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もふもふと楽しむ無人島のんびり開拓ライフ ~VRMMOでぼっちを満喫するはずが、全プレイヤーに注目されているみたいです~(旧題:Iris Revolution Online)  作者: 紀美野ねこ
虚実交錯

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第504話 もう一人の古代彩竜

 収録が終わり、また元のホテルまで戻って、駐車場で車を乗り換えた。

 時間は午後4時を回っていて、今日は夕飯をご馳走になることに。多分、どこかお高い店なんだと思う。


「手応えはどうだった?」


「ん。良かった……」


「うむ。ミオン殿の歌を間近で聴くのは初めてだったが、心震わされる歌声であったの」


 普段、ゲームミュージック以外に興味のない美姫が、珍しく聴き入ってたもんな。


 ミオンが今日収録したのは1曲だけ。でも、かなりあれこれ録り直したりしてた。

 これは9月から主要なストリーミング局で流れるCMでも使われるんだとか。要はIROのメインテーマらしい。


 それはともかく、


「雫さん、大丈夫ですか?」


「ええ。大丈夫ですよ……」


 と答えるものの、だいぶお疲れの模様。

 結局、あの後しばらくして、雫さん、ミシャP、六条会長がそろってやってきて、そろって収録の様子を見ることに。

 休憩時間に例のとっておいたマンゴープリンをみんなで食べたりとか、和気藹々だったんだけど。


「会長さん、すごく気さくな方でしたね」


「うむうむ」


 美姫はやたら仲良くなってたし、俺とミオンも孫みたいな扱いで、これいいのかなって感じ。

 ミシャPが「全っ然、気にする必要はないんで」って笑って言ってたからなんだけど、雫さんはめちゃくちゃ気を使ってたっぽい。


「正直言うと、あの方に睨まれると、うちの会社なんて一瞬で無くなるの」


 六条グループって、日本の企業のトップ3の一つだもんなあ。建設、金融、機械、そして、ソフトウェア。

 母さんが出張に行ってる先でも、多分、六条建設グループのどこかとはやり取りしてそうだし。


「そういえば、椿さんはどこにいたんです?」


『私は別室でGMチョコさんとお話をしていました。9月以降のお嬢様のスケジュールについてですね』


 とスピーカー越しに返事が。


「向こうから何か要求があったの?」


『いえ。学業優先をお伝えしておりますし、無理のない範囲で空いている日程があったらとのことです』


「そう。良かったわ」


 相手の方が圧倒的に大きい会社なので、こういうスケジュールでやりたいって言われると……断りづらいだろうなと思う。

 一応、そういう圧力みたいなのも法律で禁止されてるらしいけど、どこからが圧力なのかという線引きもあいまいなわけで。


「でも、秋は結構忙しくなりそうだよな。文化祭もあるし」


「ん」


 美杜の文化祭、かなりのお祭り騒ぎになるって話だけど、うちの部って何かするのかな……


 ***


 夕飯(回らないお寿司)をご馳走(経費)になって帰宅。

 お茶を飲んで一息ついたところで、バーチャル部室にログイン。

 ミオンはともかく、ベル部長も待ってたみたいで、


「む?」


「何かありました?」


「ええ、昨日、シーズンさんとマリーさんから聞いた件ね」


「ああ! って、それで何か?」


 新しくNPCエルフと交流するって話で、セスを待ってたのかなと思ったら、


「マリーさんたち、さらに南へ向かうらしいのだけれど、その方向に飛んでいったドラゴンを見たって話があるのよ」


「『え?』」


 驚く俺たちに対して、


「それは我々が知っておるドラゴンか?」


「わからないわ。ただ、アージェンタさんではないそうよ。PVでも登場しているから見間違いということもなさそうなの」


 あと、バーミリオンさんも、以前に山越えしてきた連中をポイっとした時の動画があるそうで、やっぱり違うんじゃないかという話。


「アズール殿の可能性も低そうよの。死霊都市におるか、南の島におるか、兄上の島におるかであろうし」


「そうだろうなあ」


 あとは白竜姫様だけど……、ありえないよな。


『ショウ君から聞いてみて欲しいということでしょうか?』


「そうね。無理にとは言わないけど、マリーさんとシーズンさんが心配だもの」


「りょっす。ちょうど手紙の返事が返ってきそうなんで」


 こっちの準備はできたけど、向こうも準備が必要だろうし、しばらく先なら、そのうちに北側へ行きたいところ。

 返ってきてなかったら、ギルドカードで連絡でいいかな。


 ………

 ……

 …


「ぁ、返事が来てます」


 ミオンが魔導転送箱を開けて、中から手紙を取り出すと、そのまま渡してくれる。

 律儀だなあと思いつつ目を通すと、


「俺たちの都合がいい時に、ギルドカードで話したいって。どうしよう?」


「私は大丈夫ですけど、ルピちゃんたちとご飯の後の方がいいかと」


「そうだね。じゃ、ご飯にしてからにしようか」


 ローストボアのサンドイッチにしようかな。

 魔導保存箱を見ると、パーンたちが作ってくれた野菜が入っていたのと、シャルたちが集めてくれた玉子もあったので、目玉焼きを追加で。

 スウィーたちにはライコス(トマト)の砂糖漬けを。


「あ、白竜姫様が来るなら、魔導保存箱を大きいのに変えてもらおうかと思うんだけど、お願いしていいものかな?」


「いいと思いますよ。アルテナちゃん、たくさん食べますからね」


 じゃ、連絡ついでにお願いしておこうかな。

 みんなで食べてごちそうさまをしたところで、アージェンタさんに連絡しないと。


「もしもし。アージェンタさんいますか?」


『ショウ様。連絡ありがとうございます。お手紙で頂いた件も含め、いろいろとありまして、少し長くなりますが説明してよろしいでしょうか?』


「はい。お願いします」


 隣でミオンもうんうんと頷いてくれている。

 肩ではスウィーがドライグレイプルを食べてて、どうやら会話を聞きたいっぽい。


『まずはルピ様の像ですが、本日、エルが地下の転送室に伺いますので、そこでお渡しいただけますか?』


「助かります」


 いったん、竜族で預かって、後日、アズールさんが運んでくれるとのこと。

 依頼者さんへの引き渡しはゲイラさんたち竜人族がやってくれるので、あとはお任せっていう……追加のお酒を渡そう。


『お姫様(ひいさま)がお伺いする件なのですが、こちらで少々問題が起きておりまして……』


「問題?」


『それが……、翠竜エメラルディアが目覚めたという報告が来ております』


 あー、それってベル部長が言ってた、南の方で見かけたドラゴン?

 ミオンも頷いていて、


「えーっと、聞いた話なんですけど……」


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