第555話 離島互助会構想
『エメラルディアさんは、サバナさんの島へ行ってくれたんですよね』
「うん。あっちの島の場所はアージェンタさん知ってたし、エメラルディアさんがエサソンを助けたいって」
まあ、そのサバナさんの島を教えたのは俺、というか、ニーナだけど。
エメラルディアさんがサバナさんとエサソンたちを見つけてくれて、救援に来たプレイヤーと合流できるまで安全を確保してくれてたことも話す。
【ガーレソ】「マジか!」
【マルサン】「うわー、救援行きたかったなー」
【ブリーザー】「ちょっと介入しすぎじゃない?」
【メイケ】「悪魔がいたからですよね」
etcetc...
さすがにコメント欄でも意見が分かれてる。
プレイヤー間の揉め事にNPCの竜族が肩入れしていいのかっていう意見。NPCだって好き嫌いがあって介入して当然って意見。
ただ、悪魔が絡んでた事件だったことを考えると、竜族の介入もおかしくなかったんじゃないかという意見が多いかな。
「そんなところかな。あとは質問あれば」
『はい』
ってことで、滝のように流れていく質問コメントはミオンに任せ、俺は食後のデザートの用意を。
すでにインベントリに用意してあるアイスクリームを取り出すと、白竜姫様たちがわーっと集まってきた。エメラルディアさんもいるし。
「おやつ〜?」
「うん。今日はアイスクリーム。甘くて冷たくて美味しいよ」
以前に豆乳アイスやエクリューミルクで作ったアイスだけど、今回はアンバーナウトのミルクで。ヤコッコの玉子とフェアリーの花蜜も使った贅沢なやつを。
「エルさん。みんなに行き渡るようにお願いします」
「ああ、任せてくれ」
俺の分は後でミオンと食べることにしよう。
「おいし〜♪」「〜〜〜♪」「ぅまぅま」
味見して美味しいのは知ってたけど、みんな満足してくれてるようで何より。
さて、質問の方はどうなったかな?
「じゃ、続きを。そのまま質問コーナーってことで」
『はい、それでは最初の質問です。竜族が介入した理由をもう少し詳しく教えてほしいとのことです』
「うーん。さっき言った、エメラルディアさんがエサソンを助けたいってのも大きいし、あと古代遺跡がまた厄災を引き起こすと困るからっていうのもあるかな」
そう言って白竜姫様を見る。
エルさんにアイスのおかわりをもらって嬉しそうにしている。
【ディション】「あー、厄災を警戒してるのか……」
【リバーブ】「姫様また寝込んじゃうのはいかん!」
【ポーピー】「守りたい、その笑顔」
【トネン】「悪魔絡んでるし、介入して正解だったんだよなー」
etcetc...
「あ、ちなみに、この島の古代遺跡は厄災とは関係ないです。なんで、俺がアージェンタさんから管理を任されてます」
前にライブで話したような気もするけど改めて説明。
マナリサイクルのための施設だけど、今はその機能は全然使ってないし。
『昔は粗大ゴミをマナに変換してたんですよね』
「そうそう。まあ、変換っていうか火口に放り込んで燃やしちゃう感じだけど……」
かなり豪快なリサイクルだけど、この世界には空気と同じぐらいマナが重要なわけだし、重要な施設なのは間違いないかな。
コメント欄は他の古代遺跡はどうなんだって話で盛り上がってるけど、それについてはノーコメントで。本土だったり、他の島だったりするし。
『それでは次の質問です。ワールドクエストの悪魔の目的についての情報はありますか?』
「えーっと、捕まえた悪魔を尋問して得られた情報は聞いてます。奴らは魔晶石を集めてるらしくて。それもできるだけ大きいやつを」
【ミナミルゲ】「あー! 詐欺られたのも魔石とか魔晶石だったって聞いたわ!」
【ディソル】「最終的な目的がわからんなあ」
【コージ】「盗まれた魔晶石を探す依頼あったけど、それか!」
【イズポン】「魔晶石? ナンデ?」
etcetc...
魔晶石がついてる魔導具が盗まれた事件とかもあったそうで、冒険者ギルドで依頼、クエストになってたりするらしい。
ただ、情報が少なく、手間のかかる依頼なので、割と放置されてたりするそうだ。
『魔晶石をどうするつもりなんでしょうか?』
「それに関しては何とも。あ、いや、アージェンタさんがもっと位の高い悪魔を捕まえればとは言ってたかな」
魔晶石がらみの依頼とかをもっとやる必要があるのかも。
ちょっと質問を脱線して、悪魔が魔晶石を狙う方法をいろいろと。
「島の灯台にも大きな魔晶石が設置されてたけど、ああいうのも気をつけた方がいいかもね」
『あ、そうですね』
古代遺跡ってわけじゃないけど、そういう施設は本土にもあるらしい。
帝国にある凱旋門や、共和国にある時計塔も魔晶石が埋め込まれてるんだとか。
「埋め込まれてるなら平気かな?」
『どうでしょう? 無理矢理という可能性も……』
【ムシンコ】「逆に罠はれるかもしれへん!」
【ディアッシュ】「帝都は警備とかしっかりしてるし大丈夫じゃね?」
【ヌクダイ】「死霊都市だけ気をつけててもまずいのか」
【デンガナー】「本土には他の古代遺跡もあるしな!」
etcetc...
そんな話をしてるうちに、
『えっと、時間的に次が最後の質問になりそうです』
「りょ」
そろそろ午後9時半になりそうなので最後の質問に。
『エメラルディアさんは今後、島に住むことになるんでしょうか?』
「本人、本竜はそのつもりでいるけど、アージェンタさん次第かな? 俺はまあ、何かしら手伝ってもらえるならいいかなって」
『どんなお手伝いでしょう?』
「基本的には物資輸送を。島の販売を増やすと運ぶのが大変になるので、それを手伝ってもらおうかなと」
『なるほどです!』
今はエルさんにお願いしてるけど、エメラルディアさんにお願いすれば、そのまま竜の都まで運んでもらえるし、運べる量も多くなるし。
それと、
「これはまだ構想段階なんですけど、島同士で物資のやりとりをできないかなって」
【リーパ】「うおお、マジなん!!!???」
【マスターシェフ】「いいね!」
【デイトロン】「<離島連合構想すばらしい!:10,000円>」
【ブルーシャ】「サバナ島、ベル島あたりは賛成してくれそう!」
etcetc...
連合っていうほど壮大な話じゃなくて、互助会ぐらいでお願いします……









