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脱法テイマーの成り上がり冒険譚 ~Sランク美少女冒険者が俺の獣魔になっテイマす~  作者: すかいふぁーむ
一章

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59 戦後処理

「えー、もったいないー。リントくんがテイムしちゃえば良かったのに」


 ひと通り暴れきったビレナにコトの顛末を説明したら第一声がこれだった。


「悪魔など私1人で十分だろうが!」

「独占欲ですか。ベルちゃん可愛いですね」


 ビレナが暴れ回ったあとで大量の怪我人を治し切ったリリィがベルを撫で回している。


「やめろ! 違うわ!」

「ふふ、可愛い悪魔さんね」


 そして連中はいまティエラの魔法で眠らせているらしい。幻覚魔法のようなもので、場合によっては記憶を操作することもできるとか。

 恐ろしいな……。


 そんなことを考えているうちにベルがおもちゃになっていた。


「気安く触るでないエルフ! おいやめよ! こら待てなんでお前らはそうすぐ服を脱が……んっ……」

「可愛いねー、ベルちゃん」


 あれだけの力を持ちながらこのメンバーに囲まれればこうなるのかと笑った。


「ご主人ー!!! 早く助けろー!」


 楽しそうなのでしばらく放っておいた。


 ◇


「困りますな……」


 しばらくすると騎馬隊を引き連れた馬車が到着した。見るからに綺羅びやかな馬車を見るに、王国の要人だろう。

 降りてきた第一声がこれだった。


「困る?」

「はぁ……本当に。まさかこんなに暴れられていたとは」


 こちらを見下す態度を隠そうともしない男。


「何がお困りですか?」

「これはこれは聖女殿。いやはや、まさか我が領土でこうも暴れられては、これは国際問題になりかねませんな?」

「はぁ?」


 我慢できないのはやはりビレナだった。


「そもそもおじさん、誰なの?」

「ふんっ。これだからぽっと出の獣人風情や田舎者は困りますな。私は王国の外交大臣を務める侯爵、リムドでございます。あなた方ごときが同じ目線で話そうなど本来は頭が高いにも程がある話なのですよ」


 外交大臣か。しかも侯爵。その上は王族だけだから貴族の中でも一番偉いおっさんの一人か。偉そうなのもうなずける。

 だがこの態度はないだろう。迷惑をかけられたのはこちらだ。


「この件はビハイド辺境伯の落ち度です。よくお調べになられてからお越しになるべきでは?」

「まさか。辺境伯ともあろうお方がそのような暴挙に出るとはとても考え難い。何かあなた方のほうに原因があったに違いありません」


 ――カチン


 ビレナが切れた音がした気がした。ティエラが抑えてくれていなければおっさんの首は胴とお別れしていたかもしれない。


「好き放題だな。ビハイドが国境を越え侵攻した。それも禁術を複数用いて意思なき住民たちを引き連れてだぞ?」

「ふっ……冒険者風情がなにを……」


 まるで聞く耳をもたない様子だ。まあ、ここで全面的に非を認めると責任問題となり王国に大きな被害をもたらす。外交大臣というのはこうした脅しも必要なカードなんだろう。

 さらに俺たち相手に強気に出られる理由はもう一つあった。


「おい。頭が高いぞ」

「っ?!」


 後ろに控えていた騎士団。その中に一人、異様な存在感を放つ者がいた。


「……黒槍のヴィエルグ。Sランク超級の王国最高戦力の一人です」


 リリィが耳打ちしてくれる。


「おい、貴様も頭が高いな。我が主に何をする?」


 後ろからヴィエルグの放つ威圧をかき消す圧倒的な力が湧き起こる。ベルのプレッシャーだ。

 だがヴィエルグはそれと互角以上のプレッシャーを放ち続けていた。


「ふん……万が一貴様らが動けば、容赦なくその男の首を跳ねる」

「その前に護衛対象を守ったほうが良いのではないか? それとも、私怨のために任務もこなせぬ無能を晒すか?」


 せせら笑うベル。面白くなさそうにヴィエルグは目をそらし、プレッシャーからも解放された。


「脅しではなく、我々が全員でかかっても誰かが欠ける可能性のある相手ではあります。私が残れば首だけでも再生させてみせますが、今回有利なのは我々なので無理しないでいいかと」

「だな。ビレナを抑えといてくれ」

「はい」


 耳打ちを終えリムドに向き合う。


「ふむ。騎士が失礼しましたな。ですがビハイド殿が侵攻? その証拠がお有りですかな?」

「無理やり連れられた領民の話を聞けばいいだろう」

「おや。あれはそこのエルフの魔法ですな。エルフの魔法はたしか便利なものが多かったようで……それこそ、洗脳まで可能にするものもございましたな?」


 ティエラが後ろでごめんと言っていた。まぁ仕方ないだろう。まさかこんな難癖をつけられるとは思っていなかった。

 とはいえこれ、リムド侯爵はどうあっても哀れなことになるな……。


 素直にビハイドの非を認めて一方的な話し合いにしてしまえば確かに、何のための役職だという糾弾は免れない。だが一方で、この事実を知っていればもう少し別の立ち回りができただろうにとすこし可愛そうにすらなった。


「ご主人さまの盟約は、侯爵相手でも有効ですから」

「それが聞けてよかった」


 要するにどうあっても負け戦だったわけだ。リムドにとっては。

 ただやりすぎな側面もあり腹も立ったのは事実なのでしばらく好きにさせるか。そのほうが傷口は広がるしな。

 ニヤリと、こちらも嫌な笑みをしたリリィと目配せして状況の確認をした。

先日現実恋愛の連載の方で

一言でもいいので感想をください、何なら「にゃーん」だけでも書いておいてくださいと伝えたところ感想欄が猫だらけになって非常に楽しくなれました


こちらも是非、気軽に一言でもコメントもらえると嬉しいです!

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