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脱法テイマーの成り上がり冒険譚 ~Sランク美少女冒険者が俺の獣魔になっテイマす~  作者: すかいふぁーむ
一章

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51 勝負の結果

「こんなもんか……?」


 邪魔がなくなってからしばらく、見つけ次第ユキウサギをテイムし、さらにテイムしたユキウサギに仲間を呼ぶように指示したり巣に連れて行かせたりしながら数を集めた。

 特段傷つけることなくテイムをしていたおかげもあって、攻撃的になることもなく皆おとなしく俺にテイムされていった。


「これ……なんかもう納品するの嫌になるな……」


 結果今俺は雪原を埋め尽くす無数のもふもふにもみくちゃにされるという有る種天国のような体験をしている。

 こうして触れ合ってしまうと可愛いやつらだった。


「まぁでも一応連れて帰るしかないからな……」


 収納玉に入るよう指示すると列をなして順に飛び込んでいく。さすがベル特製。1000を超えるユキウサギがあっという間にすべて収納された。


「よし……じゃ、帰るか」

「きゅっ!」


 暗くなる前に山を降りてみんなを待つことにした。


 ◇


「リントくん、遅かったねー」

「嘘だろ……なんでみんないるんだ」

「ふふ……それはまぁ、周囲の生体反応がなくなるまで狩り尽くしちゃえば戻らざるを得ないじゃない?」


 ティエラのサラッと言った発言が怖い……。ユキウサギ絶滅の危機だ……。


「私はこれ以上やると地形が変わりそうだから渋々……」


 ビレナもまあ当たり前のようにトンデモ発言をする。どんなことしてたんだ。


「私もまあ似たようなものだが、闇魔法は一撃勝負だからな。周囲一帯のユキウサギ、その心臓を一斉に抜き取った。少し皮が汚れたがまぁいいだろう」


 何その怖い黒魔術……。恐ろしい……。


「あれ? なんか邪魔、入らなかった?」

「あー、これかしら?」


 ティエラがそう言うと地面に顔だけ出された生首のようなものが見える。大丈夫、まだ生きてる、と思う。


「ちょっといたずらされそうになったから土属性の精霊に見張ってもらってたんだけど、寒くて固まっちゃったみたいね」

「なるほど……」


 念の為確認したが殺しはしてないらしい。良かった……。


「私は手当り次第殴ってたからもしかしたら混じってたかもだけど、あんまり気にならなかったかな」

「ビレナらしいな……」

「私はちゃんと対象を選んだからな!」

「当たり前だ! 通りすがりに心臓くり抜かれてたまるか!」


 ベルの当然過ぎる主張にツッコミを入れたがその割にベルのところへ向かっていたはずの人間は姿が見えない。


「私の魔法を見てすぐに逃げ出したのでな。特段何もされてない」

「そうか」


 まぁ闇魔法、しかもスペシャリストのベルの本気はちょっとおぞましいだろう。気持ちはわかる。

 ちょうどいいタイミングで例の男がやってくる。納得できない表情と取り巻きを引き連れながら。


「なんだ……こりゃ一体どういう……」

「あ、えーと、どっかのクランの……」


 ビレナはもう名前も覚える気がない。ティエラがフォローをいれた。


「白花の英雄、クランリーダーギリス、ね?」

「あ、あぁ……」


 呆然とする男にティエラが話しかけにいく。美女に声をかけられて調子を取り戻したらしく軽薄な笑みを浮かべてティエラに絡みにいった。


「あー、なるほど。うんうん、やっぱゴラ山脈って危ないもんね? 冒険者の墓場って呼ばれるくらいだし」


 ティエラは止めることなく続きを促した。


「そっかそっか。もう勝負どころじゃなくなってみんな帰ってきちゃったんだなぁ。しょうがないって、まだはやかっただけだからさ! 安心していいよ、俺は何匹かはほら、ちゃんと持ってきてるし」


 そういうとかばんから捌かれたユキウサギを数羽取り出した。ただ素人目に見てもあまりいい状態とは思えない。角がおれていたり皮が汚れていたり……。


「それで、それだけかしら?」

「へ?」

「えっと、見たところAランククラン、白花の英雄さんの戦果はその3匹分のユキウサギ、ということでいいのかしら?」

「え? えーっと……そうだな。もうちょっとは仲間が持ってくるかもしれないけど……」


 歯切れが悪くなるギリス。

 ティエラがわざと周りに聞こえるように状況を解説しているので注目度も高まってきている。


「じゃあ、そのお仲間を待てばいいのかしら?」

「あ、あぁ……いや、どうせもう勝負どころじゃなかったんだろ? だったら俺達の戦果もこれでいいからさ。ま、お楽しみの罰ゲームはみんな揃ってからのほうがいいかもしれないけどさっ。あ、心配しなくてもそんなひどいことしないからね?」


 言質は取った。


「じゃあそれぞれ、納品しに行きましょっか」

「そうだねー」

「評価額はともかく数では負けておらんはずだぞ」


 3人がそれぞれギルドカウンターに向かったのを見てギリスが頭に疑問符を浮かべる。


「へ? 3人ともさ、諦めて帰ってきたんじゃ」

「それ、返すわね」

「え? ひっ……」


 そこではじめて4人の仲間をギリスに見せるティエラ。それまでは精霊魔法で姿を隠していたようだ。


「なっ……これは?」

「狩りの邪魔をされて私闘を申し込まれたから仕方なく相手してあげたの。3時間以内に治療しないと元に戻らなくなるわよ」

「なっ……そんな……こんなことどうして……いや、どうやって……?」


 ティエラが笑顔で言い放った言葉はその質問の答えではなかった。


「ギルドへ妨害行為は報告済みだから心配しなくていいわよ」


 唖然として仲間たちと固まるギリスをおいてカウンターへ向かった。


毎日更新再開へ!

そろそろ10万文字、ということでちょっと切りの良いところまで加速していきたいと思っています!

よろしくお願いしますー!


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現実恋愛で短編出しました、こちらもよろしければぜひ

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