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八月十三日 曇り→雨
朝は墓掃除と墓参り。
朝から風が強かった。
台風が来るし生花はあげずに新しい造花を多めにあげた。
家の仏壇には生花をあげて盆飾りをしておいた。
十時ごろから雨も降りだして外に出るのはしんどい天気だったので、家で一日ゴロゴロしていた。
夜は車庫で迎え火を焚いた。
母方の実家では普通にやっていたけど、こっちじゃあまりやらないらしい。
迎え火用の松を用意するのが地味に大変だった。
ふと、生きている人間の帰省も大変だけどご先祖様の帰省も大変そうだなぁと思った。
家に帰ろうとして台風に翻弄されるご先祖様を想像したら思わず笑ってしまった。
八月十四日 晴れ
台風一過で快晴だった。
台風は深夜から未明にかけて通過していった。
チリとかも全部持って行ったのか突き抜ける空の青さが奇麗だった。
若干南側を通過したので暑さも和らいで過ごしやすい天気になった。
明日は忘年会なのでよそ行きの服を出してみたがサイズがだいぶ変わっていた。
慌ててウニシロや赤木で買ってきたけどおっさん感が半端ない。
まぁ、もともとオシャレが出来る方ではないからいいけど、もうすぐ四十という年齢を突きつけられたような感じがした。
帰ってやけ酒。
八月十五日 晴れ
朝のうちは山の中を見て回った。
杉、檜の枝が大量に落ちていた。
それ以外では目立った影響はなかったので一安心。
ついでに一階のゴブリン退治。
一階のゴブリンに関してはもう武器も持たずに私服のまま入ってそのまま殴り倒して終わりだ。
三か月も経てば慣れるものだなとしみじみ思う。
頭悪いからダンジョンの入り口を囲うように堀をきって竹やりでも立てておけば勝手に死んでいくかも入れない。
東京に行く前に試してみよう。
夜は同窓会。
八月十六日 曇り
朝から二日酔いだ。
でも昨日は楽しかった。
やっぱりこれなかったのが数人いた。
ただ車でこれる範囲の人は結構来てたかか思ったよりも盛況だった。
高校卒業してからほぼ会ってなかった奴とかとも会えて懐かしかった。
高校の時は人生で一番太ってたし、最近まで太いままだったのにいきなり痩せて現れたので、みんな俺と気づくのが遅れていた。
それでみんなから心配された。
確かに俺みたいなやつがいきなり痩せてたら病気かストレスを疑うというのは分からないでもない。
なんでもないと説明したらなんかモテた。
何人かとは連絡先も交換したけど全員結婚してるやつだった。
さすがに不倫はできないな。
まあ、チヤホヤされてとても気分はよかった。
またダンジョン頑張ろう。
でも今日は休む。
八月十七日 晴れ
今日は一日ダンジョン。
B3で戦闘。
乱戦でも攻撃をくらわなくなってきた。
そろそろB4に降りてみようかと思う。
夜にマツボーに連絡して重機を借りることにした。
明日の夕方持ってきてくれるらしい。
ダンジョンの周りを二重くらいに堀で囲んでみよう。
八月十八日
今日は一日ダンジョン。
今日はB4に再挑戦。
慎重に歩を進め不意打ちを狙った。
ただ、ゴブリンたちの反応が素早い。
あれも雑魚ゴブリンじゃなくて斥候技能持ちかもしれない。
B3からB4の敵のランクが上がりすぎじゃないか?
一本だけ出た槍の穂先を改造して作った投げナイフでコマンダーを最初に狙ってみたが、一撃で倒せないのでうまくいかなかった。
コマンダーは大体一番後ろにいるので後ろから不意打ちを決められないと最初に倒すのが難しい。
まずは斥候の数を減らして、ファイターを排除し、それからコマンダーを倒さないといけない。
ファイターが二匹いるのも厳しい。
鉄杖以外の武器の練習とかもやったけど鉄上で対処できない時は迷わず撤退しよう。
鉄上は最悪もう一度買えばいい。
B4はマッピングの余裕がないので目印を差して、帰りにそれを回収しながら帰った。
夕方マツボーが重機を持ってきた。
来週末までは使う予定がないけど、急に必要になったときはまた連絡すると言っていた。
明日は堀を造ることにしよう。
八月十九日 雨
朝から一日雨。
ダンジョンに入る。
B4で探索と戦闘。
最近雨の日は大体ダンジョンに入っている。
ダンジョン探索はもはや趣味ともいえるものになっているなぁ。
パチンコに行かなくなった分お金に余裕ができた気もしたが、なんかいろんな物を買ってるしそうでもない気もする。
久しぶりにネットでダンジョンのことを調べたら、よそのダンジョンが攻略されたらしい。
全五階層でボスもいたそうだ。
倒した高校生たちには何か特典があったらしい。
ダンジョンはボスを倒したら消えたそうだ。
ただ、五階層というのはとても小さい部類ではあるそうで、世界で確認されている中で一番進んでいるダンジョンは二十二階層だ。
うちのダンジョンはどこまで広がっているのだろうか。