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98 使い魔覚醒

 自信を持って策があると言うベルの口から飛び出したのは、なかなか無茶な話だった。


「テイマーというのは、使い魔を覚醒させる力がある」

「覚醒……キュルケの存在進化みたいなもんか……?」

「いや、それよりも一段レベルがあがる」

「レベルが……?」


 どういうことかわからないという顔をしているとしっかり説明を加えてくれた。


「ご主人がカゲロウを憑依させられるのはカゲロウが精霊体だからだ。そして通常、精霊体は普通の魔物より遥かに強い」

「それはそうだろうな……」


 だが、これだけで今の状況が打開できるとは思えなかった。

 キュルケやギルが精霊体に覚醒したとしても、正直、目の前に現れようとしているグランドエルフへ対抗できる戦力になるとは思えないからだ。


「ご主人。ここにいるものらは全員、ご主人の使い魔であろうが」

「なっ!? まさか……」

「そしてもう一つ、一人覚醒したところで、あれには勝てん」

「それじゃあ……」


 まさかとは思うがここにいる全員が覚醒するようにとか言い出すのだろうか……。とてもじゃないがそんなこと、できる気がしない。


「別に全員を覚醒させられるならそれでも良いが……精霊憑依の本領を発揮すれば一人精霊化できればそれで事足りるだろうな」

「精霊憑依の本領……?」

「ご主人とカゲロウの精霊憑依はようやく形になったところ。だがまだまだ、カゲロウ本体が戦ったほうが役に立つという状況からそう大きく発展できておらんだろう」

「そうだな……」


 実際未だにそうしたほうがいいと思う面もある。

 カゲロウの力のうちようやく八割ほどを使いこなせるようになったところ。俺の力が合わさって、一応はカゲロウ単体のときよりは強くなったのではないか、というのが今の状況だ。


「本来の精霊憑依であれば、二つの力は完全に混ざり合い、場合によっては二者の持つ力の総量よりも大きくなる」


 なるほど……。

 なんとなく話が見えてきた。


「要するに、誰か一人、精霊化してもらった上で、俺が精霊憑依を完璧にできるようになればいいと……」


 言ってはみたがあまりに途方も無い話にめまいすら覚えるレベルだ。

 いまできないことを二つ、同時にやろうというのだから。


「逆に言うと……それができないとこの状況は打破できないってことか……」

「さすがはご主人。そういうことだな」

「あっ! じゃあ私精霊になりたい!」

「ビレナは多分この中で一番精霊化に遠いですよ……」

「えー」


 ビレナのやる気は嬉しいんだがリリィの口ぶりからすれば今回適役がいるということになるな。


「覚醒の内容を精霊化と置くなら、おそらく神格化される龍であるアオイ、そして伝承レベルの力を持つ悪魔のベル、ついでギリギリのところに、天使化した私やエルフであるティエラでしょうね」

「なるほど……」

「というわけだ。ご主人」


 ベルはやる気満々。

 本人がやる気ならそれが一番か。


「待ってくだされ。できればその役目、私に」

「ふむ……良いのか?」

「無論。覚悟の上にございます」


 アオイが名乗りを上げ、ベルが意味深な返答をした。


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