第383話 確認しておくこといろいろ
合宿の詳細については、火曜日ということになった。
一応、まだ部活しちゃいけないことになってるのと、ヤタ先生からも注意事項とかがあるらしいので。
「ワフ!」
「ルピ、おはよう。今日からはたくさん遊べるぞ」
「ワフ〜」
テスト期間中は溜まってた地味なタスクをこなしてたりもあって、あんまり遊んでやれなかったもんな。その前にミオンへの限定配信を開始。
『ショウ君、ルピちゃん、こんにちは』
「ようこそミオン」
「ワフ!」
時間は午後の3時前。
夕飯の支度を始めるまで2時間ほどあるし、まずは……
「ニーナ。何か変わったことあった?」
[いいえ。報告すべきことはありません]
頑張って山小屋まで魔導線を引いた甲斐があった感じ。
これで地下の大型転移室に誰か来てもすぐわかるし、採掘場の鉱石の様子も聞くことができるし、何より、
「シャルとケット・シーたちは元気にしてる?」
[はい。現在は家畜の世話の手伝いなどをしております]
うんうん。
しっかり島に馴染んでくれてるみたいで良かった。
『ショウ君。日曜の収録のことなんですけど』
「あ、うん。えっと、時間とかどういう感じ?」
『時間はいつも通りで大丈夫です』
外へ出るとレダとロイがお出迎え。
ミオンにスケジュールの説明をしてもらいつつ、まずはご飯を作ろう。
『帰宅してから朗読の台本と歌のデータを受け取りました』
「おおー、って明後日だよね? 大丈夫そう?」
『はい。明日、ボイストレーニングもありますから』
その台本とかは先週の段階で来てたらしいんだけど、椿さんの方で止めてたらしい。
「よし。熱いから気をつけてな」
「ワフ〜」「「バウ」」
今日のご飯は燻製肉と野菜を鶏ガラスープで煮込んだもの。
テスト期間中に料理マスタリーのスキルが上がって、工芸と同じような複製アーツ<量産>が使えるようになった。
材料が揃ってれば、一度作った料理はサクッと人数分用意できるようになったので、さっと食べたい時がすごく楽になった。
「あ、そうだ。テスト終わったら20BP余ってるのをステータスに振ろうと思ってたんだった」
『今ってキャラレベルは17ですよね?』
「うん。まあ、この島でのんびりする分にはこれぐらいで十分だけどね」
スキルもたくさん取ってて、正直、全部あげる暇がないんだけど……それはそれで。
とりあえず、またSTR、DEX、AGI、INT、VITに2ポイントずつ振っておこう。
『ショウ君。今のステータスとスキルを見せてもらっていいですか?』
「うん」
ミオンに見せるなら、隠密スキルの隠蔽を外しておくか。
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Name:ショウ Lv.17
HP:432 MP:430
STR:52 DEX:50 AGI:42
INT:38 VIT:38 LUK:10
元素魔法:9 短剣:MAX 解体:8
鑑定:MAX 投擲:7 木工:MAX
石工:7 気配感知:MAX 気配遮断:9
応急手当:2 調薬:7 採集:8
料理:MAX 調教:MAX 罠作成:7
罠設置・解除:7 罠発見:3
陶工:5 素材加工:8 裁縫:8
弓:5 鍛治:MAX 採掘:7 細工:9
精霊魔法:9 斧:5 伐採:6
水泳:5 潜水:5 大工:6
農耕:5 園芸:5 動物学:5
基礎魔法学:6 植物学:5
応用魔法学<地>:9 土木:8
鉱物学:7 盾:5 隠密:7
釣り:3 海洋生物学:5 地図:5
畜産:5 神聖魔法:3 空間魔法:5
応用魔法学<水>:5 工芸(木工):5
演奏:4 魔法解析:3 特殊剣マスタリー:2
真贋:4 錬金術:6 結界魔法:5
重力魔法:6 薬膳マスタリー:5
料理マスタリー:5 製菓マスタリー:5
工芸(鍛治):5
残りSP:18 残りBP:10
島民:117名
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『すごいです!』
「自分でもよくこんなに取ったなって気がするよ……」
テスト期間中に地味に細々といろいろやって上がったスキルもいくつか。
農耕、畜産はパーンたちの畑や家畜の世話の手伝い、園芸はフェアリーズの花壇の整備なんかで。
土木は魔導線の敷設を黙々とやってるうちにアップ。
鉱物学、工芸(木工)、工芸(鍛治)はトゥルーたちのトライデント、パーンたちに新しい農具や工具などなど、シャルたちに細剣と練習用の木剣を作ったおかげで上がってる。
こっちも工芸(鍛治)のアーツ<自作複製>が役に立ってくれた。
海洋生物学、応用魔法学<水>、空間魔法は雨の日の読書で5に。
地図はオパール鉱石があった洞窟や、トゥルーたちの里、屋敷とその周りとか、あらためて島の地図を作り直したおかげかな。
意図せず上がったのは神聖魔法で、これは手持ちの魔石に浄化をかけてたから。
料理系は意図せずっていうのとはちょっと違うけど、まあ、いつもやってることなので、それに応じてアップした感じ。
『隠密スキルのレベルが上がってますが、スキルを隠す以外のことは増えてないんでしょうか?』
「あ……」
最初に読んだ後に全然チェックしてなかった。
えっと、隠密スキルの説明を……
【隠密】
『自身の存在や情報を隠蔽するスキル。同レベル以上の看破スキルで無効化される。
Lv1:スキル隠蔽。Lv3:基礎ステータス隠蔽。Lv5:キャラレベル隠蔽。
Lv7:現在HP・MP隠蔽。※名前をダブルタップで全解除』
「うわ、増えてた!」
『でも、普通の人が隠すメリットってなんでしょう? ショウ君の場合はライブで隠せるメリットだけですよね?』
「この説明だと『看破』ってスキルがあるっぽいし、それだと相手のスキルとかステータスとか丸見えになるんじゃないかな」
『なるほどです』
「まあ、それを隠す意味って? って話だけどね」
ベル部長やセスなんかは装備を見れば、純魔とかメイン盾とかわかるからなあ。
何かしら奥の手っぽいスキルを看破できるのは強いかも? あとHP・MPあたりはバレるとやばい可能性はあるか。
『設定し直しておきますか?』
「うん。隠密は隠しておきたいかな。後は真贋もしばらく隠しておくよ」
ミオンを迎えに行く時に使いそうな隠密は隠すとして、真贋はどうやって鑑定を限界突破したか話すと、アズールさん、いや、アージェンタさんが大変なことになりそうなので……
「〜〜〜♪」「クル〜♪」「「「〜〜〜♪」」」
「お、いらっしゃい」
さて、今日は保留してた屋敷の蔵の中身を見よう。
他に何があるかちゃんと確認しないとだよな。