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第441話 感謝の気持ちを伝えたい

 夜。

 ベル部長も交えて、改めて死霊都市の出張所の状況を確認。


「出張所を取り仕切っているゲイラさんと、うちのギルドメンバーとの顔合わせも終えてるわよ。バッカスさんがピアノ修理班リーダーとして仕切ってくれるから問題ないと思うわ」


『良かったですね』


「ホント、助かります」


 明日から合宿ってことで、今日は早めにログアウトの予定だけど、その合宿に合わせて南の島の探索を予定してるので、アズールさんに連絡を取らないと。


「さて、そろそろかの」


「そうね。あとは任せてもらっていいわよ。それよりも……」


「ログインしたら、すぐに連絡取りますよ」


 ベル部長とセスは今日のライブに専念。

 で、合宿初日の明日。俺が死霊都市と繋がってる転移魔法陣を持って南の島へと移動し、それを設置したら転移してきてもらう予定……


「うむうむ。頼むぞ、兄上」


「じゃ、俺たちも行こうか」


『はい』


 ………

 ……

 …


「アズールさんに連絡するよ」


「はぃ」


 というわけで、ログインしてさっそく連絡を。

 ミオンには持って帰る食材なんかを集めてもらっている。

 セルキーたちが張り切りすぎてるし、なんかいつの間にかお酒も増えてるけど……贈り先も増えたのでいいかな。


「アズールさん。今、大丈夫ですか?」


『あ、ショウ君。大丈夫だよ』


「えーっと、依頼の件を任せっぱなしにしちゃってましたし、いろいろとお手数掛けちゃってるみたいでホントすいません。ありがとうございます」


 まずは任せっぱなしにした件、ちゃんとお礼を言わないと。


『あはは。そこは信頼してくれてるんだなって思ってたし、現地にいないからしょうがないよ。何かあって判断つかない時は連絡するから、気にしないでいいよー』


 ゲイラさんたちが張り切ってくれたので特に問題もなく、受付も今はもう落ち着いてて、どっちかというと抽選タイムに向けて人が集まりつつあるらしい。

 ベル部長にもそのあたりは聞いてあったけど、アズールさんにも問題なさそうなのを確認した。

 で、そっちはそれで良いとして、


「えっと、南の島に探索に行く話なんですけど、明日のこのぐらいの時間でどうですか?」


 前もって話してはあったので、あとは日程の話だけのはず。


『おっ、やった! もちろんオッケーだよ!』


 アズールさんは準備万端でいつでも、というか、早く行きたいっていう雰囲気が伝わってくる。

 ベル部長とセスも同行する話をして、2人ともすでに面識はあるんだけど、ちゃんと説明しておく。


『じゃ、連絡があったら、2人と一緒に行けばいいんだね?』


「はい。もしいない場合は、特に待たなくてもいいんで」


 無いとは思うけど、ベル部長やセスが現れなかった場合は、待たなくていいと言われてるし。


『うんうん、りょうかーい。連絡待ってるねー』


「はい。じゃ、また明日。……ふう」


 ギルド通話を終えると、


「お疲れ様です。準備終わりました」


「さんきゅ。じゃ、スウィーとシャルたちは荷運びの方をお願い」


「〜〜〜♪」「ニャ!」


 神樹の樹洞(うろ)を使ったケット・シー便をお願いして、俺とミオン、ルピたちは展望台コースで帰ることに。

 途中で水の精霊石をゲットして、屋敷まで戻れればオッケーなので、のんびりピクニック気分かな。


「また来ますね」


「「「キュ〜♪」」」


 セルキーたちともすっかり仲良くなってるミオン。

 トゥルーは何故か俺に懐いてるんだけど、まあ、それはそれで嬉しいからいいか。


「じゃあ、またね」


「キュ〜♪」


 セルキーたちと別れ、坂道の途中まではスウィーたちとも一緒に。

 カムラスの畑のところでスウィーたちとも別れる。


「じゃ、前に行った水源まで案内お願い」


「ワフ!」


