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102 挨拶

「流石ご主人。もう追いつかれるとは」


 先を進んでいたベルに一瞬で追いつくほどのスピード。

 自分でも驚くが、アオイがいるのでなんとかコントロールできていた。

 ただあまりしゃべる余裕はない。


「先に行く」

「ああ。気をつけてな」


 ベルをおいて加速する間に頭も整理しなければ……。


「キュルケは追いついたら自由にやってもらうとして、カゲロウは……」

『武器へ変化もできるのでしたな』

「ああ……」


 カゲロウのエネルギーを持った槍であれば、強力すぎる武器になる。

 今のアオイが憑依したこの状況であれば、単体で戦わせるよりも有用であることは想像できた。

 そうするか。


 あっという間に相手のフィールドへと足を踏み入れる。

 ビレナとリリィがはっきり見えたところで、アオイの提案で攻撃を仕掛けることになった。


『では、まずは挨拶代わりに一撃、叩き込むとしましょうか!』


 アオイの言葉に合わせるように腕に、手に、その強大なエネルギーを集中させる。


 ──龍王の息吹ドラゴン・ロード・ブレス


「うわっ!? いまのリントくん!? すごい威力だ!」

「本当に……凄まじいですねこれは」


 ビレナとリリィが驚くほどの威力を持った一撃を、グランドエルフと思われる光の渦に叩き込んだ。

 だが俺たちの期待する効果は得られず、森の中心からこちらの攻撃を吸収するかのように光が溢れ出してきていた。


 ──キュゥィイイイイイイイイイイイ


 甲高い音が耳をつく。音と連動するように光の塊が天高く伸びていき……。


『りんと殿!』

「ああ!」


 光の筋が、まるで巨大な剣を振り下ろすかのように俺たちのもとに降り注ぐ。

 アオイがすぐに気づいてくれたのでなんとか躱したが、森を含む地面が見渡す限り焼け焦げていた。

 そして……。


「やっとお出ましか」


 先程までの光の塊とは違う。若いエルフの男の身体が森の上空に浮かび上がっていた。

 目をつむったままのエルフへ、溜め込んでいたエネルギーが吸収されていくように光の渦が沸き起こる。

 まるで変身するかのような幻想的な風景に息を呑んでいると、ビレナから声が上がった。


「よーし。いまのうちにやっちゃおー!」

「え……」


 エネルギーを蓄える目の前のエルフに向けて極大の衝撃波を叩き込んでいくビレナ。

 いやなんか……目瞑って今にも目覚めるぞという雰囲気のエルフになんの遠慮もない状況に少し相手に同情してしまった。

 いいのかこれ……。いやまあ手段を選ぶ余裕はないんだけど……。こちらが申し訳なくなるほど容赦ない連撃でエルフはもはや見えなくなるほどの衝撃に巻き込まれていた。


 ──だが


「無傷……」


 リリィが息を飲んだ。


短編投稿しましたー


https://ncode.syosetu.com/n1266ge/

王女に仕えた万能執事、わがままが度を越したので隣の帝国で最強の軍人に成り上がり無双する〜誰からも評価されず毎日姫のわがままに付き合わされた不遇の執事はいつの間にか大陸屈指の実力者になっていたそうです〜

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