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5話 適性検査

 

 リリィの熱が下がって数日後、今日は待ちに待った適性検査の日。雲一つない青空は今日という日を歓迎しているかのようだ。



 リリィの体調も戻り、あれ以降熱が出たり、倒れたりする様子もなく元気に過ごしている。

 まぁ、少し元気すぎる気もするけど。


 リリィがベットから出る許可と共に、淑女教育と魔法教育が再会した。

 淑女教育はまだまだ怒られる事も多いけど褒められる事も少しづつではあるが増えてきた。

 魔法教育では、まだ適性検査を受けていないため座学の勉強しかしていないものの学べば学ぶほど魔法についての興味がそそられる。



 リリィが魔法に興味を持ったのは本当の様で、あれから魔法についての話をお互いするようになった。二人でどの属性なのか予想するのは、とても楽しかったし、属性が分かれば簡単な魔法が使える。



 今日が楽しみすぎて、昨日はあまり眠れなかったため、今にも瞼が落ちそう。ソファーにリリィと一緒に腰掛けながらお父様とお母様が来るのを待つ。座っていることによって余計に眠気が増長し、欠伸が出そうになる。




「エリィ、リリィそろそろ行こうか?心の準備は出来てるかい?」




 欠伸を噛み殺し、声のした方を見る。

 目線の先には、手招きしているお父様と微笑むお母様がいる。その姿を見たリリィと私は、お互いを確認したあと頷いてお父様に駆け寄る。



「お父様、準備はとっくの昔にできてますわ!」



 そう言うと隣でリリィが何度も頷く。



「ふふふ、楽しみで仕方ないのね」



「お母様も一緒に行ってくださるの?」



 リリィが尋ねれば、そうよ、と微笑んでくれる。久しぶりの家族のお出かけに私もリリィも嬉しくて思わず抱き合ってしまった。

 その様子にお父様もお母様も嬉しそうに顔を見合わせ笑いあっている。



「旦那様、そろそろお時間が迫っております」



 執事長のセバルスの一声でお父様が時計で時間を確認し、私達を馬車へと促す。

 馬車に乗り込み、動き出した馬車の窓から王都の街並みを覗く。

 昼過ぎだからか人の動きが活発だ。談笑しながら歩いている冒険者や、慌ただしそうに駆けている商人らしき人。楽しそうに手を繋ぎながら買い物をしている兄弟。店先で楽しそうにお話をしている女性達。

 その様々な情景は窓柄越しに人の賑わいを感じさせた。



 私達の住まうヴェルシア王国。大国では無いものの精霊との共存により、平和が象徴されている国である。

 精霊の加護のもとに繁栄し続けているこの国は他国からも脅威であり攻め入ることは困難だ。

 そのため周りの国との友好な関係を築けており、様々な物が王都に溢れている。



 今から向かう場所はヴェルシア王国で一番大きい教会だ。

 精霊王を祀っていると有名な教会で、教会に踏み入れてすぐ、目に映るステンドグラスで表現された精霊王の姿が有名だ。



 外の様子を眺めたり、お父様達と話していると馬車が止まる。



「着いたみたいだね」



 お父様が馬車の外を確認し、そう呟く。



「エリィ、リリィ。今日は貴方達にとってきっと特別な日になるわ」



 お母様の言葉に高揚感を得る。



 馬車を降りれば暖かい風が頬を撫でる。

 色とりどりの花に囲まれ、それを覆うように高い塀に囲まれている教会は白を基調とし、外から見ても壮大だ。



 その幻想的な光景に胸が高鳴り、少しの不安を覚えた。

 その不安を打ち消すように顔を上げ、淑女教育で習った通りに姿勢を正し、待ちに待った適性検査を受けるため一歩を踏み出した。

神殿→教会に変更してます。

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