第9章 竜傑 legend
今回は竜!とにかく竜です!では、どうぞ!
「ああ、それは俺の転生前の名だ」
俺は転生前の事を隠さずに答えた。
「まあ、正確に言えば、<アルトリア・ペンドラゴンII世>なんだけどな」
「はっはっは!そうか、やはりな」
なに笑ってんだコイツ。
「失礼、名を名乗るのが未だだったな。我は七首幻影竜、第一首、<ブリシェス>である」
急に礼儀正しいなこいつ。
てか、さっきのカタコト言葉は何だったのだ。
「ああ、分かった。じゃあブリシェス。さっきのカタコト言葉はなんだ?」
「人間の言葉への変換魔術がまだ上手く使えなかったのだ、失礼した」
言葉変換魔術ってのは魔術を用いて相手に自分の言葉が一番相手にとって馴染み深く、脳に定着している言葉にする。という魔術だ。とても簡単。
「なるほど。ならもうひとつ、何故お前はここに来た」
これが一番の疑問だ。こいつは何のためにここに来たのか。
場合によっては殺さなくてはいけない。
「なあに、簡単なことよ。ここら辺の魔素が先日、妙な動きをしたのでな。その原因を見に来たというわけだ」
なるほど。そういうことか。
先日、この都市に来る途中に魔族と戦った。その時に俺の固有スキルである、大魔導師の陰謀を使ったお陰でここら辺の魔素の動きに変化があったのだろう。
それに気付くとはやはり厄介なやつらだ。
しかも、竜の分類。<ドラゴニア>と呼ばれるものだ。
戦うとなれば、少々面倒くさいので、勘弁してほしいものである。
しかも大体の魔族は大魔導師の陰謀を使ってここら辺の魔素を俺の体に取り入れても奴等は体内から魔素を作り出せるので効果がない。
はあ、めんどうだな......
一応このあとどうするのか聞いておくか。
「それで、このあとはどうするんだ?」
「お前と<使い魔契約>をしたい」
「......は?」
こいつ......俺と使い魔契約がしたいって......正気か?
「お、おい。お前、自分がなに言ってんのかわかってんのか?!」
「ああ、重々理解している。俺はずっと自分より強い者と共に旅というものがしたかった。お前は、いや、貴方は強い。そして貴方と共に旅をするのがこの私の夢となった。どうか私と使い魔契約をしてください」
け、敬語......コイツを使い魔にか。使い魔っていうのは簡単に言うと<ボス>と<下っぱ>みたいな関係だ。少し違うけど......
ていうか、コイツを使い魔にしたらちょっと魔術師っぽくなれるしドラゴニアを統一出来るかもしれないのだ。
答えは1つしかない。
「勿論だ!今からお前は俺の使い魔だ!」
その瞬間、ブリシェスの額(?)に魔術紋章が現れる。
よく見るとそれは、俺の左手の甲にある、魔術紋章と同じ形をしていた。
そう、赤黒い竜のような形をしたものだ。
そして、俺の手首が急に光り出す。
「え、ちょ、ええ?!」
光りはだんだんと消えていき、俺の手首にはブレスレットのような紋章が現れた。
「それは、マスターである証。貴方は私のマスターとなりました。」
「おお、急にかよ」
俺はブリシェスと契約をした。して、俺は竜魔術師になった。のか?
「うん、まあいいや、宜しく、ブリシェス!」
「はい、マスター。我が翼は貴方と共に」
でも、こいつは俺の転生前のことを喋ってしまった。
「なあ、ブリシェス。俺の転生前のことは誰にも言わないでくれ」
「はい、マスター」
俺はブリシェスの頭を撫でる。
そうすると、クゥーンなんて声を上げるのだ。可愛いな。
「じゃあ、改めて宜しくな、ブリシェス」
「はい、マスター!」
毎度読んでくださりありがとうございます。はじめてのかたは初めまして。読んでくださりありがとうございます。
今回は短かったけどかっこよかったと思います。自分的に(笑)
アーサーとかって凄く憧れます。かっこよくて強いって最強じゃないですか!
ここであとがきの新コーナー!<最強魔術師の裏話>です!
実は、ブリシェスってメスなんですよ!
では、読んでくださりありがとうございました。