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もふもふと楽しむ無人島のんびり開拓ライフ ~VRMMOでぼっちを満喫するはずが、全プレイヤーに注目されているみたいです~(旧題:Iris Revolution Online)  作者: 紀美野ねこ
以芸会友

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第609話 城主絶賛募集中

 目の前に突然現れた女性に、びっくりを通り越して頭の中が真っ白に。

 ルピもラズも全然気づいていなかったみたいで、珍しく驚いた表情になっている。


「あ、えっ……と?」


 体全体が薄く透けているからゴースト系のアンデッド?

 でも、ルピもラズも威嚇する様子もないし、どっちかっていうと「何これ」みたいな感じに見える。


「申し遅れました。私はこの城に棲むシルキーです。何かご不明な点があればなんなりと」


 シルキーって家に憑く妖精だっけ?

 ともかく、敵ではないみたいで一安心。って、その前に、


「すいません。勝手に入っちゃって。あと、あちこちを見て回ったり、保存庫の中を勝手に覗いちゃったりしました」


「お気になさらず」


 無断侵入した上、保存庫の中まで見ちゃったことを謝ったんだけど、ニッコリ返されてしまった。


「その、えーっと、この城の主に挨拶したいんですけど……」


「残念ながら、現在この城に主はおりません。ですので募集中です! どうでしょう!? 主になってみませんか!?」


「え? ちょっ!」


 ずいずいっと圧をかけてくるシルキーに思わず後ずさる。

 いきなり主になれとか言われても困る。というか、すでに屋敷があってそこで生活してるし。


「とにかく、俺の一存じゃ決められないんで相談していいですか?」


「はい。他にもお連れ様がいらっしゃるのですね」


「今、庭にいるんで呼びます」


 そう答えると落ち着いたらしく、すっと距離を取ってくれた。

 ミオンとエルさんと、いや、もう全員呼んだ方がいいよな。


「ミオン。みんなで中に入ってこれる?」


『ぁ、はぃ』


 すぐに石段を駆け上がる足音が聞こえ、ミオンたちがやってきた。

 当然、シルキーの存在に気づき、俺の側へと身を寄せる。


「ぁの?」


「ようこそ」


 深く一礼して、ニッコリと笑顔を見せるシルキー。

 俺から何があったかを軽く説明しようと思ったんだけど、


「こんなところでシルキーと会うとはな。ショウ、彼女は上位精霊のシルキー。長く使われた家に生まれる善良な精霊だ」


 とエルさんからフォローが入った。


「上位精霊? 妖精じゃないんですか?」


「私にも詳しいことはわからないが、実体を持たない存在は精霊と言われているな。上位精霊と言われるのは、言葉による意思疎通能力を持つからだそうだ」


「なるほど……」


 エルさんがなぜ知ってるかというと、竜の都、白竜姫様が住むお城にもいるらしく、城内のハウスキーピングを全てやってくれているんだとか。


「私の姉妹でしょうか。お役に立てているようでなによりです」


 それを聞いてほっとした表情のミオン。ぱっと見だと幽霊だもんな。

 で、今、この城には主がいないので、俺になって欲しいって話をされたことを説明。


「すでにお屋敷がありますけど……」


「だよなあ」


 パーンたちに手伝ってもらってリフォームした屋敷だし、ミオンやスウィーたちが手入れしてくれている裏庭もあるし。


「ずっとこの城にと言うわけではありません。別荘のつもりで契約いただいても結構です。どうですか奥様?」


「ぉ、奥様……」


 ミオンが真っ赤になってて、まあ、うん。

 それはともかく、


「別荘扱いでいいんです? たまにしか来ないと思いますけど」


 大きさも広さもかっこよさもバッチリなんだけど、辺鄙な場所なんだよなあ。


「誰もいない城を一人で管理するのは寂しいのです。少しでもお仕事ができれば嬉しいのですが……」


 うっ、そう言われるとなあ……


「今、二人が生活してる屋敷に来てもらうのはどうだろう?」


「え? 他の家にも来れるんです?」


「使役契約があれば可能なはずだ。実際、姫の別荘と行き来するシルキーもいる」


 ミオンも乗り気になったのか、


「うちに来れば妖精さんたちもいるので寂しくないですよ」


 と。あと、エルさんの負担も減るかな。今も俺たちがいない間に部屋の掃除とかしてくれてるし。


「使役契約を結んでいただいた上で、移動のためにそれなりの大きさの魔晶石を用意していただく必要がありますが」


 使役契約ってなんだろう?

 魔晶石は中サイズなら屋敷の倉庫にあったような……


「ショウ君、これを」


「え? ミオンの分だけどいいの?」


「はぃ」


 南の島でウィザーレーシーを倒した時の戦利品。

 ミオンが使うだろうと渡してたけど、まだ全然使えてないのでと。


「これでどうです?」


「十分な大きさです。その前に使役契約を……、できると思ったのですが……」


 え? 無理っぽい? 精霊魔法のスキルは上限突破もしてるのになんでだろう……

 ああ、そうか!!


「ショウ君?」


「あ、うん。ルピの時のことを思い出して」


 調教スキルはルピがいたから取れるようになったし、逆にシルキーが目の前にいて契約を望んでるから、新しく取れるスキルがあるはず……

 メニューを開いて『精霊』で検索かな? ……あった! これだ! 精霊使役!


【精霊使役】

『上位精霊と契約を結ぶことができる。

 前提条件:精霊魔法LvMAX、契約を望む上位精霊の存在』


 またエピックスキルだけど……、SP余ってるしいいやってことで取得。

 魔晶石にマナを注いでみせる。


「どうです?」


「ありがとうございます。契約の証として、新しい名前をいただければと」


 あ、名前……

 急に思いつけるわけもなく、ミオンを見てしまう俺。


「えっと……、セラさんでどうでしょう」


「おっけ。じゃ、セラさん。よろしくお願いします」


「はい。旦那様も奥様も敬語は不要です。よろしくお願いします」


 セラさん曰く、この城を離れて屋敷に戻る時に魔晶石に入るとのことで、その時は主となった俺が持ってないとダメらしい。

 まだあと1時間はここにいられるし、話を聞きながら、ここの案内をしてもらうでいいかな?



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― 新着の感想 ―
行き来、がいちいち魔晶石に入って移動だとするなら結構な手間がかかるな。職場と定めたところなら自由に移動できるとかないのかな?
カモ(お仕事)がネギ(ご家族)背負ってやってきた。 逃しませんよ〜
全方位安定の奥様認定☆ まあ、うん。  それはともかく、 否定はしない! そしてお城が別荘ってw
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