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そういうの求めていないですよ!?

毎日セットしている携帯電話のアラームで目が覚めると、久しぶりに目覚めの良い朝だった。

頭のモヤモヤが晴れている気分だ。

昨日はあの憧れのナオちゃんの最後のそして、最高の舞台に立ち合い感動した。

そして、女子フィギュアの物語が描きたいという気持ちが明確になった。

さらに王子さんと出会いアニメのキャラ原案と脚本を書くという新たな目標まで出来たのだ。

あの後、王子さんの監督作品をスマフォで検索しながら話したけど、すごい人だ。

あの伝説のアニメ「プリンセスナイト」が初監督にして大ヒット。

さらに未だに語り継がれるオリジナルアニメ「革命少女レイン」の“原作者”兼“監督”を行ったと言う。

僕が高学生の時に大ヒットしたアニメの監督だとは。

こんなに高揚した気分になるのは、そんな凄い人と関われると言う期待からもあるだろう。

僕は漫画家だから漫画でしか自分の作品を表現してはいけないと思っていた。

そんな事はなかったんだ。王子さんは自分の新たな可能性を見つけてくれた。


そんな気持ちの良い朝に、真っ白な天井を見上げながら1人満面の笑みでいると、隣からガサガサと音がする。

ふと右側に視点を送ると、全裸のダビデ像がいる・・・。

いや、もとい王子さんがまどろんでいた・・・。

昨日は多少酔っぱらっていたせいもあってか、家に帰ってからもコンビニで買った酒を二人で飲みながら割と遅くまでいろいろと話していた・・・しかし内容はあまり覚えていない。

それで僕が先に風呂に入って・・・先に寝ていてよいよと言われ、僕もネームを作ったあとで寝不足だったからそのまま寝てしまい・・・起きたら・・・この始末だ。

とっさに僕の状態を確認してしまった。

大丈夫・・・着衣に乱れはない。

いつも通りのパジャマを着ている。


「うふぁ~やぁ~おはよう画人!よく寝られたかな~?」

相変わらず人懐っこく話す人だ。

「よく寝られたかな?じゃないですよ!王子さん!なんで裸なんですか?」

至極当然の突っ込みを畳みかけるようにしてしまった。

「いや~俺、何かに縛られるの嫌いなんだよね~どうしても外では服を着ないといけないから着るけど家の中、特に寝るときなんて論外だよ、論外!」

なぜだろう間違いなく出会って24時間もたっていないのに、この人らしいと思えてしまう。

「駄目です。それは一人でいる時にしてください。僕は男性の全裸をみて喜ぶタイプじゃないですし、目のやり場に困ります。しかも同じベッドに寝てるなんて!」

そうだ、いくらクイーンサイズのベッドに寝ているとはいえ、そこに入ってくるとは。

「だってシャワー浴びさせてもらったら~、もう画人寝てるじゃない~?ソファーに寝るにも俺の身長だと足出ちゃうからさ~そしたら画人ったら一人暮らしでクイーンサイズのベッドだったから、良いかな~って。」

けらけら笑いながら王子さんは答える。

たしかに、あの時は自分が眠くて客人の寝床の事まで考えていなかった。

「そうですね、たしかに昨日は眠すぎて王子さんの事まで頭が回っていなかったです。すみません。とはいえ・・・。」

と言いかけたところで王子さんがすかさず被せる。

「でしょ~酷いよ~でも安心して!昨日寝る前にネット通販でベッド買っておいたから、しかも今日届くんだって。本当に便利な世の中になったよね!」

・・・・この人は何を言っているんだ?

「え?王子さん泊まるのって昨日だけじゃないのですか?」

冷静になって昨日の王子さんのコメントを思い出してみると


『僕ね~今日、日本に帰ってきて今帰る家ないんだ~!だから画人の家に今日からしばらく泊めて!お願い~!』


・・・確かに言っている。その後ついついナオちゃんの話と好きな映画とか話してで盛り上がって重要なところを逃していた。

「ねっ言っていたでしょう~?しかし助かっちゃったよ~だって画人の家ってアシスタント部屋もあるし、その他の部屋もあって広いじゃない~?僕の部屋もありそうだな~って。」

