AoG 第2話 嘗ての仲間たち
もう普通に1ヶ月とか空いちゃいましたどうぞ!
「彼は一体何者だ?」
「これは私が今までで見てきた者達の中でも初めてみた魔力放出量だ。あなた達も感じとっただろう?主たち」
「ああ、試験日の時に私も感じたさ。彼は<対魔王軍戦線>に入線させるべきだ君達もそう思うだろう?」
「ああ」「うむ」「そうだな」
「それでは、彼をこの対魔王軍戦線、いや、夜八刻騎士団に入隊、勧誘を行うことに対して言を発する者はいるか?」
......。
「決まりだ、それでは、解散!!」
#*#
「イリア、ただいま」
「あ、カイルお帰り」
魔族を殺したあとに俺は射撃練習をしていた。
そしてもう一丁新しい銃を召喚した。まあそれに関しては後で。
もう夕方だし、イリアと一緒に夕飯を済ませてしまおう。
「イリア、お風呂入り終わったらご飯食べにいこう」
「わかった、じゃあなるべく早くでてくるから」
「ゆっくりでいいよ」
イリアはうん。と返事をして風呂に入っていった。
「あぁーー疲れた。久しぶりにあんなに魔力使ったよなあ、ってか、魔族が出るって一体どうなってんだ?」
俺は前世で魔族の王たるサタンを殺した。たった一人で。元々は仲間もいた。
そう、十六人もの仲間が......
俺は彼らを裏切った。俺には王のという座、そして名が重すぎたのだ。
幾人もの仲間、民が殺された。それに俺は堪えかねて国を、仲間を、そして民から背き、逃げて逃げて逃げて、死を覚悟して魔王軍にたった一人で乗り込んだ。
途中の記憶は無かったり、途切れてたりする。思い出せることは、魔王を殺したこと。そして、暗い闇の中にいたことだ。
その闇は今も正体不明である。
「マーリン、ガラハッド、ガヴェイン......あれ?」
俺はベッドにねっころがり、涙を流していた。
俺の口からは、俺が裏切った嘗ての仲間達の名前と嗚咽だった。
そして俺は一頻り泣いていた。そして、鳴いた。仲間の名を。
*#*
暫くしてからイリアは風呂から上がってきた。
「ふぅー、いい湯だった、って!どうしたのカイル!?」
酷い顔だったのだろう。俺は言い訳も思い付かなかった。考えられなかったし、今の状況で彼女に嘘をつくことは不可能だと察したのだ。
彼女は昔から勘がよかった。俺が冷静に言葉を判断しないと彼女は勘づくのだ。
「な、何かあったの?」
「......」
「うん、大丈夫、もう大丈夫。」
彼女は優しく俺を抱き締めてくれた。涙が止まらなかった。止められなかった。
#*#
そこは何もなかった。暗く俺は浮いていた。
「ようやく僕達のことを思ってくれたんだねえ、ちょっとばかし遅い気がするぞう、アーサー君」
声がした。男の声。低いとも高いとも言えない声。
そしてどこか懐かしい気がした。
「おい、ここはどこだ!お前は誰だ!」
叫ぶ。
「うーん、簡単というか、そのままいってしまうと<夢>だねえ、君の夢。君は今眠ってるのさ」
「それじゃあなぜお前がいる!」
「君が僕達のことを叫んだからだろう。何だって僕は千里眼の持ち主だし、夢魔と人間のハーフだからね、夢を行き来するのは朝飯前さ」
夢、魔......
そうか、こいつは
「お前は、マーリ」
「おっと!そこから先の台詞は現実で聞きたいね、僕、いや、僕達は思い出の場所で待っているよ。それでは目をお覚め、二代目アーサー王」
読んでくたさりありがとうございます!ざっと前の投稿から1ヶ月くらいたっていることに驚いてます。その割には内容が少ねえよっっっっ!!って思っている方もいらっしゃると思います。スミマセン。もしかしたら僕の投稿が遅いことに慣れている方もいるかもしれません。そんなに今までご愛読してくれる人が本当にいたら凄く嬉しいんですけどね。それではまた次の話で!