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もふもふと楽しむ無人島のんびり開拓ライフ ~VRMMOでぼっちを満喫するはずが、全プレイヤーに注目されているみたいです~(旧題:Iris Revolution Online)  作者: 紀美野ねこ
碧落一洗

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第567話 トロピカルフルーツの定番は?

「ワフ!」


「「バウ!」」


 ルピの号令で、レダとロイが逃げていくグレイディアを追いかける。

 その首筋には俺が射た矢が刺さっていて、逃げ足もだんだんと鈍くなっていく。

 ほどなくして、


【弓スキルのレベルが上がりました!】

【乗馬スキルのレベルが上がりました!】


 お、久々に弓スキルのレベル上がったな。

 乗馬スキルも上がったのは、リゲルに跨った状態で矢を射たからかな?


「行こうか」


「ブルン」


 ゆっくりとルピたちのところまで行くと、グレイディアを取り囲んでおすわりで待つルピたちが。


「ニャ」


「うん、よろしく」


 シャルたちがさくっと解体してくれたので、ルピたちにご褒美を。

 その間、パーンたちがレッペリンやチャガタケを採集してくれている。

 こうして見ると、俺の島での生活ってかなり妖精たちに支えられてるよなあ。


「リュリュ」


「お、さんきゅ」


 持ちきれなくなったチャガタケを荷袋へと。

 リゲルが運んでくれるのもあって、一回の狩猟採集でずいぶんたくさん取れるようになった。

 フェアリーズもミオンが屋敷の裏手に花壇を増やしてくれたから、花蜜もたくさん集まるようになったし。


「うーん、パーンやシャルたちは、同じ妖精仲間が増えた方が嬉しい?」


「リュ?」「ニャ?」


 俺の問いかけに首を傾げる二人。不思議そうなその表情は……いまいち理解してない感じなのかな。

 まあ、あとでスウィーにも聞いてみるか……


「ワフ」「ブルルン」


「うん、行こうか」


 南西の森を抜けて海岸へと。塩作りの合間にみんなと遊ぶ。

 ルピ、レダ、ロイがお気に入りのフライングディスクだけど、今回はケット・シーたちも訓練の一環ってことで参戦。


「ニャニャ!」


「「「ナ〜」」」


 さすがにシャルが貫禄を見せて、若い子たちに感心されたり。

 ちなみにパーンたちはそっちよりも塩作りの方に興味津々。


 そのまま南側をぐるっと、洞窟の入り口に到着。

 久々の長距離の散歩でルピやリゲルたちも満足そう。


「こんなとこかな?」


「リュ」「ニャ〜」


 グレイディアも狩ったし、塩も作ったし、パプの実も収穫したし、フラワートラウトも捕まえたしで、食材はしばらくは大丈夫かな。


『ショウ君、いいですか?』


「ん、どうかした?」


『エメラルディアさんがそろそろ到着するそうです』


「あ、やべ!」


 翡翠の女神の木像を運んでもらうんだった!

 あと、どうやらとろとろ干しパプが足りなくなったので、追加が欲しいらしい。そっちはまあ、ちょうど良かったっていうべきなのかな。

 時間は午後9時半すぎ。ちょっとインゴットの仕込みと、鉱石を掘ろうと思ってたのはどうするか……


「ミオン。俺はちょっと遅れるけど、パプの実を持ったシャルたちが先に帰るから」


『はぃ』


「ワフ?」


「シャル、パーン。悪いけど、荷物持って先に帰っておいてくれる? 俺、ちょっと採掘と鍛治の下準備してから戻るよ」


「ニャ!」「リュ!」


「ルピとリゲルも頼んだよ」


「ワフ」「ブルルン」


 優秀すぎるうちの子たちに後は任せて、まずはインゴットを仕掛けるか。

 採掘は30分弱やって10時すぎに戻れば、とろとろ干しパプを作る時間は十分あるよな。


 ………

 ……

 …


「ただいま」


「おかえりなさい」


「おかえり〜」「〜〜〜♪」


 出迎えてくれたミオンたちの後ろには、エルさんとエメラルディアさんも。

 ギルド通話で連絡があってから、ほぼ最速で来たっぽい。


「あー、ごめんなさい。今から作るんで、ちょっと待ってもらえると」


「大丈夫です。私が作ってましたから」


「ああ、さんきゅ」


 素材は同じだから、ミオンが作っても大丈夫だよな。

 一応、俺の方が素材加工と料理スキルが高いし、製菓マスタリーもあるから、微妙に味の差はあるかもだけど。


「アルテナちゃんやスウィーちゃんが味見してくれました」


「なるほど。美味しかった?」


「おいしかった〜!」「〜〜〜♪」


 そう答える白竜姫様とスウィー。エメラルディアさんも無言でうんうんと頷いてくれている。

 乾燥させる具合にちょっとコツが必要だけど、ミオンはすぐ覚えちゃったもんな。


「そういえば、向こうで困ってることとかないですか?」


「ぇ? ぁ、ぅ……」


 急に聞かれてびっくりした様子のエメラルディアさんだったけど、食べていたクッキーをしっかりと飲み込んでから答えてくれた。


「キジムナー、みんな優しいから、大丈夫。食べ物も美味しいけど、甘い物の種類少ない、ぐらい」


「あー、確かにアームラぐらいか。アレケスの実もちょっと加工しないと薄いスポドリって感じだったし」


「向こうで加工はできませんか?」


「手動のフードプロセッサーを作るのがいいのかな。あの魔導具のフードプロセッサーがあれば楽なんだけどね」


 試作してみるかなあ。あ、いや、待て。


「本土で調理道具作ってる人、いそうじゃない?」


「ぁ」


 次のライブででも聞いてみるかな。

 先にベル部長に相談した方がいいか。なんなら、もう持ってそうな気がするし。


「あとは他に何か果物とかみつかればいいんだけどなあ」


「そうですね。バナナとかあるといいんですが」


「あー、バナナいいなあ。いろんなデザート作れそうだし」


 バナナケーキ、バナナオムレット、キャラメルバナナ。

 シンプルに焼きバナナとかでもいいな。チョコがあればもっといろいろ作れるよなあ……


「ん?」


 そんな話をすると、ミオン、白竜姫様、スウィー、エメラルディアさんの視線が俺に集まっていて……


「えーっと、あの島って探索とか進んでないのかな?」


「ぁ、どうなんでしょう?」


 南の島が公開されてから、今日で10日ぐらいだっけ?

 まだみんなキジムナーと交流したり、古代遺跡の方に行っちゃってるからかな。

 その辺もベル部長に聞かないとだな。



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― 新着の感想 ―
吐露非狩古鬱 が頭に浮かんだw
トロピカルフルーツというと、マンゴーでしょうけれど、すでに見つかってるし。アームラが。 マンゴー苦手な人もいますよね。私がそうです。 パイナップルとかバナナとかもありそう。探したいね。でも、人の島だし…
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