論、トルトニアの学園でも各所に警備員や騎士が居たりもするが、学園の出入りまでは管理していない。ここまでセキュリティがしっかりしているのには、竜族特有の理由があった。


竜族は他種族よりも、遥かに寿命が長い。それは、竜力が強くて大きい程長い。その代わりに、子供は生まれ難いそうだ。

一般的な竜の平均寿命が200歳。これが、竜力が大きくて強くなると、300歳にも500歳にもなる─と言われているらしい。


人間(ひと)なら完全にミイラだー


そんな竜族も、結婚して夫婦になっても、子供が1人生まれるか生まれないか─と言う程で、それが、(つがい)同士であれば子供が生まれやすく、2〜3人生まれる事もよくあるらしい。その為、竜族にとって、子供と番はとても大切にされる存在なので、学園に通う子供達のセキュリティがしっかりされていると言う事だった。

そして、それは竜族だけには限らず、留学生としてやって来ている私達や、竜王国に住む他種族の子達にも同様の対応をしているそうだ。

特に、人間は、そんな竜人や獣人よりも弱い生き物な為、更に見守り体制を強化しているらしい。


「─と言う事で、人間(ひと)族であるハウンゼント嬢には、護衛を1人付けさせていただきます。と言っても、ハウンゼント嬢と同じ年で武に長けている学園に通う同級生なので、堅苦しい感じはないと思うわ。その護衛は、また後日改めて紹介しますね。」

「分かりました。」


ー護衛か……仲良くできれば良いなぁー


それから、寮でのルールを説明された後、寮長とはここでお別れをし、監督生のハーヴァルト様とニノンさんに寮内を案内されながら施設の説明を受けた後、その日の予定は終了となり、私はまた自室へと戻って来た。


ポスンッ─と、ベッドの上にダイブする。


トルトニアの邸では絶対にできない事の一つだ。こんな事をしようものなら、目を釣り上げたジョリーにお小言を食らってしまうだろう。


『侯爵令嬢たる者がはしたない!』


でも、それが今ならできる。自由─なんだ。

裏切られると分かっていながら受けていた、公爵夫人となるべく為の勉強もしなくて良い。


「ふふっ──」


正式に入学するまでの1ヶ月の間の食事は、外で食べない限りは、部屋に食事を持って来てくれるらしい。そして、あまった時間は、ニノンさんとの時間が合えば、一緒に外出をして、街を案内してくれる事になった。


「そう言えば…ニノンさんも寮長も若いけど、一体いくつなんだろう?」


特に、寮長は元学園長だったと言う事は……それなりの年齢だと思うけど…。

それに、竜にも何種類かの色があるみたいだけど、色が違うと何か違ってくるのか?違わないのか?あの、真っ黒な竜は……黒龍なのか……それとも……。


ー本当に、竜については何も知らなかったんだなぁー


ニノンさんに、色々訊いて教えてもらおう。


キュルル──


「お腹空いたなぁ……」


コンコン─


「ハウンゼントさん、食事を持って来ました。」

「はーい、今開けます!」


ドアを開けると、ニノンさんが2人分の夕食を持って来ていて、「一緒に食べさせてもらっても良いですか?」と訊かれたから、「勿論です!」と、私の部屋で一緒に食事をしてもらった。






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