確かにそうかもしれない。今までのヒット作品のお陰で、郊外とはいえかなり広いマンションを持っている。

「それよりさ~、朝ご飯何にする~?」

王子さんが訪ねてくるが、昨日割と遅く寝て、まだ朝の八時だ。

僕は元々朝ご飯に関しては、パン1枚あれば済んでしまうくらい朝食はこだわりがないし、今はそんなに食べたくない。

「いやー僕はいつもパン1枚にバターを塗るくらいしかしないので」

そう答えると王子さんはすごい勢いて

「駄目だよ~!駄目!1日の基本は朝だよ~!朝食はしっかり取らないと~。僕は普段はご飯派なのだけど~。パンか~冷蔵庫見させてもらって良いかな?」

どうぞという前に、全裸の王子さんが冷蔵庫の方に向かう。この人は基本話を聞いてないな。

「おっあるじゃないか~!卵が!バターもあるし、スクランブルエッグにトースト、牛乳ってのはどうかな~?」

何やらポーズを決めながら王子さんはこちらに同意を求めるが、そこまで食べたいわけではない。

「すみません。僕は本当にトーストがあれば良いです。」

「えっつれないじゃないか~!一緒のものを食べて絆を深めて、この後早々にプロット作成に取り掛かろうよ〜」

そういわれてしまうと邪険にできないが、僕のトーストのみのメニューに付き合うつもりはなさそうだ。

「あはははっでも本当トーストくらいしか食べれないです。」

「OK~!じゃートーストはトーストでも、フレンチトーストってのはどうだい~?同じ卵も牛乳も使ってるよ~!」

また違うポーズで決めている。いい加減このやり取りやめて服を着てもらわないと。

「了解です!フレンチトーストなら食べれます。でも僕料理はからきし駄目ですよ」

普段、僕の食生活は正規のボランティアで成り立っているようなものだ。

「な~に心配ないよ~!僕がちょちょいっとプロ直伝のフレンチトーストを作っちゃうよ~!」

そういうと卵を割り、牛乳と砂糖をいれ、トーストの耳を切りその液に漬け込みレンジに入れた。

本当に慣れた手つきだ。裸にエプロンじゃなければ本当に尊敬していただろう。

「裸エプロン?どうして?」

思わず大声で叫んでしまった。まさか男性の裸エプロンをみることになるとは。

そういう僕に対して誇らしげに。

「だって裸が嫌っていうから~仕方なく今エプロンを来たよ~俺は料理が好きだからね~。第一、裸で油が飛んだら危ないだろ~。それにしても料理やらないってわりにはエプロンにバニラエッセンスまであった、ちゃんとしているじゃないか~。」

うん、もうこの人に突っ込むのはやめよう。

「あっそれは正樹がって、僕のマネージャーがお昼と晩御飯は作ってくれるんですよ」

既にレンジから取り出したトーストを、バターの乗ったフライパンに乗せて良いにおいをただ寄せている。

「へ~漫画家さんのマネージャーさんってそんな事までしてくれるの~?」

フライパンに目線を送りながら楽しそうに聞いてくる。

「いえいえ、そんな事はないですよ。正樹とは小学校からの幼馴染でして、多分漫画を描くこと以外何もできない僕を見かねてマネージャー業以外もやってくれているんです。最初に僕の描く漫画を面白いと言ってくれたのも正樹なのでそこから漫画家を目指したんです。本当に恩人でもあり、いまだに世話になってます」

「なるほどね~」と言いながら、お皿に黄金色のフレンチトーストを盛りつけ、その上からはちみつ、そしてサイドにはイチゴは添えられている。

「そうしたら、今日も来るんだよね?ちゃんとご挨拶しないとな~。さー召し上がれ~飲み物は珈琲でよかったかな~?」そういうとブラックの珈琲のあとにフォークとナイフも持ってきて、最後にミントを飾って王子さんは満面の笑みでそういった。

王子さんも凄いけど、家にミントを常備するあたり正樹も改めて凄い。

「すごいですね!プロみたいな仕上がりだ!」

一口口に含む。

「美味しいです!」

ニコニコしながら王子さんも自分の分を用意する。

「本当は片面12時間浸すんだよ~でも今日は時間がないから電子レンジで時短にしちゃった~。これはちゃんと冷蔵庫に材料を買っておいてくれた正樹くんのお陰だよ~卵も牛乳も良いもの揃っていたからね~欲を言えば生クリームがあればね~ミントがあったのはびっくりだけど~。」

「外はカリカリ、中はふんわり、本当美味しいです」

食欲がなかったと言った割に、僕は直ぐに半分食べ終えてしまった。最近はめっきり人と一緒に朝食を食べる事なんてなくなったけど、なにか良いものだなっと思う。

「そうそう、さっきも言ったけど今日から早速プロットを考えないかな~?俺ももちろん考えるのだけど、森山画人に脚本をお願いするからには、まずは画人に考えてもらった方がよいと思ったのだよ。どうかな?」

いつにもなく真剣な眼差しだ。その裸エプロンではなければ。

「俺はね、画人が今持っている女子フィギュアに対する熱意、今描きたいという気持ちをぶつけて欲しいんだ。」

改めてそこまで言ってもらえて素直にうれしかった。プレッシャーでもあるが今はそれを超えたいと思うだけのモチベーションがある。

それにしても王子さんはたまに話し方が変わるな、いつもの柔らかい話し方から、少し真剣なトーンに変わるのだ。

「分かりました!もちろんです。やらせてください!」

そう言って、食事を終えると、皿とコップを洗い部屋に缶詰めになる旨を伝える。

「いいよ~僕もあの玄関に近い部屋貸してもらうけど良いかな~?ちょうど机も一つあってちょっと作業させてもらおうと思ってね~。」

「平気です!何かあったら声かけてください。多分お昼過ぎに昼飯作りに正樹がくると思うので、そうしたら紹介しますね。」

OK!とジェスチャーで王子さんが返してリビングから部屋に向かっていった。


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