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106/141

106 勝利

 放たれたティエラの矢は、グランドエルフごと周囲の景色までも巻き込みながらすべてを無に帰す極大の魔法だった。


「眠りなさい」


 それなりの距離があるはずのティエラの声が何故かここまで響いて聞こえてくる。

 それこそそう、先程までのグランドエルフのように、森が話しているかのように。


「くそ……! 森は、私を見捨てたのか!?」

「最初から森に意思なんてないわ」


 ティエラの声とともに、グランドエルフに終焉をもたらす魔法が届けられた。


「あるのは……私達の意思。精霊はそれに応えてくれていただけ」

「ぐ……ぁあああああああああああああああああああああああああ」


 ベルの闇魔法すらその光の前には無抵抗に飲み込まれていく。

 もちろんグランドエルフもそうだ。


「おのれ……! 森の……! 森の意思に逆らうなど……!」

「違うわね……あなたたちはただ、自分の意思を押し通しただけ。森を利用してね」

「ぐっ……あああああ……おのれ! おのれええぇええええええええええええ!」


それがグランドエルフの、長老側の最後の砦となった最長老の断末魔となった。


「ふう……」

「あっ! リントくんあれ!」


 魔法が通り過ぎたあと、一粒の大きな白い宝石のような何かがゆっくりと森に落ちていく。


「キュルケ!」

「きゅー!」


 キュルケに指示を出して取ってきてもらった。


「これは……」

「最長老……グランドエルフに集まっていたのは森のエネルギー。それが具現化したものね」


 いつの間にかおいついていたティエラが声をかけてきた。


「じゃあこれは……」


 ティエラに返そうと言おうとしたが、それを制してティエラはこう言った。


「旦那さまがもっていてください」

「けど……」

「きっと、何かの役に立ちますから」


 いつもと違う言葉遣いも相まって、なにかすごくティエラは神々しく魅力的に見えた。


「わかった。ありがとう」

「ええ。今回は本当に……本当にありがとう」

「最後に決めたのはお主だ」

「ふふ……そうね。譲ってくれてありがとう」


 ベルが前に言っていた。

 森の中であれば、エルフ相手なら苦戦すると。

 いまのティエラがまさにそんな状態なんだろうな。


「むしろ大変なのはこれからではないですか?」

「燃やしちゃったしねー、森」


 一番率先して燃やしたビレナがしれっとそんなことを言う。


「大丈夫。もう一度立て直すのはきっと、新しいことがしたくて私に付いてきてくれた子たちなら」

「そっかそっか」

「ええ」


 ティエラが言うならそうなんだろう。


「ひとまず、一段落ですね」


 リリィの言葉にようやく肩の力が抜けた気がする。

 カゲロウの憑依も解いて、勝利の余韻を味わった。


 

グランドエルフ編、決着です


現在書籍版の改稿作業をせっせとやっていますがエッチシーンががっつり加筆されておりますのでご期待ください!!!


別作品ですが四半期一位を達成しました!

いつもありがとうございます!


ひきつづきお願いしますー!!!



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