第8章 氷の湖、処刑、金貨。
俺は街の外に走った。すると青い騎士たちが馬に乗って待機してた。
「あれは共和国の騎士たちだよ!」
レイがそう言った。
「貴様ら、あの街から来たのか?我々は共和国王に仕え、帝国に制裁を下す。共和国騎士団である!街の状況を報告せよ!」
白馬に乗った騎士が訪ねてきた。
「反乱軍が中で反乱をしていて、、、」
「あのねっ!帝国の黒い騎士が帝国の悪い人たちを倒してるんだよ!」
レイが話に割り込んできた。さっきまで捕まってたとは思えない。
「状況は分かった。これより共和国領奪還作戦を開始する。共和国万歳!!」
「うぉぉぉぉおおおお!!」
騎士たちが街に入っていった。
奪還作戦が終わり、奪還が成功すると広場で共和国領になった事が宣言された。
「我々は、悪しき帝国に正義の鉄槌を下す共和国騎士団である。諸君らは帝国の圧政から解放された。喜べ。そして正義の共和国に保護されたのだ!」
その日から共和国領になり、名もない街は『ヴィズ』という名が付いた。
帝国のあの黒い騎士がレイの家を訪ねてきた。
「久しぶりだな、、、爺、、、」
「あぁ、あんたか、、、」
おじさんが答えた
「えっ、知り合い何ですか?」
「あぁ、まあな、、、」
あまりうれしそうじゃない返事をした。
「あの日を覚えているか、、、」
「もちろん、、、」
「約束を守ってくれたんだな、、、」
「あぁ、もちろんだよ、、」
俺は状況が分からなかった。
「説明してもらっても、、良いですか、、、?」
「もちろんだ。」
黒い騎士が答えた。
「あれはフローズンレイクでのことだったか、フローズンレイクは帝国領の中で最も治安が良くなかったんだ。反乱軍が活動していたからな。そして俺は反乱の鎮圧部隊として帝都から派遣されたんだ。そして反乱軍のやつらを捕まえたんだ。一人を除いてな。最後の一人は『レイ』だったんだ、、、」
「!?」
おじさんの話と同じだった。
「帝国のやつらはレイに『出てこなければ両親は殺す』と脅した。俺は悲しかった。出てきても殺されるだけだからな、、、だから俺は一人で探した。レイを。そして広場の人込みの中にレイを見つけた。レイは自首しようとしていた。親父とお袋の所に行こうとしてたらしい。丁度運が悪いレイは処刑寸前に広場にいた。広場で公開処刑が行われることを知らずに。両親を見つけたんだろう、処刑台の所に走っていった。だから俺が抱きかかえ、口を押えた。、、、、」
数年前、フローズンレイク、、、
「この愚か者どもをこれより処刑する!」
処刑官がそう言った。そしてレイは走った。両親のもとへ。しかし黒い騎士が人混みがら出る寸前のレイを引き戻した。そして抱きかかえ口を押えた。
「死ねぇ!帝国の恥がぁぁ!!」
レイは両親が処刑されるのを見てしまった。騎士に剣を何本も刺され、死んでいくところを、、、レイは涙をこぼした。
「お前が出て行っても両親は殺されていた、、、お前も殺されていた、、、」
そう言って黒い騎士はフローズンレイクを出て行った。森に入るとレイを下ろした。するとレイが涙を流しながら
「帝国のばかぁぁ!!なんで、なんでお父さんとお母さんをおおお!!」
小さな握り拳で黒い騎士を殴った。
「すまない、、本当にすまない、、お前の両親を見殺しにしてしまった、、、でも!お前だけは守る、見殺しにはしない、、」
そういってレイを抱きかかえ、暗い夜道を歩いた。ずいぶんと歩いたころ、たくさんの明かりが見えた。適当に家を訪ねた。
「コンコン」
「はい、どなたですか?」
人が良さそうなおじさんが出てきた。
「あぁ、あんた帝国の、、、」
「あぁ、そうだ。でも安心しろ。何もしない。頼みを聞いてくれ。」
「中に入りなさい。」
そう言われ中に入った。
「何があった?」
そう聞かれフローズンレイクでレイにあった事をすべて話した。そして
「この子を引き取ってくれ。俺は帝国の人間だから引き取ることはできん。だからあんたがこの子の親の代わりになってくれ。」
「でも、、、」
おじさんがそう言ったとき
「あんた、この子を引き取るよ。」
「アリシア!」
おばさんが出てきた。
「そんな子を放っておけないわ。親の代わりになってあげましょう。」
「そうだなアリシア。お前の言うとうりだ。」
黒い騎士が袋を机に置いた。
「こんな事しかできないがこの子の為に役立ててくれ。何かあればきっと来る。じゃあな、お2人さん。絶対にその子を離すなよ。」
「あぁ、もちろんだよ、、、。」
「では、さらばだ。」
黒い騎士はその家を出て行った。そしてフローズンレイクに向かって歩いた。袋の中身は帝国の金貨が数十枚入ってた。でもその金貨は帝国のように冷たかった。