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7話 属性

 

「早速ですが、適性検査の説明を始めたいと思います。方法としては私が今持っている石版に手を添えて頂きます。この石版には特殊な魔法陣が記してあり、少しの魔力を注ぐ事であなた方の属性が色として現れます。赤色であれば火、青色であれば水、茶色であれば地、黄色であれば風、金色であれば光、黒色であれば闇となります」



 祭壇に石版を置き、神父様が手を添え魔力を注ぐ。そうすれば天窓から指した光と重なり黄色い柱が出来た。



「このようにして属性がわかります。現れる色は一つとは限りません。複数の属性を持つことも有り得ます」



 簡単に淡々と説明をし、では、呼ばれたら方から前の方へ、と神父様が話を締めくくった。



 爵位の高い人から進むようで最初に呼ばれたのは第二王子だった。

 プラチナブロンドの髪を後ろに束ねタンザナイトを思わせる青色の瞳が神秘的な雰囲気を醸し出している。台に乗り、石版に手を添える。すると、金色と赤色が現れる。第二王子の属性は光と火らしい。


 次に呼ばれたのはアバクイル様だった。どこか怯えた様子で祭壇の前まで行く。不思議に思いながら眺めていると、黒色と青色のが現れた。アバクイル様の属性は闇と水か。闇魔法はどんな魔法が使えるのか考えていると隣にアバクイル様が戻ってきた。隣に座りながら感じる鬱々とした雰囲気にこの短時間で何があったのかと首を傾げる。



 何かあったのか尋ねようとした所で私の名前が呼ばれる。

 順番が回ってきた嬉しさとアバクイル様の様子が気になり何とも言えない気持ちになる。だが、呼ばれのに待たせる訳にはいかない、と祭壇の前まで進む。

 そして、台に登り石版に手を添え魔力を注ぐ。

 魔力を注ぐ事は日常生活でもあるため失敗することは無い。石版からは青色と黄色が現れた。水と、風ね。

 台から降りて席に戻る途中、リリィとすれ違う。緊張しているようで表情が硬い。

 リリィに向かって微笑むと少し表情が和らぐ。リリィは何の属性かな、違う属性でも同じ属性でもきっと楽しい。



 私が席に着いたと同時にリリィの色が現れる。金色と茶色、とゆうことは光と地だ。台から降り、戻ってくるリリィの表情が暗い。アバクイル様といいリリィといいこの短時間で何が起きたの?両隣の様子が気になったものの、二人とも俯いて話しかけれる様子ではない。落ち込む要素などないように感じるが、違ったのだろうか。


 その間にも順調に適性検査は進んでいく。


 待つ間他の人の検査を見続ける事に飽きた為、教会の中を観察する。

 観察していると、天井はドーム型になっていて中央に大きなシャンデリアがあることに気づく。

 ステンドグラスに目を奪われて全然目に入らなかった。


 教会の中を十分観察し終えた頃最後の人が呼ばれた。

 呼ばれた人に目を向ければ、アプリコットベージュの髪色にマリガーネットの色の瞳が視線を奪う。

 とても可愛らしい顔立ちの子で思わず見惚れる。どうしてか目が離せなく、じっと見ていると、突如彼女が石版に手を添えた途端、目の前が眩しくなる。

 目も開けられないほどの光に周りからは悲鳴が上がる。

 やっと、光が落ち着き目を開ければ驚きの光景が目に映る。先程、見ていた人物の髪色が透けるような白髪に変化していたのだ。その変化に唖然としてしまう。

 適性検査の事は本で読んでいたけれど、髪色が変わるなんてことは表記されていなかった。ましてやあの強い光はなんなのか。

 辺りが騒然としている中、神父様の一声で適性検査の終了が知らされた。それから帰るように半場強制的に促される。教会側は慌ただしそうに走り回っており、なにか予期せぬ事が起きたのは明らかだ。

 

  その後は、他の子達と交流もアバクイル様にまともな挨拶も出来ずに帰宅を余儀なくされた。





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