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ダンジョン日記  作者: 亜坂コウ
一章
44/56

44

二月二十五日 晴れ

なば採り。

一人で品評会の分を採った。

昼から乾燥機入れ。

今日も八時に終了。

仕事中に市の職員から電話があった。

ダンジョン調査官とかいう役職の人で市内のダンジョンの実態調査とかいうのをやっているらしい。

それで明日の昼から伺いますとか言われた。

このくそ忙しい時に来られても困ると言っても聞きやしねえ。

市への報告はだいぶ前に済ませていたんだから来るなら早く来いよ。

おまけにダンジョンの中にも入るからそこそこ時間もかかるようで、明日は昼からずっと付き合わなければならないようだ。

勘弁してほしい。


二月二十六日 晴れ

なば採り。

昼からダンジョンの案内。

今日は採ったなばは全部保冷庫に入れた。

昼から人夫衆だけで回ってもらい市の石井さんとダンジョンに入った。

市の職員が来たら絶対に文句を言ってやろうと思っていたが、石井さんの疲れ果てた様子を見て何も言えなくなった。

ここに来る前で色々言われてきたらしい。

年度末も近くてどこも忙しいし。

このダンジョンの実態調査も年が明けてから急に決まった上に、年度内に終わらせなければならないらしい。

だからといって人数も多く割り振るわけにもいかず石井さんと上司の二人で回っているそうだ。

これ以上責めるとやばそうな雰囲気でなぜか俺が慰めていた。

一階を一通り案内して清書してコピーした地図をB6の分まで渡したらすごく喜んでいた。

最短ルートもわかっているのでどんどん降りた。

B4では石井さんがいたからかジェネラルが湧いたので速攻で倒した。

宝箱には指輪と青い液体の瓶。

指輪は石井さんに渡して青い液体は俺が回収した。

聞いたら石井さんも分からないらしい。

試した人によるとポーションじゃないかとのことだ。

そのあとはB7の階層まで案内した。

そこで出てくる敵のことを説明した後は引き返した。

帰る途中で他のダンジョンのことを聞いたら神社にあったあのダンジョンが今十三階層まで攻略しているそうだ。

出てくるのは鳥獣系のモンスターで十階層以降だとオークなどが出てくるらしい。

市内でどれくらいあるのかは把握しきれてないが最低でも百はあると言っていた。

基本的に土地の所有者はダンジョンに入ることがまずないので、こんなに正確な地図とモンスターの情報を提供してくれて本当にありがとうございますと何度も頭を下げられた。

苦労してるなぁ。

戻ってきたのは四時ごろ。

戻ってきてからも何度も頭を下げる石井さんと連絡先を交換して見送った。

どうか無事にやり遂げられるよう祈っておこう。

乾燥機に入れてもよかったが石井さんを見てたら一度休息をとった方がいい気がしたので早めに休んだ。


二月二十八日 晴れ

なば採り。

今日は予報通り猛烈な寒波が来た。

榾場を見て回ったが人夫衆だけで一回りできそうなので朝から乾燥機に入れた

採ってきたなばはカチカチに凍っていた。

三時までに横吹き五台、吹上げ二台回して乾燥機全部が稼働したので一緒になば採り。

夕方からなばを広げて夜中十二時ごろから入れ替えた。

朝から回した分は回転室に。

晴れ続きなので甲が白くて重さがあるしっかりとした品ができそう。

ダンジョンも一階だけ倒した。


三月一日 晴れ

昨日は日中も気温が低かったのでなばは開いてなかった。

人夫衆は休み。

俺も乾燥上がった品をしまうだけにした。

そういえば確定申告があった。

少しずつやってはいたけどあと二週間でまとめないといけない。

慌てて残っている分の処理をやった。

でも終わってない。

寒波はもう二、三日続くのでその間に何とか終わらせないと。


三月二日 曇り時々雪

なば採り。

一人で品評会の分を採った。

十時からは確定申告の処理。

夕方からは乾燥機入れ。

七時に終了。

それからまた確定申告の処理をした。


三月三日 雪→曇り

朝から粉雪が吹きすさぶ天気。

今日は飛ばしても良さそうなので皆は休みにした。

俺は一日事務処理。

乾燥が上がった品を仕舞に行ったらゴブリンが久しぶりに出てきていた。

最近マメに入ってたから渡しの板をそのままにしておいたせいで建物の近くまで出てきたらしい。

腰蓑(こしみの)だけのゴブリンの姿は見るからに寒い。

実際寒さに震えて建物に避難していたようだ。

とはいえ荒らされても困るのでデコピンを一発かましてダンジョンに放り込んだ。

ついでに一階だけ倒した。

帰って八時ごろまでかかったが何とか仕上がった。

ネットのやり方は良くわからないので明日の朝一で市役所に持っていこう。

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