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「お風呂貸して」


「はぁ~~! 堪能しました! 太もも巨乳のパフパフ! たまらんわ~。これ胸より良いかもしれん。

 胸のパフパフだと視界ゼロだけど、太ももだと股間が目の前。

 下着を細めて食い込ませても良いし、なぞって筋を付けても良い、もちろん何もしないのもすてき。

 これは、世界に新しいフェチを生み出してしまったのかもしれない!」

(いつかカーさんにも教えてあげよう。あの人、腋は性器言うし。ちゃんと本物の魅力ってやつを・・・・)

「・・・・今から呼んだるか」


 リリーは通信魔法で親友のカサブランカを呼び出した。


「もしもしカーさん? 私新しいフェチを発見したの、今から来ない?」

《口頭で良いわよ、めんどくさい》

「今なら直ぐにでも体験できるのに?」

《体験ねぇ、誰かそこにいるの?》

「リーリエって知ってる?」

《直ぐ行くわ!》


 一方的に通信魔法が切られてしまう。


「カーさんもミーハーねぇ」

「悪かったわね!」

「・・・・お早いお着きで」


 転移魔法である。


「暇してたからね。で? どこよ?」

「こちらで~す」

 四人が寝ている客間へ案内し、今までの事情を説明する。


「なるほどねぇ。事情は分かった。

 とりあえず、腋に優るフェチは無いって再確認できたわ」

「え~、まだ腋言う~?」

「当然でしょ! 腋こそ至高! と言うわけで、いただきます」

 カサブランカは手を合わせると、腋にしゃぶりつこうとした。

「待て待て待て」

「何? 今大事なとこなんだけど?」

「私の患者よ? 自重して!」


 リリーは羽交い締めで止めるが、実力的にはカサブランカが上だ。彼女が本気で抵抗すれば止められないだろう。


「舐めるだけよ?」

「粘膜接触はダメでしょ」

「たかが腋じゃない、良いでしょ? 舐めるくらい」

「でもカーさんにとっては性器なんでしょ? じゃあダメよ!」

「かったいわね~。分かった、じゃあ触るだけ!」

「ダメよ!」

「なら布越し! 直接じゃなきゃ良いでしょ?」

「・・・・ まぁ、それなら」

「決り! ほら! 早く持ってきて! なるべく薄いのよ?」


 リーリエの四人が着ているのは、ノースリーブのワンピース。

 なのでリリーが新たに布を用意する。


「これで良い?」


 リリーが持ってきたのは、精霊の反物。その薄さは、向こう側が透けて見える程。


「これを腋に巻き付けて、っと。

 !!!!」

「カーさん!?」

 カサブランカは鼻血を吹き、叫んだ。

「至高!!」


 それからカサブランカは四人の腋を弄んでいった。

 爪先で引っ掻いたり、指の腹で撫でたり、拡げてみたり、摘まんでみたり、挟んでみたり、色々だ。


(私なに見せられてんだろ)


 リリーがおもむろに床を見ると、カサブランカの足元に水溜まりができていた。


(え~!? 腋触ってるだけで? 興奮し過ぎでしょ)


「何であなたと友だちなのかしら」

「人の一面だけ見てそんな事言うのは間違ってるわ」

「ちゃんと床拭いてよ?」

 カサブランカが指を鳴らすと水溜まりはきれいさっぱり消えた。

「お風呂貸して」




 リリーも一緒にお風呂に入る。一人になったカサブランカがおいたをしないよう、監視する為だ。

 お風呂の中が問題なのではない。リリーが入っている間、一人になったカサブランカが、四人に対し何もさせない為の監視だ。

 だから一緒に入っている。


「それにしてもさっきの布、精霊の反物。素晴らしいわ。どこで手に入れたの?」

「師匠の伝で、精霊と交流あるんだけど、時々お金じゃなくて現物で貰うの」

「もっとある? たくさん欲しいんだけど」

「あれ一巻きだけ。・・・・ なんか金の匂いがするわ、何に使うの?」

「察しが良いわね。あれでタイツを作るのよ。

 私の周り脚フェチ多くてね? ほら、ネーちゃんとか。きっと爆発的に売れるわ!」


 リリーが少し考え、ポンと手を打つと言った。


「師匠から貰ったバニースーツに、そんな感じの黒いスケスケタイツついてたわ」

 カサブランカが湯船から飛び出て走って行く。魔法で水滴を弾き、瞬間着衣。脱衣場を出る。

「リーさん! 早く!」

 リリーも後を追う。


「はいこれ」

 リリーは早速、バニースーツとセットの黒タイツをカサブランカに渡した。


「なるほどなるほど、こんな感じ。・・・・

 ・・・・ これ、借りてって良い?」

「もちろん。ど~ぞど~ぞ」

「ありがとう、もう帰るわね。あ! 今手持ちが無いんだけど、」

「別に良いわよ。反物にしろ、バニースーツにしろ、もて余してたし、」

「そう? じゃあ遠慮なく。あ! これが合った! これあげる!

 じゃあまたね!」


 カサブランカは転移で帰って行った。

 リリーは手渡された木彫りの女神像とメモを見る。


「こんなん渡されてもなぁ」

 それは、一部の人にとっては卑猥な像。大多数の人にとっては、意味のわからない像であった。ただし、その意味を知ると、酷く侮辱的である。


(いっか、どうでも。寝よ、さすがに疲れた)


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