第593話 エリア解放と戦利品
コボルトたちが来た方へと30分ほど進んだところで、森の出口が見えてきた。
ウィザーレーシーやコボルトたちとの戦闘もあって、結局、森を抜けるのに2時間ぐらいかかったのかな。
出口と言っても草むらが少し広がっているだけで、その先には切り立った崖が見えるだけなんだけど……
【島西部エリアを解放しました】
「『え?』」
これは……クエストっぽいものを完了したってことかな?
周りの人たちにも同じ通知が来てるようで、驚いてる人と納得してる人の2パターンが。
「ナット。お前、この通知、どういうことか知ってるっぽいけど」
「ん? ショウは知らないのか? エリアボスを最初に倒して先へ抜けると出るやつだぞ」
「へー……。あ、そういえば、レッドアーマーベアを最初に倒した時にも出たっけ」
でも、微妙に違うような気がするんだよな。倒した後にすぐ出た気がするし。
『ショウ君。あの時は「占有」って』
「あ、確かに」
あの時は俺とルピだけで倒したから? あと、俺が島主だからとか?
まあ、どっちでもいいや。そろそろいい時間だし、自分の島に戻らないと。
「ガジュはこの先って知ってる?」
「ジュジュ〜」
首を横に振るガジュ。
「知らないってか?」
「だな。どっちにしろ俺はそろそろ時間がヤバい。晩飯の用意しないとだし」
その言葉に苦笑するナットだが、その話を皆に伝えに行ってくれた。
時間は午後4時前。1時間弱でキジムナーの里に戻って、そこから島へ戻って……、うん、ギリギリだな。
コボルトの集落? 巣? そういったのは見つけられなかったのは心残りだけど。
『ショウ君。ルピちゃんやリゲル君のアーツの確認をしませんか?』
「あ、そうだった。ルピ、リゲル、おいで」
「ワフ」「ブルルン」
まずはルピから鑑定。
【マナガルム:ルピ:親愛:自由行動】
『幻獣マナガルム。別名マーナガルム。黒地毛に金毛を持ち成体は体長1mを超える。
古代より蒼空の女神の従者として仕えた狼。全ての狼を従える狼の王。
アーツ:<ガルムライトニング><クラッシュクロー><マナエイド><ハウリング><急所攻撃>』
フレーバーテキストは変わらないけど、アーツに<ガルムライトニング>が増えていた。
【ガルムライトニング】
『高威力の雷をまとうアーツ。攻撃に雷属性が付与され、攻撃力上昇とスタン効果を得る。放出することで対象にダメージを与えることも可能。一度に複数の対象に撃った場合は威力が低下する』
すごいな。っていうか、俺より全然強いよな。
で、リゲルだけど……
【フロスティグラニ:リゲル:親愛:自由行動】
『幻獣グラニ。特に毛色が白に近い牡馬をフロスティグラニと呼ぶ。
古代より紅緋の女神が騎乗する馬で、普段の性格は非常におとなしいが、荒ぶると手に負えなくなる。
アーツ:<フロストピラー><タウント><ハイジャンプ><後足攻撃>』
リゲルも4つアーツ持ってたのか。
地面から氷柱を出すのって、このフロストピラーだよな。
【フロストピラー】
『地中から氷の柱を打ち出すアーツ。命中した相手がノックアップ状態になる。一度に複数の対象に撃つことも可能だが、その場合は威力が低下する』
うん。で、タウントはよくある挑発。あとはまあ名前通りか。
ここからまだ成長して、アーツも増えるのかな?
「ショウ。みんなも戻るってよ」
「りょ」
俺が夜は来ないことも伝わってるんだけど、全員いったん戻るらしい。
戦利品もあるし、帰りもみんなでって方が安全だもんな。
***
今日の夕飯はピーマンの肉詰め。
俺も美姫も好きだし、お手軽に作れて野菜も取れるのがいいよな。
「ふむ。では、迷いの森は解放されたのだな」
「と思う」
俺がそのアナウンスを聞くのが初めてだった話をすると、美姫が知ってることを教えてくれた。
基本的にそういうアナウンスが出るのは未開地エリアで、エリアボス的な存在が居た場合らしい。
「ふーん。そういえば、俺が倒したレッドアーマーベアって本土でも出たのか?」
「出ておるようだが少なくとも我は遭遇しておらんのう。ちなみに、今まで解放されたエリアは……」
美姫の話だと、けっこうな場所でエリア解放があったらしい。
ナットたちのいる王国の南西部もそのうちの一つなんだとか。
「そういうエリアって何かかわるのか?」
「うむ。以後は一定周期でエリアボスがポップするが、弱体化した個体になるようでの。後発となったプレイヤーもその先へと進みやすくなっておる」
「なるほど。じゃあ、あの迷いの森も先に行きやすくなるのか」
それで今日一緒に来てくれた人たちも、それがあったから安心だったのかな。
「だが、迷いの森を抜けるには、キジムナーの手助けが必要ではあろう」
「だな。結局、迷う原因のウィザーレーシーがまた出てくるなら、キジムナーが一緒に居ないと厳しいと思う」
一応、ガジュたちには、今日パーティを組んだ人たちは次も手伝ってあげてほしいと伝えてある。
「ふむ。今後もキジムナーが認めれば、パーティに加わっても良いのではないか? 都度、兄上にお伺いを立てるわけにもいくまい」
それはそうなんだよな。っていうか、俺がガジュたちを縛るのもよくないし、そもそも善悪を見極める目を持ってるわけだし。
「そうだな。ガジュと話して、信頼できるパーティなら積極的に参加してもらうことにするか」
「うむうむ」
………
……
…
昼にあったことをベル部長にもさくっと説明。
前置きは省いて、森に入ってから何があったかを話す。
「そう! 良かったわ。これでキジムナーちゃんたちも安心かしらね」
「ひとまずですかね。コボルトたちって、多分、あのあたりに集落があると思うんで、それを見つけたかったんですけど……」
「キジムナーを伴えるパーティに調査してもらう方が良かろうて」
そのつもりではいるけど、何か新しい食材とかも見つけたかったなあ。バナナとかパイナップルとかあれば最高なんだけど……
「そういえば兄上。戦利品は何をもらったのだ?」
「ん? ウィザーレーシーの丸太と中サイズの魔石。丸太だけで良かったんだけど、魔石は分割できないから俺にもらってくれって」
「ほほう」
丸太っていっても、足ぐらいの太さで50cmぐらい。
魔石は特に使い道はないけど、まあ、MPを溜めておける予備が増えたってことでよしかな。
キリの良いところまで更新続きます!(๑•̀ㅂ•́)و✧
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