表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

133/141

キュルケとの出会い②

「よし。行くか」


 人気(ひとけ)のない山道。続いている道の半分は自分で作ったといってもいい獣道を今日も進む。

 もちろん採取にも狩りにもお世辞にも効率が良いとは言えないルートだが、それでも途中で他の冒険者に絡まれるよりはマシだ。


「ん?」


 いつもどおり進んできたはずだった。

 それでも目印のない山道はどこかで方向がずれるものなんだろう。

 たまたま目に入った土の盛り上がり。なぜか引き寄せられるようにその場所に足を進めていた。


「これは……洞窟?」


 中の様子はよくわからないが、少し先に進めそうだ。


「松明がいるか……もったいないけど……これが遺跡ならそれだけで今の生活が一変する……!」


 遺跡やダンジョンの第一発見者になればこれまでの生活からは考えられなかった莫大な報酬が手に入るはずだ。それこそ、誰かに奪われる心配をしなくても済むような護衛を雇ったりもできるだろう。


「行こう……」


 意を決して乗り込むことにした。

 なけなしの松明に火をつけ、消えないうちに奥に潜り込む。

 中は狭い通路になっているようだ。


「一本道だな……?」


 壁に手を添えながら歩く。

 自然のものではなさそうな加工された壁に囲まれた一本道。周囲は汚れているようではあったが、行き止まることもなくずんずん奥に入っていける。


「あそこで行き止まり……か?」


 ほとんど一本道が続いただけで終わってしまったので少し拍子抜けする。

 これでは莫大な報酬も期待できそうになかった。


「ま、そんな簡単に人生変わらないよな……」


 そう言って引き返そうとしたとき、洞窟の奥に違和感を感じた。


「ん?」


 地面が見えるよう松明の明かりを下まで持っていくと、大量の紙が散乱しているのを見つけた。


「これは……?」


 松明を適当に脇に置きそちらに注意を移した。

 もしこれが価値のあるなにかなら、諦めかけた一発逆転の可能性もまた沸き起こる。


「頼むぞ!」


 祈るように拾い上げたそれを眺める。


「んー……」


 内容は……端的に言えばエロ本だった。


「なんでこんなもんこんなとこに置いてたんだよ!」


 拍子抜けどころの話ではなかった。


「くそ……散々期待させて……ん?」


 それとは別に、なにかの紙が落ちているのを見つける。

 紙の右下によくわからない星型の紋章のようなものが書いてある読み物だ。


「こっちは……なんかごちゃごちゃしてて読めないな……」


 星の模様のある紙だけをエロ本の中から拾い上げていく。

 本当に俺は何をしているんだろうか……。いや冷静になったら負けだ。これが何かにつながるかもしれないのだから。

 大方集め終えて、改めて目を通す。

 ページ数もわからないその書物は読めるものと読めないものがあったが、それでも俺を興奮させるには十分すぎる情報を記載していた。


挿絵(By みてみん)

発売6日前!

相棒のキュルケです!

元はスライム、今はもふもふで表情豊かな相棒

なろうではキュルケがまだスライムだった頃の出会いエピソード更新中!

特集ページはこちら!

https://gcnovels.jp/book/b1128.html

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