表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

119/141

リントの特訓①

一巻に収録されてる話を抜き出して連載します

2万文字ちょっとありますが13話分に区切ってますー!

二日に一回更新です

後書きにて書影公開してます!

「じゃあリントくんのランクをさくっとあげていこー!」

「クエスト十個……本当にやるのか……」


 ビレナはこちらを確認するまでもなく、すでに準備に取り掛かっている。


「並行して精霊憑依の練習もしていこうね」

「スパルタすぎる」


 ギルに、いや正確には前に座るビレナにしがみついて言われるがままにギルに指示を出している間にたどり着いていたのは見渡す限り何もない、誰もいない草原地帯。

 だが、ここがただの草原地帯であれば、冒険者ももう少しくらい気軽に立ち寄るはずだった。

 これだけ広大な土地に誰の人影も見えないのには理由がある。

 ここは人呼んで――


「推奨ランクB……還らずの草原……」

「ま、大層な名前が付いてるけど大したことないから」

「いやいや……」


 まあビレナからすればそうなんだろうなあ……。いまも背後の土中から襲いかかってきたメドーワームをノールックで叩き潰しているし。あれも危険度Cだったはずなんだけどな……。

 ビレナがこの場所を選んだ理由だけはわかっていた。


「Cランクの依頼をBランクのフィールドでこなすなんて裏技があったんだな……」

「ふふーん。今のリントくんなら、これが普通なんだよ」

「そうなのか……いやそうなのか?」


 今俺が無事に生きてここに立っていられるのは、カゲロウとギルとキュルケがそれぞれ周囲を警戒してくれているからに他ならない。特に見た目からして強さがおかしいカゲロウやギルを見て襲いかかってくるような魔物はここにはいないというわけだ。

 だがいつまでもこれに頼っているわけにはいかない。


「リントくん。ちゃんとおびき出さないと、いつまでも終わらないからね!」

「わかってる」


 そんな魔物が、ギルやカゲロウより強いはずのビレナに襲いかかる理由は、ビレナがその力をコントロールして弱く見せかけていたからだ。


「ま、自分のコントロールと違ってこの子たち全員は難しいよね」

「それはそうでもないんだけどな」

「そうなのっ⁉ すごいね! リントくん!」


 ビレナのイメージと俺の感覚は結構差があるようだ。実際には三体くらいのコントロールはそう大変な話ではなかった。

 今俺がそう出来ない理由は、自身の身の安全を考えてのことでしかない。

 要するに……覚悟の問題だけだ。


「やるか」

「カゲロウちゃんは憑依してもらえば力を落とせるはずだよ?」

「そうなのか?」

「キュクー」


 同意するように鳴き声をあげて首を縦にふるカゲロウ。近づいてきたので撫でてやると炎の毛並みが嬉しそうに揺れていた。



挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