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第409話 銀猫シャルの宅配便

土曜日

 土曜日、ミオンはボイストレーニングの日なので完全ソロ。

 とはいえ、夜はライブなので、そのための準備をやっておかないと。


「じゃ、あとは任せたよ」


「〜〜〜♪」「リュ」「ニャ!」


 教会裏から崖を上がってウリシュクの里に来ている。

 スウィーに妖精の道を繋いでもらい、パーンたちが作った作物と、トゥルーたちが獲った魚の干物の交換を。

 一度に運べる量は多くないけれど、シャルたちに往復をお願いする銀猫便。これで、俺が不在でもスウィーがいればやり取りできるようになる。


「合宿はIROできそうだけど、じいちゃん家に帰省した時がなあ……」


「ワフ?」


「ん、俺たちは別行動だし、そろそろ行こうか」


 今日のライブは、小型魔導艇で島の北端を様子見に。で、帰りにギルド設立の件を話す感じで考えている。

 昼のうちに港まで移動しておかないとだけど、時間はあるので山道ルートで。

 途中でブルーガリスを採集し、オパールの洞窟(?)を通る方で行ってみようかなと。


「あれ? ラズ〜?」


「クルル〜」


 神樹で仲間たちとおしゃべりしてたラズが降りてきて、フードの中へと収まる。

 今日のメンバーは俺とルピ、レダ、ロイ、ラズのもふもふチーム。


「じゃ、また後でね」


「〜〜〜♪」「リュ〜」「ニャ〜」


 ………

 ……

 …


 展望台に出てレダとロイの家族と合流。

 お祈りをしてから、久々の山歩き。

 ブルーガリスやシルビナの実を採集しつつ、大きなランジボアもゲット。

 空砂糖作りは後回しにして、


「確かこの辺だったような……」


「ワフ!」


 2mほど先、山道の右側にある不自然な石畳をルピが見つけてくれた。

 オパールの洞窟へはこの方向に進めばいけるはず。けど、自信がないので、


「ごめん。案内お願い」


「「バウ」」


 レダ、ロイ、ドラブウルフたちに案内を任せてついていく。

 パーンがざっくりと草刈りしてくれてたのに、もうぼうぼうになっちゃってるし。


「バウ」


「お、あれか。さんきゅ!」


 洞窟の入り口に付近にはびこってた根っこはさすがに復活してないな。っと、スウィーがいないから、俺があかりを出さないと。


「じゃ、今日はここで。ありがとな」


 護衛に来てくれたドラブウルフたち、レダとロイの家族をしっかりと撫でてあげ、ランジボアの肉を分けてあげる。


「あ、そうだ。骨も余ってるけど、どう?」


「「バウ!」」


 すごく嬉しそうな返事が返ってきて、これなら今までも渡しておけば良かったなと。

 肉と骨を咥えて去っていくドラブウルフたちを見送ってから、洞窟へと入る。


「何もいないとは思うけど」


「ワフ」「「バウ」」


 今日はロイが先行し、ルピは俺の側、そしてレダが後ろを警戒しつつのフォーメーション。

 そういえば、オパールの原石もミオンが島に来るまでに加工しないとなあ。

 できれば、ミオンには内緒に……いや、アーカイブでバレちゃうからダメか。


「クルル〜」


「おっと、さんきゅ」


 ラズが選んでくれた採掘ポイントからオパール原石をゲット。

 前よりも小さいけど、遊色があって、品質はしっかり『希少』と書かれているので、まずこれを試しに加工してみるのが良さそう。


「じゃ、一応、一番上も見てから行こうか」


「ワフ」「「バウ」」「クルル〜」


 壁に沿って続く螺旋階段を上り、2階は通り過ぎてさらに上へ。

 屋上の空中庭園に出ると、綺麗な花畑が迎えてくれる。


「例の幻鳥が来てたりしないかなと思ったけど……いないか」


 ルピとレダ、ロイがぐるっと周りを確認してくれるけど、今回は特に気になる場所もなし。

 せっかく来たし、ちゃんと水やりしていくかな。スウィーがいたらそう言いそうだし。


「ワフ」


「うん。行こうか」


 空中庭園を後にし、高台から洞窟へと降りて、セルキーの里の方へと出てきた。

 神樹を経由しての食材のやり取りはもう終わってるのかな? とキョロキョロしていると、


「キュ〜!」


「おっと!」


 神樹の方から走ってきたトゥルーをキャッチ!

 その後ろからスウィーとシャルたちがやってくる。


「配達はもう終わった?」


「ニャン!」


 終わりましたと敬礼のシャル。

 うまく行ったみたいだし、今後はスウィーに一任しちゃっていいかな。


「じゃ、港へ行ってご飯にしようか」


「キュー!」


 ………

 ……

 …


 セルキーたちとのご飯会が終わって、そろそろログアウトする時間。

 夜はライブがあるので夕飯は早めに。支度も早めに。

 で、その前に……


「わかったわかった。でも、この小さな樽の分だけだからね?」


「〜〜〜♪」


 アージェンタさんからもらったレッドマルス。

 トゥルーたちにもお裾分けしたんだけど、それでも少し余ってる分をお酒にしたいと言い出したスウィー。


【魔導醸造器:動作中】

『原材料

 ・レッドマルス

 醸造メニュー

 ・レッドシードル……所要時間:1時間

 ・レッドビネガー……所要時間:1時間30分』


「お、シードルってりんご酒のことだったよな。じゃ、これでっと」


 レッドビネガーは多分リンゴ酢。

 そっちも興味あるんだけど、今日のところはスウィーのわがままを聞いてあげよう。


「〜〜〜?」


「あー、あのバーボンは好評だったみたいだし、贈り物用には最適かも?」


 手紙にはピアノをドワーフに見せるって書いてあったし、そっちへのお礼に追加を送るのもありか。


「〜〜〜♪」


「そうだね。コハクとかレグコーンは余った分をお酒にしてもいいか」


 レグコーンはバーボンになったから、コハクから作ったらウイスキー?

 アージェンタさんが喜んでたし、バーミリオンさんやアズールさんも欲しがるだろうからなあ。

 あ、あと、ゲイラさんとか竜人族にも贈りたい。死霊都市でお世話になってるし。


「〜〜〜?」


「あれはダメ。っていうか、もったいないよ。フェアリーの蜜を使うんだったら、デザートに使う方がみんなも食べられるでしょ」


 フェアリーズが採集してくれる妖精の蜜。お酒にするのはもったいないので却下。

 というか、あれをバーミリオンさんに飲ませるのは……うん、ないな。


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