 ルピたちがいるから道に迷うこともないかな。

 俺だけだと、きっと「あれ?」ってなる気がするんだよなあ。


「クルル〜」


 いつもは俺のフードにいるラズだけど、今日はミオンの右肩に。

 スウィーの代わりに、一番近い場所で護衛してくれてるってことかな。

 そういや、この辺はランジボアが……


「ワフッ!」


「っと、ランジボアだ。レダ、ラズ。ミオンのことお願いね」


「バウ!」「クル!」


 ルピとロイが前に出てるところに追いつくと、


「加護を」


「おお、さんきゅ!」


 ミオンの神聖魔法の加護がかかって、これは攻撃力と防御力が上がるんだっけ。あと、アンデッドへの特攻か。


「フゴォォォ!」


「っと」


 円盾でランジボアの突進を止めたところに、すかさずルピがクラッシュクロー。って、なんか吹っ飛んでいったんだけど……


「ガウ!」


 で、ロイがすかさず喉笛をガブっとやってトドメ。

 剣鉈を振る必要もなく終わってしまった。


「うん。周りにモンスターはいないし、解体しちゃおうか」


「ぁ、やります」


 俺がと思ったけど、ミオンの解体スキルを上げるなら任せた方がいいんだった。

 さっきの戦闘でキャラレベルも上がったみたいだし、IROってパワーレベリングかなりできるっぽいんだよな。

 まあ、キャラレベルよりはスキルレベルの方が重要ってことなんだろうけど。


「終わりました」


「さんきゅ」


 皮は素材加工が必要だけど、そのままミオンに渡して、いろいろ作ってもらおう。それ以外の魔石とか肉とか骨とか牙とかは俺のインベントリへ。

 ミオンが加わって、持ち運べる量が増えたのも地味に助かってるんだよな。


「じゃ、進もうか。ルピたちのご褒美は水源についてからな」


「ワフン!」


 少し進んだところで見つけた小川を上流へと辿って行くと、スウィーが水の精霊石を作ってくれた場所に到着。


「えっと……」


「これを。あとルピちゃんたちのおやつを用意します」


「あ、お願い」


 ミオンから極小の魔晶石を受け取って、代わりにランジボアの肉の塊を渡す。

 料理のスキルもあるから大丈夫だよな? リアルでも包丁の使い方が下手とかいうこともなかったし、単にお嬢様だからやったことなかっただけだろうし。

 というか、周りに料理できる人がいなかったから? 雫さんもやってなさそうだしなあ。


「この辺だったかな」


 水源からちょろちょろと溢れる水の中へと魔晶石を置くと、程なくしてその色が薄く青く染まっていく。


「こんなところか」


 色味が落ち着いたところで拾い上げて鑑定。

 無事、水の精霊石になってほっとする。


「ミオン、できたよ」


「ぁ、はぃ」


 ルピたちが食べてるランジボアの肉、俺が切り分けるよりずっと分厚いのは、やっぱりミオンがお嬢様だからなのかな……


 ………

 ……

 …


「ニャ!」


「さんきゅ」


 神樹の樹洞(うろ)経由でのケット・シー便は、いったん山小屋隣の蔵へと運び込んでもらっている。


「じゃ、俺はお酒を下に置いてくるから、果物とかお願いしていい?」


「はぃ」


 ミオンとシャルたちにそっちをお願いして、俺はグレイプルワインの樽を大型転送室へと運ぶ。

 お酒の類は出張所を切り盛りしてくれてるゲイラさんたちのためにも増やしていった方がいいかな?


【更新履歴】

11/3 第440話 順風満帆 〜 本話まで


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― 新着の感想 ―
[一言] おかえりなさい( *´艸`)
[一言] お帰りなさい。 待っていました。 >神樹の樹洞を使ったケット・シー便 スウィーと別行動で使ってしまっていますが、居なくても通れましたっけ?
[一言] おかえりなさい。今後もお大事に!
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